ブラジル経済情報 - 2004年09月

【ブラジル経済情報】 速報 9月30日

IMF、今年の世界経済成長率を5%へ上向き修正

IMFは29日、今年の世界経済成長率を5%に上方修正した。3月時点では4.6%予測だった。しかし、来年は若干弱まり4.3%成長と見る。世界経済の牽引車は引き続き米国経済で今年4.3%、来年は3.5%の成長予想。世界第2の経済大国日本も上向き修正されて今年4.4%の成長予想となった。

ブラジルと関係の深い各国の04、05年度経済成長率予想

なお、石油輸出国のベネズエラは原油価格高騰により今年12.1%伸びるが、来年は3.5%の成長に下がると見られる(エスタード、GM紙)。

ブラジル経済に対するIMFコメント

ブラジルは安全な道を選んでいる。今後は司法、規制システムを改革すると共に労働市場に弾力性を持たせ、ビジネス環境の改善、州税制改正等を実現しなければならない。(エスタード紙は、これはまさにルーラ大統領の経済成長向け戦略における説明と同じ表現、としている)。なお、ブラジル地理統計院(IBGE)が30日に発表したところでは、ブラジルの今年上期の国内総生産額(GDP)は8,168億レアルで、昨年の上期に比べて4.2%のアップ。


パウエル米国務長官の来伯

同長官は来週月曜日に到着、水曜日離伯の日程でブラジルを訪問する。昨年末から計画されたが遅れていたもので、ルーラ大統領と会談。ベネズエラの現状、ブラジルが軍隊を派遣して治安維持に協力するハイチの現状のほか、国際原子力機関(IAEA)によるリオ州レゼンデにおけるブラジルのウラン濃縮プラント査察について話し合うと思われる(エスタード紙)。


【ブラジル経済情報】 速報 9月29日日

ブラジル企業の対外債務返済増える

(28日)ブラジル企業のなかで、対外債務繰り延べをさけ返済するケースが増えている。中銀では債務リスケのケースは今年1~8月に全体の64%。今後はこの比率が70%のレベルで推移すると見る。いま外資調達に動くのは輸出で外貨を稼ぐ企業。外貨収入のない企業は国内金融市場における社債発行などで資金を調達している。なお、2003年6月から1年間にブラジルの対外債務総額は141億ドル減り、2,046億7000万ドルになった。

中銀は、債務軽減を可能にしたのは同期の経常黒字が79億ドルで企業、政府がドルを購入出来た事とする。また、2005年の経常収支は1億ドル黒字予想だが、外国からの直接投資が140億ドル期待のところから(今年は106億ドル見当)、来年も債務軽減はつづくと予想する(9月29日付けバロール)。


8銀行、小切手税12億レアル余を脱税 - 特別投資勘定では同税免除

(28日)連邦収税局(SRF)は28日、国内の8銀行が合計12億5000万レアルに上る銀行小切手税(CPMF)を脱税している。さらに12行に調査の手入れをしていると発表した。うち、いくつかの銀行はCPMF規制が明確でなく、課税対象なのかどうかが分からなかったと説明している。

同局は28日、10月1日以降実施の規則インストラクション450号(IN)を連邦官報に掲載した。銀行はお客のために義務的に金融投資のための「金融勘定」を設定しなければならない。その範囲内の金融投資の決済はCPMF免除。株式、ポウパンサ貯金除く。(エスタード、バロール紙)。


ビールの人気、全国トップはスコールだが大サンパウロではカイゼル

(28日)ラチン・パネルの最近の調査によると、スーパーでの売上で見る限り、大サンパウロ都市圏でのトップはカイゼル。ついでババ-リア、ブラマ、アンタルチカ、ノーバ・スキンの順。これが全国ではスコールがトップ。これにカイゼル、ノーバ・スキン、ブラマ、ババ-リアの順。大サンパウロ都市圏で2位のババ-リアは全国では最下位である。

ところで、ブラジル全体のビール消費量の半分を南伯及び東南伯が占める。サンパウロ市で全体の25%。サンパウロ州で同36%(29日付けジアリオ・ド・コメルシオ紙)。


【ブラジル経済情報】 速報 9月28日

サンパウロ州司法公務員スト終わる - バスピ航空でスト開始か

(27日)91日間にわたった上記ストは27日、公務員側が14%の給料調整を受け入れ(要求は39%)終了した。もっとも当初75%だったスト参加者は40%に減っていた。しかし、ストのため解決の遅れた訴訟問題が山積み。今後の作業処理が大変である。

一方、全国銀行員スト(全面的ではない)は解決が遅れている。銀行員側は27日に全銀労(CNB)が、銀行側の提案が来るまでストを続けると決定した。銀行員のストでウケに入っているのはロテリア販売店。もろもろの支払いを受け付けるので利益につながる。仕事が30%増えたとされる(エスタード紙)。

他方、27日のバスピ航空会社パイロットら乗組員の会合結果、28日夜から48時間のストが決定した。さきの交渉で遅配給料を先週末までに支給する約束だったのを会社側が履行しなかったため(28日付けバロール紙)。


バーレがウジミナスの議決権株22.99%を売却か

28日付けガゼッタ・メルカンチール紙は、バーレ・ド・リオドーセのアグネリ社長がニューヨークでこの旨を発表したと報じている。国際投資家らを前にした会社説明会の席上でのこと。カラジヤス鉱山では2007年/08年に1億トンの鉄鉱石を生産する計画とのべたとされる。なお、同社はフイッチ・レーシングからBB-に格上げされ、これで国際金融市場での資金調達コストが低くなるとされる。


大売れ異変にびっくり - エコ貯蓄証券

(27日)ブラデスコ保険は、「購入者は、将来はげ山になることが心配されている海岸山脈(マッタ・アトランチカ)の再植林づくりに貢献します」という貯蓄証券を売り出したところ予想の2倍に近い19万口が売れて会社のほうがびっくり。10万口あたり100万本の植樹で、これについては「SOS海岸山脈財団」と契約しているもの(28日付けジアリオ・ド・コメルシオ紙)。


エマージング市場に目をつける自動車メーカー

(27日)先進諸国の市場が停滞気味のため、自動車メーカーは低所得層の多い国々への進出を余儀なくされている。ルーマニア、マレーシャ、イラン、モロッコ、ロシア、スロバキャ各国。低コストの車の生産が必要で、そうなるとブラジルはコンパクトカーでは競争力が持てない懸念が出てくる(28日付けバロール紙)。


【ブラジル経済情報】 速報 9月27日

原油自給は2006年から - 国際原油相場再び高騰

(27日)ペトロブラスのジョゼ・ドウトラ社長はさきごろ、バンデイランテスTVとのインタビューで、ブラジルは現在の原油消費量で行けば、2005年末までに自給できるようになる(カンポス海底油田の採油開始で)。ただし、今後も消費が増えるであろうから、年間生産量(日量平均)と年間消費量(同)が同じになるのは2006年からと語った。しかし、ジーゼル油は例外で輸入に頼らねばならない。

その原油国際相場は、ハリケーンの影響、ロシアのユコス社問題、ナイジエリアの生産問題、米備蓄量減等から高騰、バレルあたり50ドルへ1歩のところまで来ている(27日午前)。ドウトラ社長はさる24日、「今後の国際原油価格次第によっは、近日中に燃料価格を値上げしなければならない」と述べている。


中国資本のノランダ買収決定か - バーレは圏外に

(25日)中国ミンメタルズが、ブラスカン銀行が所有する非鉄金属大手ノランダの株式42%のネゴに入る。アルミ部門を含めれば47億ドルの商談とされる。ブラジルのバーレ・ド・リオドーセもブラスカンの所有する同社株に興味を持っていたが、このため外される事になった模様(GM紙、バロール紙)。


EU、メルコスールのFTA交渉再開したが

(26日)メルコスールはこのほど、EUに対してさらに充実したFTA案を提示した。これに対してEU側は、農業関係案をEU圏内各国の同意取り付けが出来ずメルコスール側に未提出。このため2経済ブロック間交渉の進捗が遅れ、予定の10月末までに合意することが困難と見られ始めた(バロール紙)。


財政一次収支黒字、8月に109億レアルへ

(24日)公共部門(連邦、州、市並びに公社群含む)の財政一次収支は8月に109億レアルの黒字で、月では史上最高である。1-8月累計はR$637億で、IMFとの約束である目標R$569億をR$68億も上回った。国内総生産(GDP)の5.82%相当である。これは、ブラジル政府が新しく設けるべくIMFに提示しようと考える目標の4.5%を大きく上回る(各紙)。


【ブラジル経済情報】 速報 9月24日

政府、投資促進プログラムを発表

(23日)パロシ財務相は23日、投資促進プログラム「インビスタジャ」を発表した。機械・装置類価格に組みこまれている所得税(IR)、社会保険融資納付金(Cofins)及び社会統合プログラム(PIS)の購入企業に対する還付を前倒し実行し、企業はその見返りに投資するというもの。

同プログラムは3週間前、全国工業開発審議会(CNDI)が提案した内容をベースにする。PIS及びCofins還付はすでに税務クレジットの形で48ヵ月相殺だが、これを24ヵ月に短縮する。政府にとって12億レアルの税収減。また、購入企業は機械・装置類額を所得税計算ベースから半分の期間で除くことが出来る。現在は10年だが、これが5年に短縮される。すでに5年での減価償却が認められている企業には2年半に短縮。2005年末まで有効。政府にとって5億レアルの税収減(エスタード紙)。


バリグ支援含む航空業界再編策近く発表か

(23日)政府は膨大な負債を抱えるバリグ航空の救済に腐心しているが、具体的な支援策は10月3日の統一地方市長・市議選挙後発表の見込み。一方、バスピ航空はさる21日、給料遅配や社会負担金の積立不足等(PIS、INSS)に抗議する従業員ストにあい、計87便が欠航。お客はバリグ、TAM、ゴルなどの他航空会社便を利用した。座席がなくホテルで過ごしたお客もいた。

他方、24日付け「バロール紙」は、大統領官房室の要請によりコンサルタント会社トレビザンが作成した計画をベースに、政府が国内航空業界再編策を検討中と報じている。国内資本の航空会社同士の競争を緩和させる余剰便減らし、国内資本航空会社の強化をはかる、航空業界を取り締まる政府の新取締機関を設立する - など。バリグを救うのを機会に業界全体を再編しようとするもの。


中国、ブラジルにガスパイプライン敷設工事 - 11億ドルの投資

(23日)マンテガ企画相が23日に発表したところによると、鉱山動力省が中国側と契約書を交わした。リオ州マカエ-からバイア州サルバドル市に至るガスパイプライン(ガゼネ)工事で、中国が11億7000万ドルを、ブラジル側が1億3000万ドルを投資。


【ブラジル経済情報】 速報 9月23日

全国失業率上向く

(23日)6大都市圏における8月の失業率平均は11.4%で、7月の11.2%を上回った。同圏内における就労人口は1,920万人、失業人口は246万人。一方、同圏内における就労者の平均所得は8月にR$893.10で、昨年8月に比べて0.9%減。今年7月比で1.4%減。ブラジル地理統計院(IBGE)発表。


株式市場から外資引きあげ

(22日)サンパウロの株式市場における9月1-17日間の外人買いは31億1,130万レアル、売りは35億600万レアルで、3億9,470万レアルの売り越し。通年ではまだ約6億レアル近い買い越しだが、米国が金利引き上げに移った8月いらい4ヵ月連続の収支マイナス。外国人投資家が利益を求めてブラジル株式市場を去って行くもの(バロール紙)。


牛肉関係情報(22日)

・ 対ロ売りこみ困難 - アマゾナス州における口てい疫罹病牛の発見が原因で、ロシアがブラジル産牛肉輸入を拒む。モスクワにおけるロ伯交渉は難航している。砂糖ではロシア側が、輸入関税を国際相場の動きに合わせる変動性にすることを提案、伯側は「のめない」としている。

・ 国内肥育牛相場下落

一方、ブラジル国内における肥育牛の値段が端境期にも拘わらず低下している。この40日間に3.8%下がり、アローバ(15kg)あたり60レアルとなった。異常な高気温、今年初めに売り惜しんだ牧畜家らが冬場に期待した雨が降らなかったために持ちこたえられず売りに出した。種牛まで売っているのが原因とされる(エスタード紙、GM紙)。


アセロル、2010年までブラジル鉄鋼事業に30億ドル投資

(22日)需要増大への対応、コスト低減のための設備増拡等に30億ドルを投資するものだが、うち10億ドルはツバロン製鉄への出資にあてる。設備増拡によりベルゴ・ミネイラの生産を50%アップする(23日付けGM紙)。


【ブラジル経済情報】 速報 9月22日

きょうはブラジルの“立春”

ブラジルはきょうから春。国立気象院(Inmet)によると、エルニーニョ及びラニ-ニャ現象の影響はないが、今年の春は高気温がつづきで雨が少ない。<


米金利引き上げの影響

米連邦準備理事会(FRB)は21日、FF金利を0.25ポイント・パーセント引き上げ年1.75%とした。予想通り、あるいはインフレ懸念薄というところから、ブラジル金融市場は同日、比較的落ち着いていた。ドルは0.2%下げの引け値R$2.869で、平均株価は0.12%の上げ。きょう22日は午後1時半に1ドル=R$2.872、株価は0.19%の下げである。


サンパウロ州のICMS税引き下げ

アルキミン州知事は21日、商品流通サービス税(ICMS)減税措置を発表した。自動車部品、食品、医薬品、化粧品、洗剤等は工業、卸売りレベルで12%に引き下げた。楽器類、おもちゃ、ワインは工業レベルで12%へ、皮革類の卸し販売も同率に引き下げられた。サンパウロ州内工業の競争力強化が狙いとされる。しかし、小売には引き続き自動車部品、医薬品、食品は18%課税。化粧品類、洗剤は25%課税(GM、バロール、エスタードの各紙)。


大手企業や銀行泣かせのCN

税金類の滞納は一切ないとする「完納証明書」(セルチドン・ネガチ-バ)は、入札参加、為替取組、融資取り付けに必要書類だが、これを申請する企業や銀行に対して連邦収税局はきびしい態度でのぞんでおり、各社、各行とも当該機関からの入手が困難。連邦収税局前には長い列が出来る。法律改正を要求するが、同局はガンとして首をたてに振らない(22日付けバロール紙)。


【ブラジル経済情報】 速報 9月21日

銀行員スト6日目に入る

(20日)当初は合流の少ない部分的銀行員ストだったが、6日目を迎えた20日には全国18州に拡大、参加者が合計20万人に及んだ。全国銀行連盟(Fenaban)は、きょう21日の午後3時から労組側との再交渉に入った模様。

一方、労働検事当局は20日、サンパウロ第2地方労裁にスト裁定を求める訴訟に持ち込んだ。他方、リオでは民事裁判所に持ち込み、リミナール(予備判決)を勝ち取り、銀行労のピケを押しのけて各支店を再開した銀行もある。銀行労側では労裁権限無視の頭越し行為と不満である(21日付けエスタード紙)。


CUT系ABC金属労一部が無期限スト突入

(20)サンベルナルド・ド・カンポ市のマキタ、オチス、コネキセル、マークグランドフス各社の工場が20日からストを打たれている。スト工員は全部で約1000人。先週末の会議で機械、電気器具、電球、鉄鋼品部門の工場を止めることを決定した。きょうからエバコン、エンブラモトル、ボンフイオ3社の工場でスト入り予定。実質ベアと11月の給料調整月を9月に早めるよう要求する。鋳物部門ではすでに、調整月を現行の11月から9月に早める事について会社側の内諾を得たとされる(20日付けエスタード紙)。


Selic金利引き上げ、消費者の購買意欲をそぐ

サンパウロ商業協会(ACSP)調べによると、中銀がさる15日にインフレ懸念から年16%のSelic金利を16.25%に引き上げてから、月賦販売が下向きはじめた。ACSPの調査機関への9月16日~19日間の客先信用調査依頼件数は、8月同期比で7%減。

カザス・バイア、ロージャス・セン、ロジアス・コロンボでははっきりと売上減少が感じられた。しかし、今年末のクリスマス商戦が昨年に比べて2、3割の売上増という見通しには変わりないとされる。店によっては、9月の売上は8月比10%減もあり得るという。そんな中で、金融市場筋が中銀は10月に再びSelicを0.25ポイント・パーセント引き上げるとの予測をしている。(21日付けGM紙、エスタード紙)。


米、ブラジルの海賊版取り締まり状況を調査

米通商代表部(USTR)のアリゲイヤ-次席がきょう訪伯するが、ブラジル政府から知的所有権保護令の遵守状況に関する報告を求める。もし、回答が不充分な場合、米政府はブラジルを特恵関税システムから外し、25億ドルの対米無税輸出ができなくなる可能性がある(21日付けバロール紙)。


【ブラジル経済情報】 速報 9月20日

セーラ支持率40%を突破、マルタ30%割れ-サンパウロ市長選

(18日)世論調査機関のGPP院がさる土曜日に行った調査によると、サンパウロ市長選ではセーラ候補(民主社会党=PSDB)支持率が40%を突破、40.9%に上昇した。対抗馬のマルタ候補(与党、労働者党=PT)支持率は30%を割り28.7%に低下した。10月3日の選挙を前に宣伝戦が激化、マルタ候補による強烈なライバル候補攻撃がかえって有権者のPT候補離れを招いているとのコメントが聞かれる。

マルフィ候補(進歩党=PP)は13.3%に止まり、エルンジナ候補(ブラジル社会党=PSB)は3.3%の支持率(ジアリオ・ド・コメルシオ紙)。


小売、7月は前年同月比12.04%増

(17日)ブラジル地理統計院(IBGE)調べによると、全国の小売販売平均は7月に前年同月比12.04%増だった。8ヵ月連続の伸びである。今年1-7月は9.74%増、過去12ヵ月は4.67%増である。同調査は前月との比較はしていないが、全国工業連合(CNI)経済局の試算によると、7月は6月比で0.8%アップ。しかし、6月は5月比1.5%増だったので、7月の販売伸び率は前月の半分。

なお、7月に最も伸びたのは家電製品、家具の32.22%。ついで自動車、2輪車、同部品22.44%、事務用機器、情報機器、通信機器類の21.66%、家庭用品17.62%、ハイパー、スーパー、食品、飲み物、タバコ10.35%など(エスタード紙)。


アルゼンチン中銀総裁交替

(18日)プラットガイ総裁が退き、マルチン・レドラド財務次官(国際経済問題担当。43歳)が後任に決定した。ガイ総裁は、アルゼンチン政府は債務リスケにあたり、債権者側にもっと譲歩する必要があると主張して、キルシネル大統領及びラバニャ財務相と意見が合わなかった。

キルシネル大統領は先週末、IMFへの負債25億ドルのうち、10億ドルの返済期日を1年後に延期させることに成功した。今週中にニューヨークを訪れるが、デフオルトになっている債務の再交渉が重要課題。IMFは25%しか返済しないというアルゼンチン政府に対して大幅に内容を改めるよう要求している(9月20日付けバロール紙)。


【ブラジル経済情報】 速報 9月17日

日本、ブラジル産マンゴ輸入を認可

(16日)小泉首相は16日、ルーラ大統領との会談席上で、日本がブラジル産マンゴの輸入を認可する旨を伝えた。ブラジル側は、口てい疫を理由に日本が輸入を禁じているブラジル産牛肉の売り込みに懸命。アモリン外相は昼食会で、ブラジルは大陸国であり、口てい疫のある地方は北部。そこを遠く離れた南部地方の牛肉は心配ない点を強調していた(エスタード紙)。


ドル安、R$2.90以下へ、株価は回復

(17日)中銀はSelic金利を若干引き上げたが、今後引き上げるにしてもゆるやか、ブラジル・リスクが500ポイントを割り484に下がった、国際原油価格に下押し兆候、等から、ドルは16日、R$2.90以下に下がり引け値はR$2.88。きょう17日の午後4時現在R$2.86に来ており、中銀のドル買い出動も考えられる。

一方、ボベスパ平均株価は16日に2.38%上昇、きょう17日も午後4時現在、0.93%と1%に近い上昇である(エスタード紙、同通信)。


バイオ安全法案表決遅れる

16日の上院議会は、定員不足のため同法案の表決を10月5日に延期した。南部の農家は遺伝子組替え大豆播種期を目前に控えており、10月まで待てない。南リオグランデ州の1農家は「この種子しかない。認可の有無に拘わらず播種する」と語る。政府が暫定措置令を発令するしかないが、プラナルト宮は発令しない、との姿勢(16日現在)―各紙。


ペトロブラスとウルトラが新エチレン・センター建設を検討

(16日)旧コペネ(現ブラスケン)クラスのエチレン・センター建設プロジエクトをペトロとウルトラ・グループが交渉中である。すでに社会経済開発銀行(BNDES)に提出ずみで、20億から30億ドルの投資規模。同行は事業をフアイナンスすると共に株主になる見込み。ペトロのマルリン海底油田の原油を精油する施設込み(バロール紙)。


【ブラジル経済情報】 速報 9月16日

Selic金利16.25%へ

(15日) 中銀は15日、経済基本金利(Selic)を0.25ポイント・パーセント引き上げ16.25%とした。中銀が同日「経済基本金利をじょじょに調整する」と発表しているところから、市場筋では、今後も引き上げが行われ、景気停滞が来ると警戒している。Selicの若干の引き上げは、クレジット取引にさほど影響はないが、しかし、心理的には景気にマイナス効果をもたらす模様だ(各紙)。

エスタード紙は、サンパウロ州工業連盟(Fiesp)のオラシオ・ピバ会長の「Selic引き上げは投資家及び消費者に不安感をもたらし、投資にブレーキをかける」とするコメントを載せている。また、ブラジリアの国会でも野党だけでなく、与党内にも経済回復に水をかける行為との批判の声がきかれる。


議会のバネスタード調査委員会(CPI)の波紋

(15日)米当局から上記CPI及びブラジル検察庁に寄せられたデータ-によって、著名財界人や政治家多数が対外送金に不正“ドル運び屋”を使っていたことが明らかになった。16日付けエスタード紙は2ページにわたって内容を報じているが、それによると、97年から2003年までに行われたニューヨークのMTB銀行経由の取引は53万4000件、総額170億ドルにのぼる。

情報がもれ、15日の国会は騒然となり、重要な官民合弁のインフラ事業計画法案(PPP)の審議が中止になり、同日予定の表決が見送られた。ドル送金を仲介する“運び屋”はブラジル人、パラグアイ人、ウルグアイ人、あるいは税金天国の国の人々である。対外送金だけでなく、外国からブラジルへの送金も含まれ、フラガ前中銀総裁の名も見られる。前総裁は、知らずに不正送金を行っていたと語る。

マルフィ現サンパウロ市長候補(元市長)、アルメイダ(C.R.アルメイダ土建社主)、モラエス(ボトランチン・グループ)、チャプ・チャプ(サンパウロ 土建業者組合理事長)、各氏のほかに、フルラン現通産開発相の兄弟2名、政界実力者で野党リーダーであるジエレイサッチ上院議員の親戚の名前も見られる。

企業ではバリグ航空、バスピ航空及び先に破綻したトランスブラジル航空、パルマラッチ、カーザス・バイア、オポーチュニテイ銀行など。


小泉、ルーラ会談

(16日)日本の各新聞のインターネットは、はやばやと16日の小泉首相とルーラ大統領の会談に関する記事を流している。NIKKEI NETによると、国連常任理事国入りをめざす日本とブラジルが相互支持しあうことの確認、ブラジルを含むメルコスールと日本の経済関係活性化で意見一致を見た等々。


【ブラジル経済情報】 速報 9月15日

小泉首相来訪、対伯投資環境整備を強調
サンパウロ州の産業界は日本に熱い視線

首相の訪伯としては8年ぶり。小泉首相は14日、日本の円借款協力による(500億円)チエテ川の川底掘削等の改修工事現場を視察、午後はサンパウロ州内プラド-ポリス(リベイロン・プレット地方)のサンマルチニョ・アルコール工場を視察した。アルキミン州知事、ロドリゲス農相らが同行。

日本は環境問題及び国際原油価格高騰から(註:14日現在、NY先物相場がバレルあたり44ドルを超えた)燃料アルコールが必要とロドリゲス農相談。同産業界は、「日本は年間18億ドル市場。ガソリンへ10%のアルコール混入が許可になった場合(現在3%)、60億ドル市場になると試算」、熱い視線を日本市場にそそぐ。首相は「当地エタノール産業への投資はまだ先。検討余地はあるが」とのべている。ブラジル側は日本で高級熱帯果実であるマンゴの対日輸出可能性にも期待する。年間5,500万ドル輸出可能。

14日夜、ホテル・インテルコンチネンタルで首相と日本経団連派遣の「日伯経済合同委」メンバーとブラジル日本商工会議所会員会社代表らとの懇談が行われた。首相は、ブラジル経済が安定し、可能性に富んだ国であり、日本の民間企業が投資できるよう環境整備につとめる考えをのべた。

当地エスタード紙によると、明日のルーラ大統領との会談後に日伯両国間のバイラテラル委員会(双方5名ずつで構成)設立が発表になる予定。ブラジル側委員の一人にエリエゼル・バチスタ元バーレ・ド・リオドーセ社長が有力。同委は、ルーラ大統領の来年4月の訪日に向け自由貿易協定(FTA)交渉のアジエンダを整える。

なお、14日夜、ホテル・インテルコンチネンタルで夕食懇談会が行われ、日本側メンバーの自己紹介を兼ねたスピーチがあり、ブラジルにおける過ぎし日の苦労談等の披露があったが、スペースの都合上、同記事は別個に9月15日付け「ブラジル経済情報」に掲載します。


銀行労スト腰砕け、金属労は来週月曜日スト入り予定

過激派の単一労連(CUT)系銀行労及び金属労はベア交渉で態度を硬化させている。サンパウロ、リオ、ブラジリア、フロリアノーポリスの銀行員らは、14日夜の会議で今日15日からのスト入りを決定した。しかし、15日のパウリスタ大通の銀行は、スト中と張り紙はあるが就業している支店、同じ銀行でも平常通りの支店、スト中の支店があるなどマチマチ。

「明日は?」との質問に対して「分からない」という行員の返事だった。きょう15日夕刻に労組幹部らはスト決定を維持するかどうかを協議する予定とされる。

エスタード紙によると、銀行員のベア期日は9月1日。固定給R$1,200、ベア25%(実質17.68%アップ込み)及び給料1ヵ月分相当の企業利益参加給付を要求している。これに対して銀行側は、それまで提示していた調整率6%を8.5%に引き上げた。月給R$1,500の行員には、さらに固定額R$30上乗せ。利益参加については、給料額の80%相当まで及びプラスR$705との回答を出した。

上記都市以外に、ポルト・アレグレ、クリチーバ、サルバドル、テレジナ、ナタル、ポルト・ベーリョ、サンルイス、クヤバ等の銀行員らも銀行案受け入れを拒否した。ちなみに銀行員人口は30万人。

一方、金属労は11月がベース期日だが、これを9月に前倒しするよう要求するほか、インフレ目減り分のカバーと実質増給を求める。金属労は態度を硬化させ、すでに一部の工場では工員らがストを打っている(サンベルナルド、ジアデマ、カジャマル、サルト、ソロカバ各市)。

他方、工員人口16万人の自動車及び同部品関係では実質4%のベアと残業時間コントロールを勝ち取っている。


【ブラジル経済情報】 速報 9月13日

中銀、金利の1.5ポイント・パーセント引き上げを研究

(12日)応用経済研究院(Ipea)は、中銀が今年末までに経済基本金利のSelicを16.5%に引き上げる可能性があると予測しているが、12日付 けエスタード紙によると、中銀が現在の年16%を17.5%までに引き上げた場合の経済インパクトを約1ヵ月前に研究した結果、インフレ抑えに効果的であ る、との結論に達した。金利引上げ期待はすでに銀行の先物金利に織り込まれている。銀行の同金利は2005年1月が16.87%に来ている。1ポイント・パーセントの上昇である。先日のジルセウ大統領官房長官の「Selic金利引上げは国内経済成長を阻害しない」とする発言は、政府の金利引上げ示唆とも受け止められる。


加系企業がカラジャス方面のニッケル鉱山開発に投資

(11日)カナダ資本のオンサ・ピューマ鉱山(カニコ・リサルス社系)は、パラー州東南部のカラジャス地方でニッケル採鉱に10億ドルを投資する計画である。オンサ鉱床は幅3.6km、長さ23km、ピューマ鉱床はこれより一寸小規模だが、2鉱床は北アグア・アズル、オウリランジャ、パラウアペバ、フエリキス・ド・シング各郡にまたがる。総額10億ドルのうち、2007年までに5億5,000万ドルを投資する。ブラジル最大のニッケル開発計画。すでに地質学者、技師らが現地に到着し、トラクター、測量機器類が搬入されている(12日付けエスタード紙)。


新電力開発モデル、改正で1歩前進と電力業界称賛

ルーラ大統領がさきごろ訪米のおりに行った米国資本家相手の説明会は、投資家らが中途で席を立つなど、反応がいまひとつだったが、スペイン、ポルトガル、 中国、カナダなど各国の電力業界代表らに積極的に説明を行ってきたジルマ鉱山動力相は、「十分な感触を得ており、投資が現実なものになりつつある」と語 る。

新電力モデルの規制には法律2、政令5があり、最終政令はさる8月12日付け発令。なかには環境ライセンス未取得のものもあるが、現在40もの発電所プロジエクトが検討されている。

新電力モデル法案は下院議会を通過したが、上院議会で阻まれ、ジルマ鉱動相は上院議会有力者や電力業界代表らと会合を繰り返し、変更、改正を重ねた。その結果、このほど、電力業者団体のブラジル電力取引業者協会(Abraceel。パウロ・タバレス会長)から、新電力モデルを称賛する書簡がジルマ鉱動相のもとに寄せられた。しかし、ブラジル電力事業への民間の投資が現実となりつつあるかどうかは、来る12月の55MWの電力競売(05年~08年渡し)の結果に待たねばならない(12日付けエスタード紙)。


EU、メルコスールFTA向け交渉再開、だが妥結はまだ遠い

(12日)EUのラミー通商担当委員は12日、ブラジリアでアモリン伯外相、ロドリゲス同農相、フルラン同通産開発相と会談し、来る20日のEU、メルコスール会議でメルコスールの希望する一括提案を双方が交わすことに同意し、交渉再開の見通しとなった。

双方は予定通り10月末までに合意に持ち込めるよう努力するが、①11月1日に新EU委員会が発足し、ラミー通商委員の後任に英国のピーター・マンデルソン氏が就任する。新通商委員はメルコスールに対して譲歩する余地がない。②メルコスールとの貿易額はEU貿易全体の2%にしか過ぎない。③米州自由貿易圏(FTAA。Alca) 設立向けのFTA協定交渉の推進中は、EUにとってメルコスールとの交渉は緊急事だったが、FTAA交渉が頓挫しているいま、急がなければならない理由が ない - などから、交渉妥結が遅れるとするアデナウアー・スチフツング財団のホフメイステル理事長の観測が13日付け「バロール」紙に掲載されている。


【ブラジル経済情報】 速報 9月09日

政府、7.5億ユーロ起債 - ペトロは6億ドル起債との情報

(8日)ブラジル政府はこのほど、欧州市場における7億5,000万ユーロの起債(9億1,365万ドル相当)を終えた。当初5億ユーロと伝えられていたが、需要額がその4倍の20億ユーロとあって増額となった。金利は8.5%。メイレレス中銀総裁は「ブラジル経済が外的要因に弱いとする脆弱性を乗り越えた」との意見をのべた。

一方、ペトロブラスは8日、国際金融市場において6億ドルを起債した。10年期限の債券発行。こちらも当初5億ドル予定だったが、12億ドルの需要があり増額となったとされる。ただし、8日にペトロ側の担当者がつかまらず、情報は確認されていない(9日付けエスタード紙)。しかし、上記情報から8日の国内ドル相場は軟化し、1ドルが最低線でR$2.896を付けたが、引け値はR$2.901.


株価は横ばい - 外国人投資家離れで

(8、9日)8日のサンパウロ証券取引所(ボベスパ)の出来高は約12億レアルだったが、外国人投資家が減り平均株価は横ばい。9日は1%強の下げ(午後2時現在)。8月のサンパウロ株式市場の外貨収支は-5億7,900万ドル。7月の-8億1,600万ドルを下回ったが外資離れが続いている。非居住者の対外送金勘定(CC-5)経由の送金は8月に21億ドル強で98年10月いらいの高額(9日のエスタード紙、同通信)。GM紙によると、今年1-8月のCC-5勘定による対外送金総額は36億ドル。外資系企業がドル安を利用して早めに債務を本社へ返済した、ドル安で対外送金が増えた、キャピタル・フライトとは思えない-などのコメントが聞かれる。


Selic金利、今年末に16.5%か - 8月インフレは1.31%

(8、9日)応用経済研究院(Ipea)はこのほど、国内のインフレ傾向から中銀は今年末までに経済基本金利(Selic)を16.5%/年に引き上げる可能性があるとの予想を発表した。現在16%である。国内総生産(GDP)の伸びを4.6%予想に上向き修正し、インフレは広範囲消費者物価指数(IPCA)ベースで今年7.3%と上向き修正した(それまで6.5%)。また、国内投資は昨年度に比べて7.6%増加する(それまで5.3%)が、しかし、持続性のある経済成長の確立には国内貯蓄を増やし、投資のさらなる増大を実現する必要があるとしている(9日付けエスタード紙)。なお、FGVが9日に発表した8月の国内総合物価指数(IGP-DI)は1.31%アップ。これで今年1-8月累計は9.53%となった。過去12ヵ月累計は12.37%である。


鉱工業生産、7月は前年同月比9.62%増

IBGEが9日に発表。前月比では0.5%増。


【ブラジル経済情報】 速報 9月08日

アルゼンチンに地震、死者1名、学童らケガ

(7日)今夏の北半球は大型台風や地震に痛めつけられているが、南半球でもアルゼンチンが7日午前8時30分ころ、震度6.3の地震に見舞われた。震源地はアンデス山脈の麓カタマルカ州。サンフエルナンド市では学童たちが校舎の塀が崩れて負傷したほか、1老婦人が心臓マヒで死亡した。ブエノスアイレス市では高層ビルの住民にゆれが感じられた。パラグアイの首都アスンションでは高層ビルの住民らが一時避難した。


米、ウルグアイの投資協定合意へ - 10月調印予定

(7日)米通商代表部(USTR)のゾエリック首席代表、ウルグアイのアルフィエ経済財務相は7日ワシントンで、両国の2国間投資協定が合意に至ったことを発表した。10月調印予定。昨年11月に交渉が開始されたもので、締結によって米国投資家の対ウルグアイ投資保護が保障される(ウルグアイの対米投資の場合も)。メルコスール加盟国が米国と結ぶ初の協定(8日付けエスタード紙)。


ラバニャ亜経済相、明日来伯 - 伯の企業誘致恩典廃止要求か

アルゼンチンのラバニャ経済相は明日ブラジリア着、ルイス・フルラン通産開発相らと会談する。ブラジルが税制恩典を出して企業誘致に成功している(例えば伯がこの数年間に21の組み立て工場を誘致したが、アルゼンチンには僅か2工場)が、アルゼンチンは不利な状況下にあるため、この税制恩典を廃止するようブラジル側に申し入れる予定。また、自動車関係は2006年以降、メルコスール域内で貿易自由化予定だが、これも中止するよう申し入れる。ブラジル車がアルゼンチン市場の64%を占有するが、アルゼンチン車のブラジル市場占有率は2%にも満たないのがその理由。


国内総生産4.23%の伸びと中銀予測 - 工業生産性上期に7.2%アップ

(6日)ブラジル中銀は6日、今年の国内総生産(GDP)の伸びを4.23%予想に上向き修正した。それまで4%予想だった。明年は引き続き3.5%予想。鉱工業生産が上期に6.34%伸びた実績を踏まえたもので、企業、銀行を対象に行ったアンケート調査の結果。

一方、工業開発研究院(Iedi)調査によると、今年上期の国内工業の生産性向上は7.2%だった。サンパウロ州はそれを上回る10.53%。Iediのジューリオ・アルメイダ理事は、とくに電気電子、精密機器、通信機器業界が21.6%と著しいアップとしている(7日付けエスタード紙)。


【ブラジル経済情報】 速報 9月03日

電 力 関 係 情 報(2日)

a)電力消費、8月に19%近い伸び

国内電力消費量が8月に対前年同月比で9.37%伸びた。東南伯及び北伯地方に著しい。全国電力オペレーター・システム(ONS)ではしかし、まだ電力供給面に余力があり、当面は心配ない。心配なのは同部門に対する投資不足、としている。電力庁(Aneel)では、今年内に新しい電力2,500MW、05年に3,058MW、同06年に2,763MW、07年に438MWを追加できる。しかし、今後新発電所プロジエクト着手がなく、現在のテンポで経済成長がつづけば2008年には電力供給面に支障をきたす、と予告している。つまり、年間4.5%~5%の電力消費増があるとなれば、毎年3,200~3,500MWの電力供給増が要求されるというもの。ちなみに8月18日の消費量は57,647MWだった。8月全体では32,385GW/hだった(全国電力統合システム=SIN調べ)。(エスタード紙)。

b)エレトロブラス、中国の三峡ダム建設に協力

北京で開催中の「エレトロブラス・グループの潜在能力と中・伯ビジネス・チャンス」セミナーに出席したエレトロブラス電力のシラス・ロンドウ社長は2 日、揚子江中流で計画推進中の「三峡ダム」のヤンツ-三峡ダム・プロジエクト開発との間で、エレトロブラスが同計画に協力を約束する協約にサインした。三峡ダムは、世界最大の水力発電所で、すでにタービン8基が始動している。ジルマ・ロウセフ鉱山動力相も北京を訪れ、中国政府高官らと会見する(3日付けエスタード紙)。 なお、同発電所は完成すれば年間発電量840億キロワット/時見込み。


インフレ、サンパウロ市は8月に1%近く

(3日)サンパウロ市の8月のインフレは消費者物価指数(IPC。サンパウロ大学系Fipe調べ)ベースでは0.99%。7月は0.59%だった。8月は家賃1.78%、食費1.06%、運賃1.05%等のアップ(エスタード通信)。


やみドル業者大量逮捕で米企業は対伯送金に慎重態度 - 検察当局は中銀総裁の送金調査を収税局へ申し入れ

(2日)さきの連邦警察による国内やみドル業者62人逮捕の情報が原因で、米企業は社名が傷つかないように対伯送金ルート選びに慎重を期している(3日付けバロール紙)。

一方、同日のエスタード紙は、「元パラナー州銀のバネスタード関係で、対外不正送金(受け取りも)に問われる政治家は137名にのぼる。クラウジオ・フオンテレス検事総長は氏名発表を避けているが、バネスタード及びその他の4銀行経由で対外送金された金額は1996~2000年だけで240億ドルにのぼる。公務員らも加わっている、とのべた。また、検察当局は、メイレレス中銀総裁が所得申告せずに資金を対外送金したとするマスコミ報道をもとに、詳しく調査するよう連邦収税局へ申し入れた」と報じている。


【ブラジル経済情報】 速報 9月02日

EU、メルコスールのFTA合意遠のく

(1日)外交及び企業筋によると、欧州委員会メンバー交代のためEU、メルコスール間の自由貿易協定(FTA)向け交渉の合意は、当初予定の10月31日までは無理。メルコスール側は、世界貿易機関(WTO)のドーハ・ラウンドで、ブラジルの立場が明白になった後の交渉再開のほうが望ましいという。国内農業界は交渉の遅れを非難しているが。

ブリュッセルは、EUの最終提案によって、メルコスールの対EU輸出額が約30億ユーロ増大する。EU側の対メルコスール輸出は約16億ユーロ増えるとしている(2日付けバロール紙)。


自動車の保険料、会社によって大きな差

2日付けGM紙は、保険ブローカー団体CQCSの依頼で3保険ブローカーが行った調査結果として、自動車保険の保険料が、会社によって大きな差があると報じている。

ここでは保険会社の社名は伏せるが、仮にA社は保険料即金払いでR$3,208だが、B社はぐっと安くR$1,918。しかも事故のさいのフランキャにはさほど大きな差がない。

全国民間保険・貯蓄会社連盟(Fenaseg)では、保険金額の多寡はもとより、フランキャ額(免責)、車種、ドライバーのプロフイール、追加保険カバーの度合い等によって保険料に差が出る。はじめての保険契約と更新の場合も差がある、と説明している。


8月の儲け頭は株、ドル投機は3.6%のソン

(1日) ドル安のまま9月に入ったが、8月は約3.6%の下げ。9月1日は1ドルがR$2.929で終わっている。米金利関係情報に目新しいものはなく、ブラジル・カントリーリスクも下がり、政府が海外市場で外貨を調達する可能性がある等々からドル相場は軟化している。

株式はボベスパ平均株価が前月比2.03%上がっている。今年2.55%の上昇である。ドルのほうは今年0.93%上昇(バロール紙)。なお、ブラジル国内の第2四半期経済成長が5.7%と著しかったとする報道にも拘わらず、株価が高騰しなかったのは、すでに織り込み済みだったためと見られている。一方、DI投資信託は8月に1.24%の粗利益。なお、8月のインフレは総合市場物価指数(IGP-M)ベースだと1.22%(エスタード紙)。

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