ブラジル経済情報 - 2005年06月

【ブラジル経済情報】 速報 6月30日

総合市場物価指数IGP-Mは2ヶ月連続のマイナス

ゼツリオ・ヴァルガス財団は、6月の総合市場物価指数(IGP-M 調査期間5月21日から6月20日)は、前月のマイナス0.22%に続くマイナス0.44%を記録し、2003年6月のマイナス1%に次ぐデフレになったと発表した。

これはドル安による工業製品の小売価格が、前月の0.13%からマイナス0.82%と大幅に値下がりしたが、基本金利(Selic)の早期低下に影響をもたらす可能性もでてきた。

同指数の60%を占める卸売り物価指数(IPA)は、前月のマイナス0.77%から更に落込んでマイナス1%となり、農産物のマイナス1.56%の大幅な落込みが影響している。

また同指数の30%を占める消費者物価指数(IPC)は、5月の1.02%から0.05%と落込み、特に食料のマイナス0.57%が指数を下げた。

この総合市場物価指数は、今年の累計で1.75%、最終12ヶ月間で7.12%を記録している。(30日付けエスタード紙)


社債発行が急増している

今年6月29日までの民間会社の社債発行は、前年同期よりも大幅増加の48億ドルで、33億ドルの連邦政府外債よりも多くなった。

オースチング・レイチング・コンサルタント社のロドリゲス社長は、下半期も資金調達のために民間企業の社債発行は増えるが、現在のドル安では外貨建て社債だと為替リスク回避のためにヘッジをしなければならないのでコスト高になると説明した。

また民間大企業は、昨年大いに利益を上げたが長期投資を見合わせており、高金利の銀行融資での資金調達よりも社債発行での調達を選んでいる。

エレトロパウロ社は、為替リスク回避のためにレアル建て年利19.125%の5年物社債4億7,400万レアルを発行した。

またボトランチン・ファイナンス社もレアル建て社債12億5,000万レアル、ボトランチン・オーバーシーアーズ社も4億ドル社債を続けて発行した。(30日付けガゼッタ・メルカンチル紙)


クルージング観光が伸びてきている

ブラジル人のクルージング観光が急成長するのに合わせて、CVCクルーザー社は1,000万ドルを投入し、スペインのイベロスター社から豪華客船ミストラル号をレンタルした。

同船は乗客1,600人、乗務員470人、客室470室、カジノ、プールーやダンス広場などを有する豪華客船である。

また同社はアマゾン河のサンタレンとマナウス間に豪華客船パシフィック号を就航させており、最近就航した5つ星のイべロスター・グラン・アマゾン号と顧客獲得に火花を散らしている。(30日付けガゼッタ・メルカンチル紙)


【ブラジル経済情報】 速報 6月29日

ルーラ大統領は100ドルのラップトップ開発にゴーサインを出した

ルーラ大統領は、2月のダボス会議でマサチューセツ工科大学(MIT)情報研究所の二コラス・ネグロポンテ教授が発表した100ドルのラップトップコンピューター開発に興味を示し、この開発勉強会にネグロポンテ教授及び同研究所、大統領特別補佐官、科学技術省次官など5省の次官級を指名した。

このコンピューターを100万台生産し、公立校の生徒に教科書がわりに配布し、生徒は家庭に持ち帰って、家族も自由に使用できるもので、多くの低所得層の情報テクノロジーの取得を視野に入れたプロジェクトとなる。

ネグロポンテ教授は500メガヘルツのプロセッサー及びOSリナックス使用で75ドル、現在150ドルの液晶モニターをシンプルデザインの低画素数モニターの開発で30ドルまでコストダウンすれば、十分可能と計算している。

開発費は後援企業8社から1,600万ドルを集め、MIT情報研究所から無償でロイヤリティーの提供を受ける。(29日付けエスタード紙)


今年上半期の企業合併・買収(M&A)は170件

経済成長率の鈍化や政治危機にもかかわらず、今年上半期の企業合併・買収は昨年同期123件の38.2%増しの170件にのぼり、2001年上半期の184件以来の件数となっている。

KPMGコンサルタント社は、マクロ経済基盤の安定及び持続的経済成長を続けているブラジルは、海外投資家から信用を得たものと見ている。

また同社は昨年下期の企業合併・買収件数は93件で前期の43件を大幅に上回り、今年は昨年よりも20%から30%増加を予想している。(29日付けエスタード紙)


ボルボ社はチリへ1,900台のバスを3,400キロメートルの陸路から輸出

ボルボ社はパラナ州クリチーバからアルゼンチンを縦断し、高度5,000メートルのアンデス山脈を超えて、チリの首都サンチアゴまでの陸路3,400キロを通してバス1,877台を輸出する。

この輸送経路はトランサンチアゴと呼ばれ、ボルボ社にとっても初めて使用するアンデス越えの陸路である。

このバス輸出はクリチーバとウルグアイアーナ間をサンパウロ州の4社が請負って輸送、ウルグアイアーナとチリ間は別の南大河州やパラナ州などの下請け企業が輸送、経費は350万ドルと低いが、この時期のアンデス経路は雪の降る可能性もある。(29日付けガゼッタ・メルカンチル紙)


インドのIT企業サテヤム社(Satyam)がブラジルに上陸

インドのIT企業でも4指に入り2万3,000人の従業員と10億ドルの年商を誇るサテヤム社が、1ヶ月前にサンパウロに事務所を構えた。

サテヤム社はブラジルで、ソフト開発、据付やシステム統合を事業の柱にするが、業界内では技術者の引き抜きを警戒している。

また同社の競合会社は、すでにブラジルに進出しているIBM社、アクセンチャー社、インドのタタ社や地元のCPM、ポリテッキなどである。

同社の戦略は、中国をアジア戦略の拠点にして日本をカバーしており、ブラジルを南米の拠点にする計画である。(29日付けヴァロール紙)


ドルは38ヶ月ぶりの安値R$2.367

石油価格の低下と郵便局汚職の議会調査委員会(CPI)の証拠不足などで、昨日の金融市場はドルが0.34%下げてR$2.367となり、2002年4月30日以来の安値を付けた。

カントリーリスクは2.35%下げ416ポイント、サンパウロ平均株価指数は0.14%上げ2万5261ポイント、C-ボンド0.06%上げ102.188%となった。

外貨準備高は、グローバル2015の外債発行で6億ドル増しの600億9,300万ドルとなった。(29日付けエスタード紙)


【ブラジル経済情報】 速報 6月28日

国際決済銀行は本年のブラジルの経済成長率を3.6%と予測

国際決済銀行(PIB)は、今年のブラジルの経済成長率を3.6%、ラテンアメリカ平均4.3%、新興国平均6.3%と予測している。

またアルゼンチン6.8%、メキシコ3.9%とブラジルよりも高い経済成長率を予測しており、インド、韓国、台湾、トルコ、ロシア、ハンガリー、ポーランド、チェコ、中近東諸国やアフリカ諸国でも4%以上の成長率が予測されている。

昨年の経済成長率が9.5%であった中国は8.9%、アジア平均も7.2%が見込まれている。

しかしブラジルの1995年から2003年の平均経済成長率は2.1%とラテンアメリカ平均の2%よりも高かったが、2004年はラテンアメリカ平均5.9%を下回った。

また今年のインフレは、新興国平均5%、ラテンアメリカ平均6.3%を上回る

6.5%が予測されているが、アルゼンチンの10%とロシアの11.6%よりも低い。

G7(先進7カ国)の平均インフレは2.0%、中国3.2%、インド5.6%、アジア3.9%、メキシコ4.0%、韓国3.2%とそれぞれブラジルよりも低い。(28日付けエスタード紙)


新車の55%は1,000CCの大衆車

新車の55%は1,000CCの大衆車であり、各社は虎視眈々と新車投入計画を練っている。

フォード社は数ヶ月以内に、大衆車Kaよりも安い大衆車投入の発表を行う予定であるが、ワーゲン社はゴール車に替わる3,000ユーロ(9,000レアル)程度の低価格車を開発している。

また新規参入組みのインドの自動車メーカー・タタ社は、7,500ドルの大衆車でブラジル進出を検討している。

フォード車及びワーゲン社の大衆車開発資金は、サンパウロ州政府が輸出用クレジットとして徴収していた各社の商品流通サービス税(ICMS)の解除で賄われる。フォードには3億4,790万レアル、ワーゲンには2億5,950万レアルのクレジットが解除される。

ルノー社はパラナ州サン・ジョゼ・ピニャイス市に1億5,000万ユーロを投資して、2007年からクリオ車よりもシンプルな1,000CCと1,400CC を市場に投入する。

日本勢では、カローラ車とフィールダー車(ステーション・ワゴン)が人気を博しているトヨタ社は、2010年までにコンパクトカーを投入して、5年以内のシェア10%の確保を視野に入れている。

また売行き好調なシビック車、1,400CCと1,500CCのフィット車を市場に投入しているホンダ社も、コンパクトカーの投入を市場では予測している。(28日付けエスタード紙)


大西洋岸森林地帯の州立公園を観光地に

昨日アウキミン聖州知事は、ワシントンで国際開発銀行(IDB)と大西洋岸森林地帯(マッタ・アトランチカ)内の州立公園の自然保護保全に900万ドルの融資契約に調印した。

サンパウロ州政府は、この融資金をサンパウロ市からも近く、自然が豊富に残っている同森林地帯への観光客誘致及び自然保護のための監視の強化に当てられる。

またサンパウロ州政府は、世界銀行を通して世界環境基金(GEF)から州内河川地帯緑化保全のために775万ドルの無償援助を受け、2009年までに総額1,952万ドルをこのプロジェクトに投資する。(28日付けガゼッタ・メルカンチル紙)


【ブラジル経済情報】 速報 6月27日

銀行の個人融資利子は年率77.2%

中銀の発表では、5月の個人融資利子は年率77.2%に達し、4月の75%から2.2%も上昇した。しかし民間銀行の個人融資は、平均年率35.6%の年金担保融資がなければ年率100%近い高率である。

5月の個人融資残高は、4月の3.5%増加の1,344億レアルで、最終12ヶ月間では36.8%も増加しているが、不渡りや支払い遅延は4月の12.8%から12.5%に減少している。

また5月の個人及び企業への融資残高は、4月より1%増加の3,024億レアル、最終12ヶ月間では21.8%の増加となっている。

5月の特別小切手は、前月の9%増加の175億7,700万レアルが利用されたが、年率147.6%であった。(25日付けエスタード紙)


今年初めの5ヶ月間の財政1次収支は、国内総生産の4.40%の黒字を計上

今年5ヶ月間の財政1次収支の黒字は、336億9,600万を計上し国内総生産(GDP)比4.40%で前年同月比4.19%を上回った。また今年初めの4ヶ月間の黒字はGDP 比5.02%であった。

5月の連邦政府の財政1次収支は、歳入54億5,200万レアル、社会福祉部門歳出23億4,300万及び中銀歳出1,680万レアルで、30億9,200万レアルの黒字であった。

純益に対する社会納付金(CSLL)及びローヤリティ歳入が4月末に集中し、また州や市町村への歳出21.9%の増加や失業保険支出増加で、5月の国庫歳入は前月比15.9%も低下した。(25日付けエスタード紙)


寒さ到来で、衣類小売業界の売上げ向上

先週の寒波到来で、衣類小売業界の売上げは羊毛製上着を中心に、売上げが伸びたが、今年5月と6月の平均気温は例年を大きく上回っており、すでに冬物バーゲンセールを始める小売店もでてきた。

大型衣料小売店レネール社では、オーバーや外套の冬物を月末まで25%割引セールをすでに始めている。

またAC&A社では頭金なしの月利4.5%の7分割払いセール及び外套やジャケットの20%割引セールをすでに展開している。(25日付きエスタード紙)


国家原油庁はアマゾン地域のガス埋蔵区域を競売にかける

国家原油庁(ANP)は、今年下半期にパライーバ州よりも広いアマゾナス州ソリモンエス天然ガス埋蔵鉱区のウルク地域6万3,300平方キロメートルを競売する。

このウルク鉱区は28ブロックに分けられるが、ソリモンエス鉱区内のジュルア、コアリ、サン・マテウスの3箇所で天然ガスの埋蔵が確認されており、最初の発見は1978年にウルク西部のジュルア鉱区であった。

ブラジル石油公社のペトロブラスの調査では、ウルク地域の天然ガスの埋蔵量は500億立方メートルでブラジルの天然ガス埋蔵量の10%に相当し、10万バーレルの良質な原油の埋蔵も確認されている。

この天然ガスはマナウス市をはじめロンド二ア州ポルト・ヴェリョ市、アクレ州リオ・ブランコ市へもパイプラインで天然ガスの供給が計画されている。(26日付けエスタード紙)


【ブラジル経済情報】 速報 6月24日

国家通貨審議会は長期金利を9.75%に据置き

国家通貨審議会(CMN)は社会経済開発銀行(BNDES)の長期貸出金利(TJLP)を9月まで18ヶ月連続の9.75%に据置いた。

これは中銀の2005年末と2006年のインフレ目標値が、連邦政府の目標値を上回っていることが据置きの大きな要因となっている。

またCMNは人口10万人以上の都市を対象に、数日後に発表されるインフレ整備用の都市交通計画に上限3億レアルの融資を決定した。

CMNは2005年/2006年の農産物収穫に対し、トラクターや農機具購入のためのモデルフロッタ計画に対して、年収15万レアル以内の生産者に年率9.75%で融資することを数日以内に発表する。また年収15万レアル以上には年利12.75%の融資となる。(24日付けエスタード紙)


広範囲消費者物価指数(IPCA-15)は、2003年7月以来の低率

連邦政府の参考インフレ指数である広範囲消費者物価指数(IPCA-15)は、前月の0.83%から0.12%に急降下し、2003年7月以来の低率であったとブラジル地理統計院(IBGE)は発表した。

上半期のIPCA-15の累計は3.51%、最終12ヶ月間では7.72%となり、アルコール燃料の平均9.51%の値下げが、同指数を大きく下げた。

また食料品の値下げも影響しており、特に精糖-5.1%、生鮮野菜-5%、フルーツ‐4.34%、大豆油‐3.72%、米-3.66%とそれぞれ値下がりした。

地域別では、サルバドールが0.71%とインフレが高かったが、クリチーバ‐0.38%とゴイア二ア‐0.14%ではデフレを記録した。

この調査は5月15日から6月15日の期間に、40最低給料以下のフ家庭を対象に、サンパウロ、リオ、ポルト・アレグレ、ベロ・オリゾンテ、レシーフェ、べレン、フォルタレーザ、サルバドール、クリチーバ、ブラジリア、ゴイアニアの各都市で行われた。(24日付けガゼッタ・メルカンチル紙)


病院の負債増加で利益が圧縮されている

パウリスタ医療経済センター(Cpes)の27の加盟病院の経営調査で、平均純利益は2003年の4.7%から2004年は1.8%まで低下していることが判明した。

これは昨年の投資拡大による負債増大と高金利で経営が圧迫されている病院が大半であったが、アルバート・アインシュタイン病院は前年比35.8%増しの1億380万レアルの黒字を計上し、利益率は16.1%から18.3%に引き上げ、平均値を遥かに上回っている。

また委託業者の手数料や撮影診断センターの値上げにもかかわらず、過当競争による患者への医療費の値上げができないことが、多くの病院の現状で利益率を圧迫している。

サンルイス病院の収入の47%は、ガーゼや注射器によるもので、入院費や診察料などの収入は僅か30%である。

調査した27病院の2004年の売上げは32億2,600万レアル、支出は29億400万レアル、また不渡り率3.61%で、黒字は僅かに3億2,169万レアルを計上したに過ぎない。(24日付けヴァロール紙)


【ブラジル経済情報】 速報 6月23日

税収の伸びが鈍化してきた

5月の連邦政府の税収は270億9,400万レアル、インフレ分を引いた実質成長率は前年同月比2.02%で5月の月間記録となったが、前月比ではマイナス15.61%であった。

今年5ヶ月間の実質成長率は、昨年同期比5.24%であるが、昨年同期は10.62%の成長率であった。これは社会統合基金(PIS)-5.52%と社会保険融資納付金(Cofins)-7.99%がそれぞれマイナスとなったことが税収の伸びに大きく影響している。

PISとCofinsが税収全体の32%を占めているが、これ以外の税収では、5月7.3%、今年5ヶ月間では4.9%それぞれ伸びた。

また5月の工業製品税(IPI)の実質成長率は、9.31%、今年5ヶ月間11.83%、個人所得税(IR)は12.55%伸びた。

今年5ヶ月間の法人所得税(IRPJ)は19.47%と大幅に伸び、これは電気通信、金属鉱物、鉄鋼、電気やガス部門からの税収が大きく寄与した。

また今年5ヶ月間の純益に対する社会納付金(CSLL)は18.17%と法人所得税同様に大幅に伸びたが、経済支配介入納付金(CIDE,通称-燃料税)は、今年の年頭から伸びが鈍化している。(23日付けエスタード紙)


5月の大サンパウロ圏の失業率は、17.5%

3ヶ月連続で伸びていた大サンパウロ圏の失業率は、4月に続いて横ばいの17.5%であったと州データー分析システム財団(Seade)と労使間社会経済調査・統計所(Dieese)の合同調査で判明した。

失業率は4月と同じであるが、実際は4月よりも8,000人多い176万1,000人が失業していたが、3万5,000人だけが就職できた。

労働手帳に登録されない不正規労働に4万3,000人が就職、また自営業に2万4,000人が就いたが、正規労働者2,000人が職を失った。

収入面では、4月の平均月収は1,024レアルで前月比0.1%増し、前年同月比0.4%の微増であったが、購買力は前月比0.8%、前年同月比5.5%となっている。(23日付けエスタード紙)


スザノ製紙とアラクルス・セルローズ社がカーボンクレジット取引

昨年10月にシカゴ気象取引所(CCX)に参加したスザノ製紙は、保有林でのカーボンクレジット取引を主張しているが、保有林による取引規定は未だ完全に確立されていない。

スザノ製紙はバイア州南部に所有する4万ヘクタールのユーカリ林から500万トンのカーボンが排除できると計算している。CCXではトン当たり1.73ドルで取引されている。

またアラクルース社も今年5月にCCXに参入、ブラジル企業として初めて取引が認められた。同社の計画は2003年から2006年までにバイア州とエスピリット・サント州の同社の保有林で10万トンのカーボンを排除する。(23日付けガゼッタ・メルカンチル紙)


【ブラジル経済情報】 速報 6月22日

国家通貨審議会は、2006年及び2007年のインフレ目標値を4.5%に設定

国家通貨審議会(CMN)は、23日に2006年及び2007年のインフレ目標値を、上下2%許容誤差付の4.5%に設定する予定。

中銀が006年度のインフレ目標値を5%から5.5%までに抑える政策を採用すれば、今年のインフレを6%から6.5%と現在よりも1%低下させられる。

中銀は2007年度の実質金利を4%から4.5%にコントロールできれば、インフレは1%下げられる。また2008年度のインフレ目標値は4%以下である。(22日付けエスタード紙)


化学製品の輸出が急増している

今年5月末までの化学製品輸出は、前年同期比39.5%増しの29億ドル、輸入は13.6%増加の57億ドルであった。

化学製品の貿易収支赤字は、28億ドルとなったが昨年同期比では5.4%低下した。輸出量は21.1%増加の330万トン、輸入量はマイナス16.5%の680万トンであった。

輸出用化学製品の86.6%は工業用で25億ドルを輸出し、昨年同期比41.7%増加したが、輸入も14.1%増しの46億ドルとなっている。(22日付けガゼッタ・メルカンチル紙)

5月のラミネート鋼板売上げは10%減少

5月のラミネート鋼板の国内市場での売上げは、129万トンで昨年同月比9.9%減少したが、今年5ヶ月間では684万トンで0.3%の増加であった。ブラジル鉄鋼協会(IBS)では、基本金利が下がりだす第4・四半期から生産が上昇すると予測している。

また今年5ヶ月間の粗鋼生産量は、1,340万トンで昨年同期比0.5%増加であったが、ラミネート鋼板生産量は昨年同時期比1.5%の減少、昨年5月比13%の減少であった。

今年5ヶ月間の鉄鋼輸出量は、420万トンで昨年同期比11%減少したが、売上げは31.3%増加の24億ドルであった。しかし5月のラミネート鋼板輸出は、88万3,100トンで昨年同月比17.9%も下げたが、売上げは4%増しの4億9,900万ドルであった。(22日付けヴァロール紙)


ファイアット社は大衆車で利益を上げる

ファイアット社は今年5ヶ月間で3万6,697台を輸出、昨年同月比57%と大幅に増加、1,000CCなどの大衆車が利益を上げている。

今年の輸出目標は9万台であり、昨年実績7万7,000台の16.8%増加を見込んでいる。

この輸出増加の主な要因は、主要市場であるアルゼンチンやヴェネズエラの景気回復や新興市場のアフリカへの輸出が伸びたこと。(22日付けガゼッタ・メルカンチル紙)


今年の経常収支黒字は、昨年よりも低い

5月の最終12ヶ月間の経常収支黒字は、133億7,000万ドルで4月の142億3,000万ドルから下降し、6月は123億ドルが予想されている。

今年の貿易外収支は、ドル安と昨年好調であった多国籍企業からの利益の本国送金にもかかわらず、46億ドルの黒字が予想されている。

また5月の経常収支は、僅か6億1,500万ドルであったが、海外送金が前月の2倍以上の15億5,000万ドルが響いている。

ドル安が継続している今年5ヶ月間のブラジル人の海外旅行は、昨年同期比60%増しで、5月の海外での消費額は4億2,400万ドルであったが、海外旅行客がブラジルで消費したのは2億9,200万ドルだった。(22日付けエスタード紙)


【ブラジル経済情報】 速報 6月21日

5月の公的債務総額は、8,879億レアルに膨張

国債発行や高金利継続で、5月のブラジルの公的債務総額は、前月より1.6%増加の8,879億3,000万レアルに膨張した。

固定金利型国債の債務は国債負債総額の22.05%相当の1,958億2,000万レアルに達し、1999年5月以来の高率となった。

また基本金利(Selic)が19.75%と高金利で推移しているSelic連動国債の負債総額は、4月の505億7,000万レアルから572億4,000レアルと大幅に増加した。

しかし物価連動国債は、146億5,000万レアルから139億2,000万レアル、為替連動国債は、165億8,000万から42億7,000万レアルとそれぞれ減少した。(21日付けエスタード紙)


ブラジル人の海外保有資産は、947億ドル

昨年のブラジル人が海外に保有している資産総額は、前年比14.6%増しの947億3,100万ドルで、国内総生産(GDP)比15.7%に相当する。

大半の資産はタックス・ヘーブンのカイマン島、英国領ヴァージン島、バハマ諸島や税金が安くて企業秘密保持が約束されているウルグアイに投資されている。

総資産のうち706億9,100万ドルは、企業活動での直接投資であり、株や長期国債などの金融投資は82億100万ドルに過ぎない。

2003年のブラジル海外直接投資額は、GDPの10.8%であり、米国18.8%、英国62.7%やシンガポールの98.4%と比較して少ないが、韓国5.7%、日本7.8%やメキシコの2.2%よりも多い。

また2004年の個人の海外直接投資は、前年の8,920人から9,476人と6.2%増加したが、海外進出企業数は1,702社から1,637社に減少した。(21日付けエスタード紙)


病院やホテル向けクリーニング業が急成長している

病院、ホテル、レストランや工場向けクリーニングのアウトソーシング化が急増しており、昨年の業界の売上げは5億3,000万ドルであったが、そのうち個人のクリーニング店が2億9,000万ドルを占めている。

しかし10年以内には業界売上げは、3倍近い13億ドルが見込まれており、内訳は病院向け2億1,000万、ホテル・レストランも2億1,000万、工業4億8,000万ドルと大幅に成長するが、個人向けは2億9,000万ドルから1億3,000万ドルに減少する。

欧米ではクリーニング業のアウトソーシング率は80%に達するが、ブラジルは未だに5%で、非常に有望な業界であり、米国系アドヴェント・インターナシオナル社は1996年から南米に進出している。

クリーニング業界大手のアトモスフェラ社は、今年2,700万レアルを投資して、サンパウロ市近郊のカジャマール市とリオ州ヅッケ・デ・カシアス市にクリーニング工場を建設し、稼働率を50%アップさせる。(21日付けガゼッタ・メルカンチル紙)


銀行はマネー・ローンダリング対策に投資している

1年間に世界中で洗浄される5,000億ドルとも1兆ドルともいわれる洗浄される不正資金対策として、ブラジルの銀行業界は3年間に61%増加の投資をしている。

南米の不正資金対策用投資は73%の増加、中近東は64%増加したが、ブラジルは今後3年間に43%、南米55%の投資増しをKPMGは予測している。

投資は主に取引の監視と従業員の教育に用いられるが、不正取引が発覚した時にはすでに取引が成立した後である場合が大半であるが、予防対策を設置することも大切である。(21日付けヴァロール紙)


【ブラジル経済情報】 速報 6月20日

牛肉や鶏肉輸出増加に伴って、家畜飼料業界も成長

牛肉、豚肉や鶏肉の輸出増加に伴い、今年の家畜用飼料生産高は、昨年の4,334万トンの10.6%増加、4,800万トンが見込まれているが、トウモロコシや大豆の価格低下で売上げは、昨年の84億ドルの僅か7.1%増しの90億ドルが予想されている。

今年5月までの輸出用飼料は、昨年同期26.8%増しの11億700万ドル、110万トンであった。

また同期の牛肉輸出額は、昨年同期比29.4%増加の11億5,600万ドル、91万5,900トン、豚肉は23.8%増しの2億4260万ドル、18万1,100トンであった。

シカゴ穀物取引所の5月の大豆粕の価格は、昨年同月比32.61%も安い、1ブッシェル(2150.42立方インチ)2.932ドル、またとうもろこしも同様にマイナス27.84%、2.0063ドルであった。

今年の飼料用トウモロコシの消費は、昨年の7.7%増しの2,800万トン、大豆は15%増加の1,000万トンが見込まれている。(20日付けヴァロール紙)


中古タイヤの輸入が増加

今年の中古タイヤ輸入は、法律で禁止されているにもかかわらず1,100万本が見込まれており、総生産量の20%に相当するが価格は新品よりも40%安い。

中古タイヤの輸入量は、2002年270万本、2003年420万本、2004年760万本と急増してきているが、新品タイヤの生産は、2002年4,650万本、2003年4,910万、2004年5190万、今年は5540万本と緩やかな伸びとなっている。

輸入先はヨーロッパ、米国や日本からで、今年の第1・四半期はすでに280万本が輸出され、昨年同期47%増しとなっている。(19日付けエスタード紙)


昨年から株式上場が増加している

衣料レネール社、ブラジルエネルギー社(EDP)、OHL社及びシレラ・ブラジル・レアリティ社は、サンパウロ証券取引所(Boveapa)へ上場予定で、28億レアルの資金調達が予想されている。

昨年から上場する企業が増加してきており、昨年は株式公開で90億レアルの資金が調達され、今年はすでに8企業が上場し35億レアルを集めた。

米国企業JCペニー社傘下のレネール社は、株式公開で8億レアル、ポルトガル系EDP社は6億レアルの資金調達が予想されている。(18日付けエスタード紙)


ジルセウ官房長官の辞任でマーケットが落着いた

ジョゼ・ジルセウ官房長官の辞任で、17日のマーケットは落着きを取り戻し、ドルは0.75%下落してR$2.40を割りR$2.388となり、5月30日の最安値R$2.371に近づいた。ドルは今月マイナス0.87%、今年は10.02%も下げている。

また出来高が15億レアルを突破したサンパウロ平均株価指数(Ibovespa)は1.33%の上げ、カントリーリスクは1.22%下げて405ポイント、C-ボンドは0.06%下げ額面価格の102%。

またダウジョーンズは0.42%、ナスダックは0.05%それぞれ上げた。最も値上がりしたのは、ブラジル・テレコン8.15%、トランスミッション・パウリスタ5.31%。しかしアンべヴィは-3.43%、エンブラエールは-1.59%とそれぞれマイナスとなった。(18日付けエスタード紙)


【ブラジル経済情報】 速報 6月17日

今年の財政プライマリー収支黒字は、国内総生産の4.5%達成見通し

連邦政府は今年の財政プライマリー収支黒字を、年頭の目標値であった国内総生産(GDP)比4.25%から4.5%と非公式に上方修正した。

目標変更の主な要因は今年初め4ヶ月間の税収黒字52億レアルから42億レアルをプライマリー黒字に計上、これはGDPの0.21%に相当する。

また連邦政府のプライマリー収支黒字の目標値であるGDP比2.45%も十分なクリアーが予想されている。(17日付けエスタード紙)


5月の正規雇用創出は前月比では減少

5月に正規雇用された労働者数は21万2,450人で、4月の26万6,095人、前年同月の29万1,822人よりも大幅に減少した。

また今年の5ヶ月間の正規雇用総数は、77万767人で、昨年同期の82万6,761人よりも減少しているが、基本金利の1.5%低下が予想される下期には、雇用回復が見込まれている。

5月の部門別新規雇用数は、サービス業5万7,679人、農業5万8,744人、工業4万5,938人であったが、製材・家具2,381人、ドル安で輸出が落込んでいる履物業界は2,570人がそれぞれ失業した。

5ヶ月連続で雇用が増加しているサンパウロ州工業界の5月の新規雇用数は7038人で、前月比0.34%増加した。(17日付けエスタード紙)


コモデティー価格上昇で、鉱脈採掘投資が世界的にブームになっている

2003年から上昇を続けている鉄鉱石や非鉄金属の鉱脈採掘投資がブームになっており、昨年の世界の採掘調査投資額は38億ドルに達し、前年比58%と大幅に増加した。

またアジアの需要増大で大幅に価格が上昇、昨年の世界トップ40社の売上げは1,830億ドルに達し、まだまだ価格の上昇が期待できることも投資ブームの要因になっている。

ブラジルでも同様に投資ブームになっており、国内外企業の今年の採掘調査投資総額は1億6,500万ドルが見込まれており、今後5年間は毎年3億5,000万ドルの投資が予定されている。この投資額は1978年から79年の投資ブームに匹敵する。

基本非鉄金属類では金とダイアモンド採掘の注目度が高いが、リン鉱石、カリウムやマグネシウムの人気度は低い。

ブラジルへの投資は世界の5%でチリの4%を超えているが、メキシコやペルーへの投資額のほうが大きい。(17日付けヴァロール紙)


【ブラジル経済情報】 速報 6月16日

基本金利19.75%に据置き

昨日の通貨政策委員会(Copom)は、基本金利(Selic)19.75%の据置きを決定し、昨年9月から続いていた連続9ヶ月の金利上昇サイクルに歯止めをかけた。

今後は金利低下が期待されており、8月か10月からの開始が予想されているが、現在のインフレ分を引いた実質金利は13.9%と世界で最も高く、2位トルコの5.9%の倍以上の高金利である。

消費者に対する金利は、クレジットカードでは月利10.26%、年利222.86%、特別小切手8.22%及び158.04%、銀行の個人融資 5.81%、96.93%、消費者金融の個人融資11.87%、284.21%とそれぞれ高金利となっており、個人消費や経済成長の足かせになっている。

サンパウロ州工業連盟(Fiesp)のパウロ・スカフェ会長は「今年の上半期の経済成長は失ったのも同然だが、下半期は早急に取り戻す必要がある。そのためには急速な利下げが必要である」と強調した。(16日付けエスタード紙)


ビール業界2位のスキンカリオウ社が会社ぐるみで脱税

昨日600人の連邦警察と180人国税庁調査官を動員し、“大麦作戦”と命名されたビール業界2位のスキンカリオウ社の脱税追跡調査で、専務や副社長など77人が軒並み逮捕された。

国税庁では、同社は5年間で10億レアルにのぼる脱税をしており、サンパウロ州イツー市の本社、リオ州カショエラ・デ・マカク製造工場や原料供給会社6社などを手入れした。

脱税の手口は、ビール配給会社が州や連邦裁判官と組んで商品流通サービス税(ICMS)や工業製品税(IPI)の支払いを拒否、課税伝票発行の幽霊会社の設立、伝票なしの原材料購入、過少売上伝票の発行、ポルトガル領マデイラ島に本社がある企業を通しての原材料の輸入など多岐にわたっている。(16日付けエスタード紙)


クレジットカードでの消費者は、25才から44才の女性層

1年かけて1万3,000人を対象にブラジル品質・生産性研究院(IBOP)が行った調査によると、25才から44才の女性が、DVDやコンピューターなどの高価な品物の新購買層であることが判明した。

ブラジル全国で、5,250万人がクレジットカードを所有しており、そのうち52%が女性であるが、例外はアメリカン・エクスプレス60%、ウ二バンコ51%が男性であった。

またカード所有者に対するケーブルテレビのチャンネル調査では、デスカバリー・チャンネル、TNT、カートンブックなど挙げられたが、実際にはスポーツ番組が見られている。

また民放テレビチャンネルでは、グローボ局が圧倒、続いてSBT局、レコード局、バンデイランテ局となっている。

雑誌は、40%がヴェージャ誌の名前を挙げ、エポカ誌19%、カーラス誌17%、イストエ誌15%だった。

また新聞は、トップはフォーリャ・デ・サンパウロ紙、オ・グローボ紙、オ・エスタード・デ・サンパウロ紙、エストラ紙となっている。

調査結果を分析したエキスパートは、月収500レアルのブラジル人のうち29%がカード所有者に過ぎず、D 及びEクラスのクレジットカードの需要が期待できると見込んでいる。(16日付けヴァロール紙)


エンブラエル社は100人乗りジェット機20機、6億ドルでGEに販売

エンブラエル社は、100人乗りジェット機E190を20機、6億ドルでGEに引渡す契約にサインした。

世界ナンバーワンの航空機リージング会社であるGE社は、1,300機を所有、今回売買契約が成立した20機は2006年の中頃、同社に引渡される。

エンブラエル社は今年145機を納入するが、パリで開催されている航空機ショーでもエグゼクチブ用小型ジェット機レガシー(2,600万ドル)が人気を博しており、大いに成長が期待できる。(16日付けヴァロール紙)


【ブラジル経済情報】 速報 6月15日

4月の小売業界の売上げは、マイナス0.23%と景気後退の兆候

4月の小売業界の売上げは、前月比マイナス0.23%、昨年12月比マイナス1.1%で景気後退の兆候が現れてきた。

サンパウロ州商業連盟(Fecomercio SP)の景気ウォッチャー調査では、6月は前月より0.8%低い133.1ポイント(最高200ポイント)で、最終9ヶ月間で最も低い数字となっている。

また、10最低サラリー以上の所得層が3.7%と最も落込んでいるが、5月に300レアルに調整された最低サラリーのために、低所得層は逆に1%上昇した。

食品・飲料がマイナス0.47%、燃料油・潤滑油マイナス1.14%となったが、電機電子1.06%、衣類13.72%とそれぞれ売上げが伸びた。(15日付けエスタード紙)


ブラジルの電子商取引環境は、世界38位

ブロードバンド普及が遅れているブラジルの電子商取引環境は、前回よりも3ランク下げて5.07ポイントの世界38位となり、南米トップで31位のチリや3ランク上げて5.21ポイント、36位のメキシコにも追越された。この調査はエコノミスト・インテリジェンス・ユニット社とIBM社が行った。

ランクトップは8.74ポイントのデンマーク、米国が前回の6位から2位に上昇、3位はスエーデンで変わらず、4位は前回10位から大幅にランクを上げたスイスであった。

また5位に英国、6位は香港とフィンランド、8位オランダ、9位ノルウエー、そして10位はオーストラリアであった。(15日付けエスタード紙)


在宅ケアサービスが急成長

高い医療保険の加入、高い病院治療から家族に面倒を看てもらえる在宅ケアに切替えるブラジル人が増加してきた。

ブラジル地理統計院(IGBE)の調査によると、人口の30%、5千300万人が糖尿病、高血圧、リウマチ、気管支障害のいずれかの慢性病を患っており、在宅ケアの需要は多い。

また需要のターゲットは、40代以上の高所得層であり、この層の65才以上では77.6%が慢性病を患っている。

業界のパイオニアであるホームドクター社は、1994年サンパウロ市に設立され、今ではサルバドール、ジョアン・ペッソアやサントスに支店を持ち、昨年の売上げは4500万レアルで、5年間に150%と急成長で、今年も12%の成長が見込まれている。(15日付けガゼッタ・メルカンチル紙)


【ブラジル経済情報】 速報 6月14日

今年の社会開発銀行からの融資は、予算を大幅に下回っている

今年5ヶ月間の社会経済開発銀行(BNDS)からの融資額は、151億レアルで年間融資予算額608億レアルの僅か24.8%であり、予算消化するには年末までに月間60億レアルの融資承認が必要である。

内需の不振で融資が伸び悩んでいる農畜産部門は、昨年同期比30%の落込み、また農業機械も33%落込んでいる。

またエネルギーへのインフラ整備部門は、昨年セスピへの大型融資があり、昨年同期比40%減であった。

唯一融資が拡大しているのは工業部門で23%伸びており、特に金属71%、機械70%、輸送機器29%、製紙・パルプ46%とそれぞれ増加した。

同銀行は中小企業向けに1,000万レアルまでの簡易融資キャンペーンを先週末に開始した。(14日付けエスタード紙)


6月第2週の輸出は25億1,000万ドルで、週間記録となった

ドル安にもかかわらず伸び続けている輸出は、6月に入っても好調を維持しており、第2週の輸出累計は25億1,000万ドルで週間記録を達成、また輸入15億3,800万ドルで貿易黒字9億7,200万ドルを計上した。

6月累計では、輸出40億1,800万ドル、輸入23億7,800万、貿易黒字16億4,000万。また今年の累計では、輸出474億9,000万ドル、輸入302億400万ドル、黒字172億8,600万ドルとなっている。

6月初め2週間の1日平均の輸出額は、5億230万ドルで月末まで毎日5億ドルの輸出を達成すれば、初めて月間輸出額が100億ドルを突破する。

大豆輸出は前月比46.9%、鉄鉱石44%それぞれ増加、また鋳鉄、アルミ、大豆油などの半製品輸出は、前年同期比27.7%増加した。

また送受信機、精糖、エチルアルコール、自動車やエンジンなどの完成品輸出は、17.1%増加した。

6月の1日平均輸入額は、2億9,730万ドルで前年同期比12.9%増加、また金属製品72.1%、ゴム製品54.5%、プラスチック37.5%、医薬品37.2%、光学機器31.8%がそれぞれ増加した。(14日付けエスタード紙)


ペルーから南米4カ国へ天然ガスパイプラインの敷設

13日ぺルーのリマ市で、ブラジル、チリ、ウルグアイ、アルゼンチン代表が集まり、ペルーから天然ガスの供給を受けるためのガスパイプライン敷設が話し合われた。

ボリビアの天然ガス供給問題で影響を受けているブラジルのジウマ・ロウセフ鉱山動力相なども基本的に合意した。早ければ2007年からパイプラインの敷設が開始される。

パイプラインはペルーのカミセアを基点に、チリ、アルゼンチンを経由して、ブラジルに供給される。

このプロジェクトの総額は25億ドルで、米州開発銀行(IDB)が一部を融資する。ブラジル国内ではリオ・グランデ・ド・スール州のウルグアイアーナ市からポルト・アレグレ市までの敷設に3億ドルが予定されている。(14日付けエスタード紙)


【ブラジル経済情報】 速報 6月13日

景気後退ぎみでも、低所得層のサラリー調整はインフレ以上

デロイト社の聞取り調査では、127社の89%は全国消費者物価指数(INPC)と同等以上のサラリー調整をしており、1年前の79%よりも10%増加し、1999年に調査を開始して以来の高率となった。

またインフレ以上の調整をおこなった企業は、昨年の17%から36%に増加、インフレ以下の調整は21%から8%に低下した。

しかし昨年9月に始まった基本金利(Selic)の連続上方修正で、景気後退が懸念されだしており、次回のサラリー調整時には34%の企業がインフレ以下の調整、52%はインフレ指数の調整だけを検討している。

また労組フォルサ・シンジカルの調査によれば、20業種のうち4業種がインフレ以下の調整だけであったが、サンパウロ市のオリーブ油製造会社ではインフレ6.61%プラス3.18%のトータル10%のサラリー調整が先月行われた。

22万人が就労している建設部門では、8日間のストを続行してインフレプラス1.42%の8.12%のサラリー調整を勝取った。(13日付けエスタード紙)


フランチャイズ部門が急成長している

ブラジルは米国、日本や中国などに次いで世界で6番目のフランチャイズ・チエーン店2317ヶ所を擁し、2004年度の総売上高は、316億レアルで2003年の9%増しとなった。

チエーン網の数は800を超え、前年の20%増加、3万1000人の雇用を創生しトータル53万1000人が就労している。

装飾品や履物部門では、シティシューズ、ワールドテニスやテニスワンなどのチエーン店が急増しており、昨年は53%も増加した。

またファストフードなどの食品部門は13%、セルラー電話ブームで情報機器部門は30%、インターコンチネンタルやアコーホテルの参入を皮切りに、数々のホテルーチェーンが進出してきているホテルや観光部門は81%とそれぞれ増加した。

東北地方でもチエーン店が増加しており、1998年にレシ―フェ市に進出したレストランのボナパルトは29店舗を擁し、2006年末までにサンパウロ、リオやエスピリット・サント州に12店舗の開店を予定している。(13日付けガゼッタ・メルカンチル紙)


5月のサンパウロ州工業は、18ヶ月連続で成長しており、昨年の7%成長

サンパウロ州工業界は、20部門中17部門で伸びており、全体では18ヶ月連続で増加、昨年同月比7%伸びたとブラジル地理統計院(IBGE)は発表した。

また今年初めの4ヶ月間の成長率は、4.5%で、昨年同期6.6%より低くなっており、成長率が落ちてきている。

州別ではアマゾナス州が、21.8%でトップ、続いてゴイアス18.4%、セアラー11.5%、ミナス9.6%、サンタ・カタリーナ7.9%でサンパウロ州を上回り、最下位はリオ・グランデ・ド・スールは、旱魃の影響で農業機械製造が落ち込みマイナス3.9%、アルミ缶製造業が集団休暇を取った影響が出たぺルナンブーコ州はマイナス1.5%であった。(13日付けエスタード紙)


【ブラジル経済情報】 速報 6月10日

ボリビアの天然資源ストライキの影響で、乗用用天然ガスが配給制に

()ボリビアの天然ガス問題で、マニフェスト達が占領している製油所施設からのブラジルへのガス供給が減少する影響で、乗用車用天然ガスが配給制になる可能性がでてきた。しかし家庭用プロパンガスには影響しない。

ブラジルが1日に消費する天然ガスが、3900万立方メートル、そのうちボリビアから2400万立方メートルを輸入しており、依存率が60%を超えるので影響が非常に強い。

しかしリオ州カンポス沖に設置された石油・天然ガス採掘用海上プラットフォームP-43及びP-48が生産に入り、日産200万立方メートルの天然ガス生産が予定されている。

また同海域で生産されている日産700万立方メートルの天然ガスのうち、100万立方メートルが海上プラットフォームで燃焼されているが、このガスの利用も可能であり、合計300万立方メートルのガスを、ボリビアからの輸入に頼っているサンパウロ州にパイプラインを通して輸送される。

ブラジル国内で消費される日産3900立方メートルの天然ガス消費の内訳は、工業用2260万、火力発電800万、自動車520万、家庭用51万立方メートルとなっている。

また日産2200万立方メートルのボリビア産天然ガスは、サンパウロ州向けに860万、南部3州に340万、火力発電600万、製油所向けが400万立方メートルである。(10日付けエスタード紙)


ドル安がプラズマや液晶テレビの価格競争に拍車をかけている

ドル安の影響でプラズマや液晶テレビの価格が下がってきており、LG社は2ヶ月前に30%も価格を下げ、価格競争に火を付けた。

42インチ型のプラズマテレビは、3月には1万7000レアルであったが、いまでは1万4000レアルで購入できる。3年前は2万5000レアルと高価であった。

LGやフィリップス製の15や17インチ型の液晶テレビは、平均3500レアルであるが、安い店では3200レアルで購入できる。

また高級家電店Fnacでは、プラズマや液晶テレビの売行きは2004年比で400%も伸びている。(10日付けヴァロール紙)


ドイツからのビジネスや観光客が急増している

ユーロ高が後押しして、ドイツからのビジネスや観光客が急増しており、2004年は前年比6.3%増しの33万5000人のドイツ人が入国した。

ドイツから中南米へ毎日28便が就航しており、14便がブラジル向け、各7便がメキシコとヴェネズエラに就航しているが、ドイツ系企業800社の支店を抱える中南米のビジネスの中心地サンパウロ市へのビジネスマンは、毎日750人を数える。

またドイツからは新しい就航便として、フランクフルト、ミュンへンとジュセルドルフからサルバドール、リオやナタール直行便が就航している。(10日付けヴァロール紙)


5月の牛肉輸出は、2億9520万ドルの月間記録を達成

5月の牛肉輸出は、前年同月比44.82%増しの2億9520万ドルで月間記録を達成した。また今年5月までの輸出累計は前年同期比29.4%増加の11億5600万ドルであった。

アマゾナス州で発生した口蹄病のために、ブラジル産牛肉の輸入禁止をしていたロシアが、3月から輸入を再開、5月のロシア向け輸出は前年同月比151.71%増しの6483万ドルと大幅に伸びた。

高級牛肉の輸出先である英国への輸出は、前年同月比60.87%増加の2527万ドル、そして輸出先3位のエジプトへは35.54%増しの1922万ドルを輸出したが、米国向けはマイナス23.8%であった。

ヨーロッパ向けが増加した要因の中に、牛肉輸出のライバル国であるオーストラリアが旱魃に襲われたことも後押ししている。

またブラジルの牛肉輸出業者は積極的にワークショップを開催しており、最近では、エジプトやイスラエルで開催し、世界153カ国に輸出している。(10日付けヴァロール紙)


【ブラジル経済情報】 速報 6月09日

応用経済調査院は、本年の経済成長率を3.5%から2.8%に下方修正

応用経済調査院(Ipea)は、高金利及び弱含みの上半期の民間投資の継続で、今年の国内総生産(GDP)成長率を3.5%から2.8%に修正した。

またイタウー銀行は今年の経済成長率を2.6%と予測、中銀の統計では民間銀行平均は3.27%の予測となっている。

本年のインフレ指数である広範囲消費者物価指数(IPCA)は5.4%から6.3%、2006年は5.3%に修正された。

また投資の伸び率は8.3%から4.8%、鉱工業も4.3%から3.8%、一般消費は4.3%から3.8%にそれぞれ下方修正された。

経常収支内のサービス収支支出は10.2%から9.4%、サービス収支収入は18.9%から16.6%と成長率の伸び悩みが予想されている。(9日付けエスタード紙)


電力会社は銀行からの借入れナンバーワン

銀行借入金の最も多い100企業の負債総額は764億レアルに達し、業種別では電力関係の負債総額が199億レアルで最も多い。

また電力会社に次いで、電気通信関係が83億レアル、自動車関係60億レアルとなっており、5業種が借入金総額の50%を占めている。

州政府や市町村関係の借入金は、2003年の47億レアルから53億レアル、商業関係も2003年の18億レアルから43億レアルに大幅に増加、12位から5位にランクを上げている。(9日付けエスタード紙)


カーレフォール・グループはハイパーマーケット・ビッグ10店舗を買収

ハイパーマーケット業界2位のフランス系カーレフォール・グループは、ポルトガル系ソナエ社からサンパウロ州内のハイパーマーケット・ビッグ10店舗を3億1,700万レアルで買収し、州内トップの地位を不動にした。

買収した10店舗のうち、7店舗はサンパウロ市内、残りの3店舗はサント・アンドレ市、グアルーリョス市及びサントス市にあり、昨年の売上げ総額は5億7,900万レアルであった。

同グループは、買収した10店舗と東北伯のフォルタレーザ市とジョアン・ぺソア市に建設中の2店舗を合わせると96店舗のハイパーマーケットを全国に所有する。

昨年の売上げトップは、パン・デ・アスーカル社の149億レアル、2位はカーレフォール121億レアル、3位に先月ブラジリア、ゴイアニア、ヴィトリアに開店、年内に総数10店舗を開けるウォール・マート社が61億レアルで続いている。(9日付けエスタード紙)


【ブラジル経済情報】 速報 6月08日

4月の鉱工業成長率は、前月と変わらず

石油価格低下にもかかわらず、4月の鉱工業成長率は前月と同じであったが、前年同月比では6.3%増加したとブラジル地理統計院(IBGE)は発表した。

自動車と食品部門の輸出とクレジット部門は、引き続き鉱工業成長の牽引車となっているが、高金利政策とインフレが伸び悩んでいる労働者の収入に立ちはだかり、内需を抑えている。

今年初めの4ヶ月間の鉱工業成長率は4.5%、最終12ヶ月では7.5%伸びているが、4月の鉱工業の投資財はマイナス2.9%となっている。

4月の部門別の投資財では、農業がマイナス37.2%と大幅に落込んでいるが、建設23%、電力14.8%、運輸9.7%、機械・設備8.3%、情報機器3.3%とそれぞれ増加している。

また4月の中間財は前月比1.3%、前年同月比3.8%、耐久消費財は-0.3%と17.8%、非耐久消費財-0.3%と8.5%であった。(8日付けエスタード紙)


企業合併や買収が再び増加してきた

今年5ヶ月間の企業の合併・買収は134件となり、昨年同期よりも12件、10%増加したとPWCコンサルタント社の調査で判明した。

昨年下期から再度増えだした合併や買収は、ブラジルの経済の潜在能力や好景気が外国人投資家の信頼を獲得してきた結果である。

今年5ヶ月間の金融界の合併・買収は20件にのぼり、昨年同期の7件を大幅に上回った。

ブラデスコ銀行はパンアメリカン銀行の融資部門の買収、イタウー銀行はロージャ・アメリカーナ社と共同出資会社を設立した。

化学や石油化学部門では、化学肥料、衛生用品や製薬企業などの合併・買収が17件、小売業界では薬局チェーンやスーパーマーケットなど15件が成立した。(8日付けエスタード紙)


大幅な成長が期待できるインスタントコーヒー業界の競争激化

インスタントコーヒーを飲む習慣のないブラジルで、昨年の同コーヒーの消費量は9600トン、国内消費量の僅か3.6%であったが、この3年間で28%も消費が伸びており、有望市場として注目されている。

またドル安が継続している現在、コーヒー輸出での利益低減を補填するためにもコーヒーメーカーは、市場占有率アップに凌ぎを削っている。

業界2位のイグアスコーヒー社は、200万レアルをテレビ宣伝に投資、現在5%のサンパウロ市場占有率を年末までに10%まで引き上げる計画である。

また市場占有率4.8%で業界3位のカシッケコーヒー社は、最も過激的な価格攻勢で、南部3州での市場拡大を狙っている。

業界トップのネストレー社は、昨年から大型のスーパーマーケットチェーンに対し、他社との価格差を無くす戦略をとっている。(8日付けエスタード紙)


【ブラジル経済情報】 速報 6月07日

ジェフェルソン下院議員の告発は、金融界を撹乱

連立与党のPTB(ブラジル労働党)党首であるロベルト・ジェフェルソン下院議員は、PT党(労働者党)の会計責任者デルービオ・ソアーレス氏から毎月3 万レアルのお小遣いをPP党(進歩党)とPL(自由党)の国会議員達に、PT党への支援の代わりに支給されていたと告白、これにはジョゼ・ジルセウ官房長官とアント二オ・パロッシ蔵相が絡んでいる疑いを持たれており、6日の金融界を大いに揺さぶった。

このためブラジルのカントリーリスクは、3.61%の15ポイント上昇し431ポイントとなり、この影響でブラジル国債BR-40 は0.67%下げ額面118.30%、C-ボンドも0.12%下げ102%となった。

またサンパウロ平均株価はマイナス3.07%の2万5,556ポイント、ドルは0.95%上昇してR$2.45、2006年1月の予定金利は、19.41%から19.51%に上昇した。(7日付けエスタード紙)


景気後退の兆候が見え始めた

全国工業連合(CNI)の発表によると、4月の製造業の労働時間は前月比3.48%増加したが、売上げは僅か0.13%増加に留まり、ドル安にもかかわらず輸出は好調であるが、内需の冷え込みが顕著になってきた。

この0.13%の売上げ増加は、復活祭の売上げが大きく寄与しており、就労者は0.49%増えたが、月収は0.05%低下した。

製造業の設備稼働率は、昨年10月をピークに徐々に下げてきており、4月は前月の82.3%から82.1%と昨年5月のレベルまで落込んだ。(7日付けエスタード紙)


5月の自動車生産台数21万3,400台で、月間台数では3月に次ぐ記録

高金利とドル安が継続しているにもかかわらず、5月の自動車生産台数は21万3,400台で、3月の21万8,600台に次ぐ月間記録となり、特に輸出は8億9,650万ドルの月間記録を達成した。

今年5ヶ月間の累計は、昨年同期比15.6%増加の98万4,800台、輸出は前年同期比35.4%増加の40億ドルであった。

また4月に落込んだ国内販売も5月は3.9%回復し14万3,000台を売上げ、5月までの累計は前年比10%増しの65万1,600台となった。

5月のガソリン・アルコール両用車の国内販売は、初めてガソリン車の43.3%を上回る49.5%となり、今後ますます増え続ける傾向となっている。(7日付けエスタード紙)


海外在住ブラジル人の本国送金は、24億5,000万ドル

()昨年の海外在住ブラジル人の本国送金は、24億5,000万ドルで、ブラジル企業の海外からの利益や配当金総額9億2,000万ドルの約3倍に達した。

海外在住ブラジル人は、毎年増え続け昨年は300万人を超え、2000年の送金額は11億ドルであったが、2001年12億ドル、2002年17億ドル、2003年20億ドルと毎年上昇を続けている。

ゼツリオ・ヴァルガス財団(FGV)の統計によると、世界的傾向でもあるが海外在住ブラジル人は増加しており、特に米国移住が選択される傾向にある。米国在住ブラジル人の数は国別で37位であり、メキシコ人がトップでフィリピン、ベトナムや中国などのアジア諸国が続いている。

米国在住ブラジル人の15.5%は年収6万ドル以上稼ぎ、メキシコ人の5.15%を大きく引き離しているが、米国人は26.17%であった。また年収3万ドルの比較では、ブラジル人44%、メキシコ人23%、米国人55.3%となっており、メキシコ人よりも収入が多い。(7日付けエスタード紙)


農業機械の輸出及び国内販売が減少

農業機械の輸出は2ヶ月連続で落込んでおり、5月の輸出は前年同期比8.5%減の2,326台に落込んだ。

今年5ヶ月間の累計は1万3,722台で昨年同期比10.4%を上回ったが、今年の第1・四半期は15.3%増加しており、ここ2ヶ月間の落込みが大きい。

海外からブラジルに農業機械の生産拠点を移している企業も多く、イタリアのCNH社は、2003年に2,000万ドルを投資してオーストリアが生産拠点であった砂糖キビ用農業機械製造工場をピラシカーバ市に移転した。

また米国のAGCO社も同年230万ドルを投資、イギリスにあった生産拠点をリオ・グランデ・ド・スール州のカノアス市に移転している。

また米国デエレ社は2年間で250万ドルを投資、2006年末までにトラクター製造工場を同州モンテネグロ市に建設予定をしているが、農業機械の売行きが低下してきたにもかかわらず計画変更はしない。(7日付けヴァロール紙)


【ブラジル経済情報】 速報 6月06日

銀行への不渡りや債務不履行が急増している

4月の銀行への不渡りや債務不履行は2001年以来最悪を記録したが、第1・四半期の経済成長率が0.3%と景気後退の兆候が現れており、今後の債務不履行率増加が心配されている。

銀行業務集中サービス会社(Serasa)の統計によると、2001年1月を100とする個人の不履行率は、昨年10月の173.80ポイントがら上昇しており、4月には184.80に達した。

また法人の不履行率も、2004年1月の147.03ポイントから下げ続けていたが、昨年10月の127.31ポイントを底に反転、4月は131.22ポイントまで上昇した。(6日付けエスタード紙)


ドル安で白物家電の輸出が落込んでいる

ドル安にあえぐ冷蔵庫、電子レンジや冷凍庫製造の白物家電業界は、生産及び投資中止を検討している。

全国電気電子製造メーカー会(Eletros)では、ドル安で競争力が低下しているブラジル製白物家電の今年の輸出減を100万台、1億5,000万ドルと見積もっている。

更に輸出競争力は落ちるが、メーカーでは14%から20%の値上げを検討しており、生産減により300人から500人が雇用を失うと見られている。(6日付けエスタード紙)


第1・四半期の銀行の利益は50%増

今年第1・四半期の銀行の利益は、手数料収入と融資部門の大幅な増収で、昨年同期55億6,000万レアルの49.53%増加の83億1,400万レアルを記録した。

また50大銀行の金融システム部門の収益は、昨年同期比の40億4,300万レアルの53.74%増加、62億1,600万レアルと大幅に伸びた。

同大銀行の手数料売上げは、昨年同期の75億8,100万レアルの22.97%増え、93億2,300万レアルとなった。

また融資部門の売上げも、昨年同期の285億9,600万レアルより24.15%増加し、355億100万レアルを記録した。

国債や社債の売上げは、昨年同期比5.23%増加、利益は177億8,800万レアルとなった。(6日付けエスタード紙)


【ブラジル経済情報】 速報 6月03日

今年第1・四半期のブラジルの経済成長率は、世界平均を大幅に下回った

世界で最も高い金利が継続しているブラジルの今年第1・四半期の経済成長率は、世界平均の0.7%よりも大幅に低い0.3%となった。

ユーロ高や高失業率などの国内問題を抱えるドイツでさえ1.0%、スペイン0.9%と大幅にブラジルを上回る経済成長を達成している。

産業開発省の今年第1・四半期の調査では、ギリシア2.5%、チリ4%、日本1.3%、米国0.9%、メキシコ0.4%でブラジル以上であったが、フランス0.2%、オランダ-0.1%、イタリア-0.5%はブラジル以下であった。

またラテン・アメリカ・カリブ経済委員会(Cepal)の統計では、2003年の同地域の平均経済成長率は、1.9%、ブラジルは0.5%、また2004年度は5.5%、ブラジル4.9%とブラジルは平均以下であった。

南米地域の2004年度比較では、アルゼンチン8.2%、ウルグアイ12%、ベネズエラ18%とブラジルの4.9%を大幅に上回る経済成長を達成した。(3日付けエスタード紙)


ヴァリグ航空は、減便で営業利益向上

ヴァリグ航空の今年第1・四半期の売上げ高は、減便の影響で国際便市場占有率は減少したにもかかわらず、昨年同時期18億7680万レアルの19%増しの22億3510万レアルを売り上げた。

1年前は95機を所有していた旅客機を87機に減らし、搭乗率が昨年の62%から68%と大きく改善した。

また旅客数も18.3%増加の340万人を記録、国内便の市場占有率33.2%から39.7%に増加したが、国際便は66.8%から60.3%にシェアを落とした。

営業利益は、昨年の446万レアルから228%増加の1465万レアル、利益率は2.4%から6.5%に上昇した。(3日付けヴァロール紙)


経済成長率鈍化で、株が上昇しカントリーリスク低下

一昨日の今年第1・四半期の経済成長率0.3%の発表後、サンパウロ株価指数は2.66%上昇、カントリーリスク3.04%低下、ドルは1.19%の急落でR$2.414と逆方向に振れた。

逆方向に振れた大きな要因は、米連邦準備理事会(FED)が連続して上げている金利の中止観測により、米国の10年国債の金利が低下したため。

また最も取引の多いブラジル国債であるグローバル40は0.88%、C-ボンドも0.24%とそれぞれ上昇した。(3日付けエスタード紙)


【ブラジル経済情報】 速報 6月02日

今年5ヶ月間の貿易黒字は、すでに156億ドルを超えた

ドル安が継続しているにもかかわらず、5月の輸出は98億1,900万ドルで同月の月間記録、また輸入も63億6,700万ドルで月間記録となった。

貿易黒字は34億5,200万ドルで、4月の38億7,600万ドルに次ぐ月間記録となった。今年の輸出累計は434億ドル、輸入累計は278億ドルで貿易黒字累計は156億ドルを超えた。

輸出は前月比23.6%増加したが、大豆は-28.6%、航空機-41.6%落込み、また輸出相手国3位の中国向けも-26.2%減少した。

ドル安にかかわらず輸出が伸びている要因の1つに、新しい市場の開拓があり、5月の輸出は東欧113.3%、アフリカ53.7%とそれぞれ大幅に増加した。

5月の輸入が前年同月比31.8%増加し月間記録となった主な要因は、石油が45%、消費財33%と大幅な増加であった。(2日付けエスタード紙)


今年第1・四半期の税収は国内総生産比41.6%に到達

今年の第1・四半期の税収は、昨年同時期比1.59%上昇して、国内総生産(GDP)比41.6%を記録、また2000年同時期比から4.86%も上昇している。

第1・四半期は伝統的に都市土地・家屋税(IPTU),自動車所有税(IPVA)の納税があり、他の時期よりも税収が増加する傾向にある。

今年第1・四半期の税収は、昨年同時期の1,583億2,000万レアルから1,817億1,000万レアルに増加した。内訳は連邦税収402億9,000万レアル、州156億レアル、市町村34億8,000万レアルとなっている。(2日付けエスタード紙)


5月の乗用車販売は、前月比3.83%増加し好調

5月の乗用車販売(バス、トラックを含む)は、14万3,000台で、4月の13万7,700台を3.83%上回り、5月月間としては2001年以来の数字を残した。乗用車販売の70%はローン販売で、昨年5月より16%も同販売が伸びた。

今年5ヶ月間の累計は、65万1,600台で昨年同時期比10%、また自動車のみでは61万3,000台で10.7%増加した。

ファイアット社はトップで市場占有率25%、ワーゲン社22%、ゼネラル・モーターズ社21.8%、4位にフォード社12.5%、ホンダ社3.8%、トヨタ3.4%でそれぞれルノー3.1%を超えている。

5月の1,000CCの軽乗用車は、総販売台数の47.19%を占め、ゴール車がトップの1万4,972台、パーリオ車1万2,284台、セルタ車1万218台、ミーレ者1万129台となっている。(2日付けエスタード紙)


【ブラジル経済情報】 速報 6月01日

第1・四半期の国内総生産は、僅かに0.3%の伸びで経済成長に黄信号

今年の第1・四半期の国内総生産(GDP)の伸び率は、僅か0.3%に止まり2003年第2・四半期以来の低率となり、景気の先行きが心配される。

2004年の同時期比では2.9%、最終6ヶ月間では1.4%の伸びであるが、今年の経済成長率は2.5%まで落ち込む可能性がでてきた。

部門別のGDPの伸び率は、大豆と米が大きく伸びた農畜産が2.6%伸びたが、鉱工業1%とサービス業が0.2%、一般消費0.6、政府支出0.1、投資3.0がそれぞれマイナスを記録した。

2004年の同時期比では、農畜産4.2%、鉱工業3.1%、サービス業2%、一般消費3.1%、投資2.3%、政府支出0.7%、輸出13.6%、輸入12.2%それぞれ伸びた。

またブラジル地理統計院(IBGE)は、昨年の経済成長率は通信部門のプラス2.0をマイナス1.4%に修正、すでに発表されていた5.2%を4.9%に訂正した。(1日付けエスタード紙)


ブラジルが中国製品に対するセーフガード発令で、中国も対抗策を考慮

急増している中国製輸入品に悲鳴をあげている業界は、連邦政府にセーフガード発令要請を準備中であるが、中国の通産担当領事は発令され次第、対抗策を考慮していると発表した。

今年の初め4ヶ月間の対中国貿易では、輸入が58.3%と急増しているが、輸出は鉄鉱石と大豆の急落で、僅か3.9%増加に止まっている。

急増している中国製品は、おもちゃ類115.4%、光学器械98.2%、衣類70.4%、ビデオカセット267%、タイヤ655%、履物68.3%などである


南マット・グロッソ州で鶏気管支病が発生

南マット・グロッソ州の州都カンポ・グランデ市近郊ジャラグアリで鶏100羽が気管支系の病気で急死、州衛生局で1万7,000羽を処分しカンピーナス市のサンパウロ州農務局研究所で解明を急いでいる。

鶏の呼吸器系病気は17種類あり、そのうちの2種類ニューキャッスルと鳥インフルエンザが発生すると輸出禁止になるが可能性は極めて少ない。

ブラジルは月間3億5,000万羽を処理し、年間850万トンの鶏肉を生産し国内消費向け610万トン、132カ国向け輸出に240万トン、25億ドルを稼ぎ出している。(1日向けガゼッタ・メルカンチル紙)


5月の投資はCDBが1.49%でトップ、商業ドルはマイナス4.74%

サンパウロ平均株価指数(Ibovespa)は最終日の31日に0.85%下げて5月は1.47%と10万レアル以上の銀行預金(CDB)1.49%に次ぐ収益率であった。

固定金利預金1.32%、銀行間金利預金(DI)1.28%、5,000レアル以下の銀行預金(CDB)1.17%、定期預金0.75%がそれぞれプラスとなった。

総合市場物価指数(IGP-M)はデフレとなりマイナス0.22%であったが、商業ドルは、マイナス4.74%、金マイナス7.65%と大幅に下げた。

今年の累計では、10万レアル以上の銀行預金が7.45%とトップ、続いて固定金利預金7.30%、銀行間金利預金7.27%と大幅な収益をあげているが、サンパウロ平均株価指数はマイナス3.78%となっている。(1日付けエスタード紙)

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