日系人として初めて空軍のトップに上り詰めた斉藤準一空軍総司令官は「リーダーになるためのリーダーシップ」と題して、空軍のトップになった経験から実務におけるリーダーシップを発揮するために日常的に行なうこととして、経営学権威のピーター・ドラッガーの言葉「直接的、間接的に部下にモチベーションを与える」を引用してモチベーションを与えることの重要性を強調、空軍では常に空軍のミッションを挨拶の言葉として常用している。
リーダーの語源はアングロ・サクソン言語では多大に影響を与えるという意味であり、リーダーシップは個人やグループに対して困難な判断を要するときに、目的達成にために毅然とした態度で影響を与えるプロセスを重要視、リーダーは生まれつきではなくて長い経験から醸造される。
またリーダーは新たな目的を常に追求して自らのアイデアで目的を達成することであり、常に現実を直視しなければならず、リーダーシップとチーフの違いはラテン語源ではチーフは「主要の頭」を意味して管理職であって、必ずしもリーダーになる必要はない職務であり、常に部下に影響を与えることはない。
指揮者とリーダーの違いは指揮官はチーフの職務以上に組織の目的達成のためには影響力が強く、空軍ではチーフ以上のリーダーシップを求められるが、消極的なリーダーシップは個人の目的を満たすためのリーダーや昇進を目的とした結果を残す行為などがあげられる。
空軍で求められるリーダーシップは空軍ミッションを遂行するためのグループや個人への影響力や行動力が求められ、空軍ミッションは自国防衛を目的とした自国領土の空間統治権維持であり、リーダーの最も優れたスタイルは存在しなく、音楽家のように状況に応じてテクニックや理論を自由自在に変化させる機敏さが求められる。
リーダーに求められるのはどんな状況におかれても常に平常心を維持すること、自身の経験と目的、組織のミッション、自身の性格、自身の職業的目的、リーダーは他人やグループに対してモチベーションを最大に引き出せる能力を身に付けることであり、部下が自身の能力を知る前に部下の潜在能力を見抜かなければならない。
またリーダーは主張内容と実践が常に一致していなければ他人に影響を与えることが困難であり、常に目的を掲げ、優先順位を明確に示し、単純、明快に説明しなければならず、また注意する点として常に観察されており、決定したことは取り下げることが許されず、判断までの時間は常に測られている。
モチベーションを高めるには他人や部下の能力を最大に引き出すことであり、私の母が常に言っていたことは日本では偉くなればなるほど人前で謙虚に振舞うことを意味する「実るほど頭を下げる稲穂かな」の諺をよく聞かされた。
忍耐力もリーダーに求められる事で自制心に結びついており、また尊敬、謙虚な気持ちもリーダーになるには不可欠な要素であるが、嫌悪心や不公平心を持つことはリーダーにとっては相反する要素である。
最後に父は青森、母は香川出身で私はポンペイア生まれの二世で5人兄弟の長男であったが、父親の農業の後を継ぐために小学校4年で学業を終えるつもりにしていたが、担任が学業成績が優秀であったために、是非にと進学を進めてくれたために中学校に進学、その後ジャカレイ市近郊に移り、青襟の空軍服に憧れて空軍に入隊したが、近眼のためにパイロット試験に落ちたが、日系医師の計らいで眼鏡を作ってもらって合格した経緯があり、人とのご縁や家族に対して感謝していると述べ、最後にリーダーは他人が目標とする見本でなければならないと述べて講演を終えて、田中信会頭から記念のプレートが贈呈された。
8月の懇親昼食会は正午からハイヤットホテルに105人が参加して開催、司会は平田藤義事務局長が務め、初めに特別ゲストの斉藤準一空軍総司令官、ロジェリオ・ベリッシモ空軍大佐、ロドリゴ・グアスチーニ空軍少佐、丸橋次郎首席領事、吉村一元一等書記官がそれぞれ紹介され、続いて8月1日に会議所関係の外務大臣表彰受賞者として、
元会員: 尾西 貞夫氏 (明石屋宝石店主、援協副会長、兵庫県人会会長)
高橋 祐幸氏 (元ラシメッキ社役員補佐)
野村 義人氏 (三井物産元役員)
元常任理事: 難波 慶二氏 (元豊和工業社長)
若松 孝司氏 (元ソールナッセンテ グループ代表)
江坂 雅雄氏 (元イグアスーコーヒー社長)
成富 武典氏 (元NGK社長)
現会員: 貞方 賢彦氏 (会議所顧問、ヤクルト社社長)
山田 唯資氏( 会議所監事会議長)
早川 鉄三氏 (パラー日系商工会議所会頭、ニチレイ社重役)
駒形 秀雄エリオ氏 (MCC機械社長、元丸紅ブラジル取締役)の名前が読上げられた。
丸橋次郎首席領事は「ミナス環境フォーラム案内」としてリオ総領事館主催で10月13日から14日はリオ市、16日にミナス州ベロ・オリゾンテ市で開催されるフォーラムは洞爺湖サミットで話題になった地球環境問題のフォローアップ会議と位置づけて地球規模の食料危機、温暖化防止などを話合い、16日のフォーラム以外にはミナス州への企業誘致や投資、産業施設見学会なども予定されていると説明、続いて山田唯資監事会議長は初めに外務大臣表彰受賞に対して感謝の意を述べ、13日に開催された監事会での第2・四半期の会計監査を報告した。
3分間スピーチではハイアット・ホテルのヴィルジニア・チェデール営業取締役が当ホテルでの日本企業のイベントは重要で増加傾向にあることに対して御礼を述べ、対会議所代表ではAUTHENTのマルコス破入社長から会議所代表が栗田誠四郎顧問に交代、みずほコーポレーションの福田勝美社長が帰国挨拶、後任の堀内勝新社長が就任挨拶を行なった。
リーダーについて講演する斉藤準一空軍総司令官
熱心に斉藤準一空軍総司令官の講演を聞く参加者