英語セミナー「2006年の経済見通し」

貿易部会及びコンサルタント部会共催の英語セミナー「2006年の経済見通し」が、11月23日午後3時30分から商工会議所会議室に35人が参加、真剣に来年度の経済の動向に耳を傾けていた

貿易部会(中村純一部会長)及びコンサルタント部会 (桜井悌司部会長)は、11月23日午後3時30 分から5時まで商工会議所会議室で、ABN AMRO銀行のゼイラ・アブデル・ラチ・フチーフエコノミストを迎えて、英語セミナー「2006年度の経済見 通し」を開催、35人の参加者達は来年のブラジルや世界経済の動向などに真剣に耳を傾けていた。

中村貿易部会長がゼイナ女史の略歴を紹介、初めにゼイナ女史は海外のシナリオとして、今後2年間の世界の地域別経済成長の動向について、米国及び中国は停 滞するが、ヨーロッパ及び日本はやや上昇傾向が予想されるが、米国の貿易赤字やバブル破裂によるリセッション、インフラ不整備による中国経済の停滞や国際 石油価格上昇による世界的インフレなどが世界経済停滞の引き金になる可能性があると説明した。

最近の世界経済の景気サイクルは7年から8年間で、米国は2002年から景気上昇サイクルに突入しており暫くは大きく落込まない。ブラジルは1992年には石油の大半を輸入していたが、今年は石油の自給率が5%以下であり、国際石油価格に影響されなくなってきている。

また政治スキャンダルによる来年の大統領選挙の行方、ルーラ大統領の不支持の増加、連立与党のPMDB党の独自立候補者の擁立の可能性など混沌としているが、ブラジル経済は政治スキャンダルに左右されなくなったと述べた。

しかし2005年は改革の年だと云われていたが、国会は汚職問題だけに集中しており、税制改革、年金、農地、政治、社会保障制度改革や行政改革など何一つ達成されていないと説明。

国際商品価格のサイクルから2005年度の価格はピークと予想されているが、好調な世界経済および好調な国際商品価格に支えられて、ブラジルの輸出は好調 で今年は420億ドルの貿易黒字が予想されるが、2006年は350億ドル、2007年は290億ドルに下がると述べた。

今年はルーラ政権になって初めて連邦政府が設定した目標インフレ率以内に収まり、2006年も達成可能であり、カントリーリスクが350ポイントで推移しており、連邦政府は現在のSelic金利を維持する必要はないと説明した。

プライマリー収支黒字目標を4.25%から5%へ引上げる余地、ルーラ政権後の公的負債/GDP比率の低下、低下するSelic金利連動及びドル連動国 債、増加する固定金利及び経済指標連動国債、ブラジルの経済成長率の推移、今年の年末及び来年末の国内総生産額、経済成長率、インフレ率、貿易収支、プラ イマリー収支、Selic金利や為替レートなどのマクロ経済の指標についても詳しく説明した。

その後の質疑応答も盛んに質問が飛んだが、親切丁寧にアドバイスして講演を終え、中村部会長から記念のプレートが贈られ、参加者から大きな拍手が送られた。

 

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