JICA、国土交通省、サンパウロ総領事館並びにサンパウロ市役所共催の「サンパウロ水害対策に関する日伯ワークショップ」が2010年4月5日午後1時30分からインターコンチネンタル・ホテルに80人が参加して開催された。
州衛生エネルギー局のヒカルド・トレド・シルバ次局長は「サンパウロ州政府の水害対策戦力」と題して、サンパウロ市の地形の特徴、水害対策戦略やプラン、ブラジルは世界の真水の12%を占めるが、その70%はアマゾン流域であり、サンパウロ州は1.6%を占めるにすぎないと説明した。
サンパウロ市の水害はアウト・チエテ流域が主な原因であり、また水源地カンタレーラ、グアラピンガ貯水池、勾配の少ないチエテ河、揚水発電など水害防止の特異なシステムを説明した。
DAEEチエテ流域計画管理局のジェニヴァウド・アギアール・コーディネーターは「サンパウロ州における水災害の現状と課題」と題して、サンパウロ市内を流れるチエテ川の治水工事は1940年代から開始、アウト・チエテ流域の河川氾濫やサンパウロ市内のチエテ川の改修工事の遅れなどでよく氾濫していたが、1990年代に国際協力銀行やJICAの支援で「チエテ河流域環境改善計画」(洪水防止のための河床掘削等)の改修工事で洪水は解消、しかし続けて河川の環境保全を続ける必要性を述べた。
国土交通省河川局河川環境課の大槻栄治推理技術調整官は「日本における治水」、同省総合政策局国際建設推進室の山内洋志国際協力官が「日本における大規模自然災害発生時の初動対応」、市都市開発局のミゲル・ブカレン局長は「サンパウロ市における排水整備計画」、JICA地球環境部水資源第一課の古本一司調査役は「治水に関するJICAの国際協力」について講演した。
右端は開催挨拶をする大部一秋総領事/JICAサンパウロ事務所の芳賀克彦所長Foto Norie Watanabe/Nikkei Shimbun)