ブラジル経済情報 - 速報 10月28日
工業設備の稼動率平均は86.1%へ
ジエトウリオ・バルガス財団(FGV)調べによると、国内工業の設備稼動率平均は10月に86.1%に達した。FGVでは、1977年いらいの高率で工業の持続的成長を示すが、2005年に投資が行われようから心配ないと見る。2001年には総売上の8.46%の平均投資だったが、02年、03年にはこれが5.8%に下がり、前途が懸念されているもの。今年は6.52%期待。
平均稼動率を部門別に見ると、消費財82%、資本財81%、建築材料85.8%、中間財89%(エスタード紙)。
クロール社とオポ-チュニテイ銀行に連邦警察が手入れ
連邦警察は27日、リオ、サンパウロなどにおいてクロール探偵社とオポーチュニテイ銀行に手入れを行い、同探偵社の社員5名を逮捕し、テレコン・イタリアや政府高官の電話盗聴に使用されたと思われる機材類、また書類多数を押収した。
クロール社は国際的組織を持ち、ブラジル事務所が顧客のブラジル・テレコン(オポーチュニテイ銀行系)の依頼でライバルのテレコン・イタリア電話会社を秘 密裏に調査し、またグシケン広報戦略長官をはじめ、ブラジル政府高官の電話を盗聴するなどスパイ行為を働いていたというもの。クロール社は、テレコン・イタリア調査において法律違反を犯すようなことはしていない、との声明書を出している(28日付けバロール紙)。
EU、中印伯産の特恵関税品輸入を漸減
EUは27日、世界貿易機関(WTO)において、今後中国、インド、ブラジルからの特恵関税品輸入を漸次減らす。上記3カ国は大国で投資を誘致できる。このため弱小国が不利な立場に追い込まれるので、これら弱小国に特恵関税の新システムを構築すると発表した。ブラジルはいち早くこれに反発した。EUの特恵関税輸入額は年間520億ユーロ(03年)で、ブラジルからは02年に25億ユーロが輸入されている。同年のブラジルの対EU輸出総額は180億ユーロ(バロール紙)。
穀物生産1億1,925万トン止まり
ブラジル地理統計院(IBGE)調べによると、03/04農年度穀物生産は1億1,925万トン、前農年度の1億2,360万トンを下回った。減産は天候不順が原因。しかし来年度は1億3,000万トンへの増産を期待する(GM、エスタード両紙)。
ブラジル経済情報 - 速報 10月26日
ブラジルの上期輸出増幅、世界平均を上回る
(25日)世界貿易機関(WTO)調査によると、ブラジルの今年上期輸出額は前年同期比31%増だった。同期の世界の平均は20%増であり、ブラジルはこれを上回った。一方、2003年度ブラジルの農産物輸出はタイについで世界第2位。 WTOによると、2002年から2003年にかけてブラジルの輸出は21%伸びたが、これは国際穀物相場高騰による。
なお、輸出国としてのブラジルの位置は世界で25番目(03年度)。1980年に200億ドルを輸出、世界輸出総額の1%だったが、90年には310億ドルで同0.9%。これが03年には730億ドルを輸出して1%を取り戻した。世界輸出国トップはドイツで7,483億ドル、2位は米国7,238億ドル、3位は日本4,718億ドル。中国は4位で4,370億ドル。以下10位まで仏、英、蘭、伊、ベルギーの順(26日付けエスタード紙)。
輸出好調で来たが、10月第4週に落ち込む
26日付けガゼッタ・メルカンチール紙(GM)は、通産開発省通商部(Secex)レポートの数字をもとに、ブラジルの輸出動向を占っている。それによると、今年は10月までに輸出769億ドル、輸入494億ドルと輸出は好調。収支は275億ドルの黒字(前年同期比37.7%増)。しかし10月第4週に昨年10月の第4週比34.9%増だが、今年10月の第1~3週平均に比べると13.8%減である。この下向き状態は今年末までつづく模様。
その半面、資本財や原料素材類の輸入が増えている。10月第4週に2億8,660万ドルの輸入。これは昨年同期に比べて31%増である。
金属労スト、27社の操業停める、ベアはINPCベース
(25日)サンパウロ金属労は25日、27社の従業員をスト誘導、工場の操業を停止させた。うち22社がベア交渉に応じ、操業再開。ベアは全国消費者物価指数(INPC)をベースに、昨年11月から今年10月までのインフレ目減りのカバー、プラス4%の実質アップ。昨日、26日には別の20数社の工場でスト予定としていた。
ブラジル経済情報 - 速報 10月25日
総合市場物価指数(IGP-M)は1~9月に12.54%アップ
(24日) 為替は落ち着いているが、物価のほうは電気や電話の料金改定が総合市場物価指数(IGP-M)リンクのため、先行き心配である。IGP-Mは今年1~9月に12.54%のアップである。卸売物価のウエイトが大きい同指数に直接インパクトを与えたのは、中国やインドなどの急速な需要増がもたらした原料素材類の値上がりで、今年のみでなく来年の国内インフレにも影響する。中銀は来年のインフレ予測をこのほど、4.5%から5.1%に上向き修正したが、これはペトロブラスによる年内ガソリン、ジーゼル値上げを織り込んだもの。
政府は高率なIGP-Mをさけ、先週行われた発電会社と配電会社間の電力契約価格改定にはIPCAを採用させる事にした。IPCAは広範囲消費者物価指数と呼ばれ、政府の指定インフレ指数でもある。今年1~9月はIGP-Mよりもはるかに低い5.49%である(25日付けエスタード紙)。
ルーラ大統領は何か勘違いしているのでは?
(24日)米州自由貿易圏(FTAA、ポ略語はAlca)設立交渉が頓挫し、EUとメルコスールのFTA交渉も当初予定の10月末合意にいたらず、来年に延期された。代わって南米共同体づくりをめざすメルコスールとアンデス共同体(CAN)の協定が先週締結を見た。
域内貧困諸国に対して特殊優遇条項を設け、域内での自由貿易が可能となったわけだが、ブラジル人企業家らは、協定が極めて複雑な内容で解釈が困難なため、「実践面でのテストを待って」と言う。
そのような状況下において、ルーラ大統領がさる20日、サンパウロの自動車サロン開所式の席上で、「日米欧との関係を重視するが、データ-によると世界は これらの市場よりもっと大きい」とのべた事にカルロス・サルデンベルグ記者が、「大統領は勘違いしているのでは」、と異論を唱えている(下記。なお、大統領のあいさつの言葉は新聞紙面には出ていない)。
世銀統計によると、世界中の商品及びサービスの生産の80%は先進諸国によって占められている。日米欧をはずしたら残るところは極めて小さい。大統領は南南通商推進を優先、エマージング国家群、貧困国家群を集めた経済ブロックのリーダ-になろうと考えているのであろう。だが、それをしてもブラジルの貿易拡大にはつながらない。南南の経済大国である中国やインドは競争力のない自国農業を保護しなければならないので、ブラジルの農産物に対して市場を開放しないであろうし、ブラジル側は中国の工業製品に対する高関税を下げることは考えないだろう。
ブラジルは北の先進諸国とのFTA協定がまとまらず、南の貧困諸国との貿易増大ものぞめない。その上、メルコスールはアルゼンチンに足払いされている状態であることに注意する必要があろう(10月25日付けエスタード紙)。
ブラジル経済情報 - 速報 10月21日
Selic金利、予想を上回る16.75%/年へ
20日)市場筋予想を大きく上回る0.5ポイント・パーセントの引き上げで、Selic(経済基本金利)は年16.75%となった。引き上げた中銀は、「Selicの緩やかな調整の継続」と理由説明を行っているので、今後も引き上げが行われる可能性が強い。
Selicの引き上げが小売月賦販売を直撃するところからリオ商業連盟(Fecomercio)はただちに「見通しがよくなったクリスマス商戦に水をかける」と批判。サンパウロ工業連盟(Fiesp)のスカフィ会長は「市場からデイマンド・インフレの危険性が遠のいた時の金利引き上げは問題である」と批判的。国際原油価格高騰のおり、国内ガソリンやジーゼル油値上げが来年のインフレ悪化を予想した対策手段のSelic引き上げだが、これで他の消費者金利等はどうなるか? 下記金利は年率。
商業金利は102.13%へ、クレジット・カードは215.22%へ、銀行特別小切手は160.92%へ、銀行の消費者ローンは52.16%へ、銀行の対個人融資は100.31%へ、金融会社の対個人融資は297.60%へ(以上はエスタード、バロール両紙)。
EU、メルコスール交渉は10月末までまとまらず
(20日)ポルトガルのリスボンで行われたEU、メルコスールの代表者会談は20日、約6時間にわたったが、双方の歩みよりをめざす案(柔軟化)をもってしても合意にいたらず、今月末までの合意は絶望となった。交渉再開は来年の第2四半期予想。米州自由貿易協定(FTAA=Alca)向けのメルコスールと米国の交渉に並行的になるか、との質問に対してアモリン伯外相は「ここではAlcaを交渉しているのではない」と回答した(バロール紙)。
政府の電算機大衆化計画
(20日)大衆向け小型電算機製作プログラムが近くルーラ大統領に提出される。月収4から10最低賃金取得層の購入を直接補助するもの。価格はR$1,200程度で、インターネット・アクセスの20時間/月込み(バロール紙)。
税務署監督官の応対ハウツ-ブラガ・マラフオン教授のご寄稿
“招かざる客”税務署の監督官が訪れたらどう応対する。日頃から落ち度がないようにしておくのが第1だが、訪問を受けたら丁寧に応対する。自分に利があっても監督官に自分の意見を強く主張するような事はしない。出来るだけ協力的であること。高圧的に出られる場合もある、等々。ブラガ・マラフオン教授ご寄稿文の要旨邦訳。当所ホームページの「会議所ニュース」に掲載。
ブラジル経済情報 - 速報 10月20日
全国小売、8月は7.53%増
(19日) ブラジル地理統計院(IBGE)調べによると、8月の全国小売販売は前年同月比7.53%増だった。今年1~8月の伸びは9.45%となった。伸び率はしかし、7月の12.04%に比べて低い。IBGE商業部門コーデイネーターのニーロ・ロッペス氏は、「伸び率低下は予想以上。しっかりした雇用及び所得増がなければ高い伸び率を維持することは困難」と分析している。同院は前月比の統計数字は出さない方針。
8月の前月対比について全国商業連合(CNC)のタデウ・デ・フレイタス経済部会長は、「8月は7月比で2.6%減(季調済み)。また、今後は漸次伸び率低下のため今年は昨年に比べて7%の伸びに止まろう」と予測する。
しかし、スーパー・マーケット業界は、今年末のクリスマス商戦向け食料品や飲み物の仕入れを量的に昨年に比べて17%増やす(ブラジルスーパー協会=Abras予測)と強気。ビールの仕入れについて業界の8割が15%増やすと言い、国産果物に関しては77%の回答が「17%増やす」である(20日付けエスタード紙)。
工業界の雇用好転、8月に前年同月比3.1%アップ
19日)ブラジル地理統計院(IBGE)調べによると、8月の工業増産によって労働市場は好転、さる8月の雇用は前年同月比3.1%アップ。前月比では0.9%アップ。工業界の給料面も前年同月比平均9.6%、今年1~8月9.1%、過去12ヵ月5.3%とそれぞれアップ(エスタード、バロール両紙)。
自動車業界各社黒字へ
(19日)ブラジル国内市場で長年にわたり赤字を余儀なくされていた自動車業界は今年黒字に転じる。フオードは南米域内で第3四半期に5,900万ドルの黒字。フオルクスとフイアットは今年黒字予想。GMは8年振りの黒字決算予想。しかし、各メーカーともそれに満足せず、政府に対して工業製品税(IPI)減税、労働者支援基金(FAT)の自動車ローン原資振り当てを希望する。よくなった環境の中で明日21日からサンパウロ市内アニエンビー館で「国際自動車サロン」が開かれる。(バロール、エスタ-ド両紙)。
ブラジル経済情報 - 速報 10月13日
鉱工業生産、6ヵ月連続の伸び
(11日)ブラジルの8月の鉱工業生産は前年同月比13.1%アップ。さる7月比1.1%アップであった。今年1〜8月累計は8.8%、6ヵ月連続の伸びである。6ヵ月連続の伸びを記録したのは、レアル・プラン初期の1994年いらいで10年目。過去12ヵ月では6.5%の伸びである。ブラジル地理統計院(IBGE)調べ。
同院によると、力強い伸びだが、例年8月から10月がピークなので、今後はいままでのような伸びはなく、11月から12月にかけて伸び率はちぢむであろう。また、今後伸びを継続できるかについて、生産設備、エネルギーや輸送インフラ面の能力が限界に近いことが気がかりと見る(10月12日付けエスタード紙)。
原油価格ピークにあり、国際工業原料価格は05年に下向く
(12日)英国のコンサルタント会社EIU予測によると、国際原油価格はすでにピークに来ており、今後は下降を始め05年にブレント・タイプ原油の年間平均がバレルあたり34.8ドル、06年の年間平均は同28.4ドルになろう(04年10月12日現在は49ドル60)。
また、工業用原材料は中国の経済成長の減速化傾向から需要が減り始めており、とくに繊維価格は下向いている。中国のみでなく世界経済が減速化傾向から工業用原材料の需要が減る。いままでの高価格からメーカーは生産増に走り、その結果が供給面の圧力を今後もたらす。05年にはまだ著しい原材料価格下落はないが、06年に入るとそれがはっきりとし、投機家らは工業用原材料投機から手を引き、他の投機先を探すことになろう(13日付けエスタード紙)。
他方、ブラジルではペトロブラスによるガソリンやジーゼル油価格の調整が遅れている。同社筋は「国際価格がどの辺に落ち着くのかが見極め切れないため」と言うが、市長選挙(2次投票)絡みで政府が値上げをためらっているので、10月末の選挙がすめば値上げが来るとの見方もなされている。
外来直接投資、国別ランクでブラジルは世界の17位
(12日)英グローバル・コンサルタント会社A.T.Kearney社によると、02年に直接投資の対象諸国中9位だったブラジルは昨年17位に転落した。02年166億ドルから03年に100億ドルへ。経済が回復基調で成長路線に乗りつつあるが、まだ規制面で問題があり、他の開発途上諸国に比べて条件が劣る、ブラジルは5大潜在国中最もリスクの高い国と見られているのである。世界中から直接投資の集中する国は中国がトップで、米国が2位。いままで6位だったインドが3位になった(エスタード紙)。
ブラジル経済情報 - 速報 10月08日
9月のインフレ、IPCAベース0.33% - INPSでは0.17%(8日)
IPCA - 広範囲消費者物価指数(IPCA)ベースでは、9月のインフレは0.33%と8月の0.69%に比べて低かった。1~9月は5.49%、過去12カ月は6.7%に来ている。9月の低インフレは食品類が平均で0.19%下がったのが大きな原因。8月に0.85%上昇した食品類のうち玉ねぎが17.43%下がり、トマト15.9%、葉野菜類9.24%、砂糖9.38%とそれぞれ下がった。
INPC - 一方、低所得者層の物価動向をはかる全国消費者物価指数(INPC)ベースだと、9月のインフレは0.17%とこれも低かった。8月は0.5%だった。今年1~9月は4.59%、過去12ヵ月は5.95%。ブラジル地理統計院(IBGE)調べ。
パラグアイ、一部輸入品のメルコ域内自由化を受け入れ
(7日)パラグアイ政府は7日、輸入品一部のメルコスール域内自由通過案受諾を発表した。メルコスール加盟国がいったん対外共通関税(TEC)を払って輸入した商品がパラグアイに入る場合、再び課税される事がなくなる。EUはこの2重課税に反対していた。去る7月のプエルト・イグアス(アルゼンチン領内)のメルコスール会議で、海岸を持たないため自由化反対に固執するパラグアイ外相のレイラ・ラシジ女史は、他3国外相から強い圧力をかけられ、ついに泣き出したとされる。 今回の措置で関税ゼロとなるのは種子、特定の肥料及び鉱物類。
しかし、FTAA(米州自由貿易圏。Alca)設立交渉が失敗し、いままたEUとの交渉が難航しているメルコスールでは、ブラジルのルーラ大統領が7日にメルコスール常任代表会のエドウアルド・ドウアルデ会長と会談、残る手段として今年末までに「南米共同市場」の形成案を急ぎまとめる事を協議した。
他方、ブラジルが世界貿易機関(WTO)の次期事務局長にルイス・セイシャス・コレア大使を推薦する案を持つ。これには自国から出そうとするウルグアイが猛反対で、メルコスール割れが懸念されるところである(バロール紙、エスタード紙
収拾困難な銀行員スト
(7日) 銀行団体側が譲歩せず、官営のブラジル銀行は譲歩の方向だが、これも官営の連邦カイシャ・エコノミカが譲歩に応じない。与党PT(労働者党)の大臣や国会議員らが調停に入ったが、解決策が見当たらず、銀行労側も困惑している。ブラジル銀行はスト期間(24日間)の埋め合わせは3分の1を赦免、残り3分の2を残業でと提案している(エスタード紙)。
ブラジル経済情報 - 速報 10月07日
バイオ安全法案、上院本会議で可決
(6日) 上院議会は6日の本会議で「バイオ安全法案」を賛成53票、反対2票で可決した。内容は、遺伝子組替え大豆の今年度栽培及び収穫大豆の取り引き及び、3年以上凍結されているES細胞(胚性幹細胞。各種病気治療に使用)の利用研究を認めるもの。上院から下院議会に戻され再審議されることになったが、下院議会ではいま政府乱発の18もの暫定措置令が(すでに有効期限切れもある)審議を待っており、表決によって承認になるにしても遺伝子組替え大豆のばあい、とても播種期に間に合いそうにない。大豆農家は政府による新たな暫定措置令(MP)発令を期待する(各紙)。
脱税、Refis 2で訴訟停止に - 連邦税に限らず
(6日) 脱税で起訴されている納税者は、政府の「第2滞納税回収計画(Refis 2)」の分割払いプランに合流することによって、訴訟停止になる。一方、連邦最高裁(STF)は、Refis 2以後に、それも訴えられていても分割払いに応じれば訴訟は停止になるとの裁定を下した。しかも連邦最高裁は、税金は連邦税に限らず、州税の場合にもあてはまるとして商品流通サービス税(ICMS)に関する当局の訴えを中止させた。
2000年2月のRefis 1は、納税者が起訴される前にRefisに合流すれば、連邦税関連では起訴されない、とした。それが、昨年のRefis 2(法規10,684/2003)は、さらに1歩進め、起訴された後であっても、Refisに合流すれば、訴えは停止されるとなった。税金の種類についても、それが連邦税であるとはとくに定めていない(7日付けバロール紙)。
バスピ航空に24時間以内の債務返済判決
(7日) 上記判決はサンパウロ第42法廷が下した。米系2社がバスピ航空の破産申請を求めたことに対するもの。一方、国防省は、バスピの営業認可証更新に社会保険料(INSSへの)完全納付証明書と連邦収税局の同完全納税証明書を明日までに提出するように言い渡した(エスタード紙)。他方、国防省では、バスピが全面運行停止にならないように、6ヵ月間有効期限の仮営業認可証の付与を考えているとされる。バリグ航空に対してはすでに同じ措置がとられている。
外国人の会社設立や手続き簡易化(エスタード紙7日)
外国人(個人)がブラジルで開業するにおいて要求される最低資本金20万ドルを5万ドルに引き下げた。労働省移民審議会決定。外国人の短期就労関係ビザ給付に関する官庁手続き簡易化も決まった(7日付けエスタード紙)。
ブラジル経済情報 - 速報 10月06日
パウエル米国務長官来伯
(5日) ブラジル政府は、パウエル国務長官にブラジル軍指揮下のハイチ国連平和維持軍の苦境を訴え支援を求めた。予定の6,000人の部隊編成は2,700人にしか達せず、旧アリスチデス政権支持反乱軍の活動封じ、最近カリブ海域を襲ったハリケーンで被災地国民に対する食糧や医薬品配給、病人手当てがままならないため。長官はネパールやスリランカ各国の軍隊派遣を急がせるようアナン国連事務総長に働きかけることを約束した。
第2次ブッシュ政府での留任を望まないとする同長官は、ブッシュ大統領はラ米の左翼政権と友好関係を保って行く、ベネズエラのチャーベス政権と米国間にお けるブラジルの仲介に期待、ブラジルは国連安保常任理事国入りの有力候補(他の候補国からも協力要請がある立場上、特定国支持は出来ないと説明)、核計画 ではブラジルの平和利用を信頼、また他国から核兵器を購入しない、核技術を他国に流さない点を信頼するほか、国際原子力機関(IAEA)の査察でもめてい る事にそれほど心配しない等をのべた(バロール紙)。
株式市場、9月は外資4億5,200万レアルの売り越し
(5日) サンパウロ証券取引所(Bovespa)発表によると、9月のサンパウロ株式市場における外国人投資家の動きは買い57億7000万レアル、売り62億2,200万レアルで4憶5,200万レアルの売り越しだった。年初に高額外資流入があったため、1-9月累計はまだ5億3,700万レアルの入超。
9月全体の出来高は244億レアルで、前月比8.03%減だった。投資家別に見ると個人投資が全体の29%。ついで機関投資家28.9%、外国人投資家24.6%、金融機関13.3%、企業4.1%、その他0.1%(ジアリオ・ド・コメルシオ紙)。
GEセルマとGEバリグがバスピ航空の破産を申請
(5日) 財政危機に陥っているバスピ航空は、GEセルマ及びGEバリグ(バリグ航空とは無関係)に飛行機のメンテナンス料900万レアル(昨年4月期限)の支払いが出来ず、上記2社から破産申請がなされた。一方、ブラジル空港インフラ業務公社(Infraero)にも7億7,400万レアルの負債があり、それまでの空港タックス支払いがなければ、来る13日以降は前払い制にし、前払いがなければバスピは空港を使用できなくなるとの通達を出した(各紙)。
ブラジル経済情報 - 速報 10月05日
ブラジル・リスク4%低下でドル安、株高
(4、 5日) 国際原油価格の一時下げ(註:5日は再び50ドル/バレルを超えた)、全国市長・市議選挙において与党PT(労働者党)が優勢、ブラジル・リスク をはかるJ.PモルガンのEMBI+が4%下がり441ポイントに来た(今年最高は5月の805ポイント)等が要因で、4日のドル相場はR$2.82に下 がった。サンパウロ証券取引所の平均株価指数(ボベスパ指数)も1.56%高で24,000ポイントを超えた。外国人投資家も戻り始めたとされる(4日付けバロール紙)。
外銀、アルゼンチンから撤退
(4日) 国際金融院(IIF。シチグループなど会員300)の幹部筋によると、950億ドルの債務不履行に陥っているアルゼンチン政府が、その損失を埋め合わせしないため、伊系ナシオナレ・デ・ラボレなど諸外国の銀行5行がアルゼンチンから撤退した、あるいは撤退を開始している。仏第3のソシエテ・ジエネラレもアルゼンチン事業の売却を考えている。金融システムが破綻状態のところへ外銀が撤退すれば、アルゼンチンの経済成長が危くなる。IMFは今年7%の成長を見るであろうが、来年は4%に低下すると予想している。
外銀群は2002年のデフオルト以来、計130億ドルの損失を蒙っている。IMFはアルゼンチンが至急、債務対策計画をねるよう要求している(5日付けバロール紙)。
全銀労連、ベア要求額を引き下げか
(4、5日) ブラジルの銀行員ストは5日、開始いらい21日目に入ったが、サンパウロ市内では200支店が応じている程度。スト側は全国州都に及ぶというが、スト離れ行員も多く、全銀連(Fenaban)側に譲歩の気配はない。スト行員らは、ルーラ大統領に調停を求める一方、国会議員らに支援を働きかける動きだが具体化できるかどうか。要求していた25%のベアを引き下げる、あるいは労裁の裁定に委ねる等の選択肢が残されている(エスタード紙)。
石油労、4日に一部でスト入り
(4日) ペトロブラス系精油所一部が4日にスト入り。24時間時限で、ポップコーン・ストと名付け、毎日どこかの精油所で工員らがストを打つもの。ベア要求は13.2%だが、これに対してペトロブラス側は7.81%を提示していたが4日になり、新提案を出すと発表した(エスタード紙)。
ブラジル経済情報 - 速報 10月04日
サンパウロ市長選、トップはセーラ候補
3日の市長選挙の結果、野党PSDB(ブラジル民主社会党)のセーラ候補は43%と予想以上の得票だった。与党PT(労働者党)のマルタ候補 ―現市長― は35%で、10月末の決選投票に持ちこまれる事になった。世論調査結果の予想以上の得票率は、浮動票がセーラ候補に流れた結果と見られる。
また、今回は市会議員改選も行われ、日系から神谷ウシタロウ(PFL=自由前線党)、羽藤ジョルジ(PMDB=ブラジル民主運動党、現職)、野村アウレリオ(PV=緑の党)の3候補が当選。日系社会にも親しまれているウイリアム・ウー候補(現職=PSDB)も高得票で再選を果たした。
なお、サンベルナルド・ド・カンポ市ではウイリアム・ジブ市長(PSDB)が再選を果たし、PTのビセンチニヨ候補は敗退した。サント・アンドレ市ではジョン・アバミレノ候補(PT)とブランドン候補(PSDB)の間で2次選が争われる。カンピーナス市ではカルロス・サンパイオ候補(PSDB)とエーリオ・サントス候補(PDT=労民党)が2次選へ。
各州都の市長選挙結果
リオ・デ・ジャネイロ市ではセザル・マイア現市長(PFL)が再選を果たした。ベーロ・オリゾンテ市ではフエルナンド・ピメンテル候補(PT)が当選。しかし、他の下記市では過半数の票が取れず2次選に持ちこまれた。
・ クリチーバ市 -ベト・リッシャ候補(PSDB)とアンジエロ・バニョニ候補(PT)
・ サルバドール市 - ジョン・エンリッケ候補(PDT=労民党)とセーザル・ボルジエス候補(PFL)。
・ マナウス市 - アマゾニノ・メンデス候補(PFL)とセラフイン・コレア候補(PSB=ブラジル社会党)。
・ ポルト・アレグレ市 - ラウル・ポンチ候補(PT)とジョゼ・フオガサ候補(PPS=社会民衆党)。
総括すると昨日の選挙の結果、与党PTは最終的中間発表の段階で州都市長6名を当選させ、2次選結果と合わせ14名当選予想。対する野党のPSDBは7名を当選させる見込み。PMDB、PPS、PSB、PFL、PDT各党は昨日の選挙において、それぞれ1名を当選させた(以上、エスタード、バロールなど各紙)。
ブラジル経済情報 - 速報 10月01日
9月の投資益、株式がトップ
9月は、株式投資が1.94%で金融商品中の儲け頭。銀行定期預金証(CDB)、銀行間預金証(CDI)を中心とするDI投信、確低利投信は揃って1.24%だった。商業ドルは-2.36%。金は0.26%の値上げ。9月のインフレは総合市場物価指数(IGP-M)で0.69%。なお、年レベル(1-9月)では株式4.54%、CDB9.29%、ドル-1.06%、金-0.26%、IGP-M10.25%(GM紙、エスタード紙)。
Selic金利引き上げ不可避か
中銀は30日、05年のインフレを広範囲消費者物価指数(IPCA。政府の指定インフレ指数)レベルで5.6%との予想を発表した。当初予想の4.5%を大きく上向き修正したもの。金融界では、中銀が現在16.25%/年の経済基本金利(Selic)をさらに引き上げ、16.67%で越年するとの予測もある。
中銀が今年の国内総生産(GDP)の伸び率予想を4.4%に引き上げた(それまで3.5%。IMFは4%予想)こともSelic金利引き上げ要因とされる。なお、今年のIPCAは当初予想の6.4%を7.2%に修正。いま一つのインフレ要因である燃料価格は今年9.5%引き上げ予想(エスタード紙、バロール紙)。
送電線コンセション入札、スペイン系企業がめぼしいところをさらう
電力庁(Aneel)が30日、サンパウロ証券取引所で行なった同入札において、スペイン系のエレクノ-ル及びイゾルクスがめぼしいところの4件中の3件を落札した。入札に付されたのは11ロット(新送電線12と6サブステーション。送電線の全長2,860km、投資総額R$21億)。安いもの勝ちで平均34.8%の逆ザヤだった。送電線と落札企業( )。単位:レアル
・ クヤバ/イツンビアラ - マットグロッソ/ミナスの2州間(エレクノール) ― 競り落とし金額9,870万。
・ イバイポラン/ロンドリーナ - パラナー州(ウイラプル・コンソーシアム) - 1,430万。
・ カスカベール・オエステ/フオス・ド・イグアス -パラナー州(グラリャ・アズール・コンソーシアム) - 1,100万。
・ ツクルイ/ビラ・ド・コンデ - パラー州(イゾルクス・ワット) - 3,450万。
・ フルナス/ピメンタ - ミナス州(ミナス中西コンソーシアム) - 810万。
・ イツチンガ/ジュイス・デ・フオーラ - ミナス州(ミナス東南コンソーシアム) - 1,170万。
・ マカエ/カンポス - リオ州(フルナス電力) - 880万。
・ ミラグレス/タウアー - セアラー州(サンフランシスコ電力=Chesf) - 630万。
・ ミラグレス/コレマス - セアラー州、パライーバ州間(同 Chesf) - 350万。
・ ポルト・プリマベ-ラ/ドウラドス及びポルト・プリマベーラ/インビルス - サンパウロ州、南マットグロッソ州間(イゾルクス・ワット) - 4,370万。
・ カンポス・ノボス/ブルメノウ - サンタ・カタリーナ州(カブレー・コンソーシアム) - 3,930万。(GM紙、バロール紙)。