3月定例懇親昼食会が、3月10日午後12時20分からマクソウドホテルに100人が参加、南マットグロッソのゼッカ州知事並びにOTCAのロザリア事務局長が講演した
商工会議所の3月定例懇親昼食会が3月10日午後12時20分から聖市内のマクソウドホテルに100人が参加、南マットグロッソのジョゼ・オルシリオ州知事(通称PT党のゼッカ)が「南マットグロッソ州の開発状況並びに計画」、アマゾン協力条約機構(OTCA)のロザリア・セラーノ事務局長が「アマゾン地域の持続的開発に対するOTCAの役割」についてそれぞれ講演した。
平田藤義事務局長が司会を務め、初めにゲストのゼッカ州知事、ロザリアOTCA事務局長、並びに特別参加の西林万寿夫総領事がそれぞれ紹介された。
続いて帰国する多田稔三菱商事社長は2年10ヶ月の駐在員生活を振り返り、総務委員長になったばかりで心残りであるが、mais ou menosのブラジル文化が気に入り、所得格差及び治安の悪さ以外は全て気に入ったと述べ、また駐在員生活2年4ヶ月の桜井悌司ジェトロ所長は非常に楽しい駐在員生活を送れた。また両国フ経済関係が良くなり、Bricsの一員であるブラジルへの関心が高まってきたと述べた。
またジャイカの石橋隆介サンパウロ事務所所長は駐在員生活を3年半過ごし、60歳の退職・帰国通知が来たのでパスポートで自分の年齢を確認したとそれぞれ帰国挨拶を行ない、新入会員としてジャパンデスクの高山直己社長はよく机を作っている会社と間違えられるが、17年間ブラジルで営業しており、コンサルタント部会に所属すると挨拶をした。土肥克己領事はICチップ埋め込み型のパスポートの変更について説明した。
ゼッカ州知事は講演で、南マットグロッソ州は1997年に誕生した一番新しい州であり、南米の心臓部に該当し、メルコスールへの入り口及び太平洋並びに大西洋へは1,500キロメートルの距離にある。面積は36万平方キロメートル、人口210万人、2,500万頭の牛を放牧しており、牛肉や大豆輸出はブラジルでトップで、チリのイキイキ港からアジアまでは7,500キロメートルで10日から15日で輸出できると地理的条件の有利さや農畜産部門のポテンシャリティを強調した。
また州内の鉄鉱石の生産ではブラジルで2位,マンガン鉱は3位であり、アジア市場への鉱物輸出は州内のカンポ・グランデ市、コルンバ市からボリビアのサンタ・クルス市を経由してチリのアントファガスタ港から輸出できる強調した。
パラグアイ河の水路利用で大西洋に抜けて大幅なコスト削減ができ、パンタナル湿原では豊富な自然を求めて多くの観光客が訪れ、エコーツリズムが盛んであり、ポルトガル系やスペイン系企業がホテル建設に投資しており、またセルローズ生産のために州内の10万ヘクタールでユーカリを植林して1万人の雇用が生まれており、7年で伐採可能な気候に恵まれているとも述べた。
またベルチングループがカンポ・グランデ市に食肉加工工場を建設、日産3,500頭を処理しており、3,500人の雇用創出となっている。新しい州ではあるが、日系人が多数活躍しており、その様子を5分間のビデオで紹介、大いに同州への投資誘致に熱弁を揮った。
最後にロザリアOTCA事務局長はOTCAは1978年に設立、アマゾン流域のブラジル、コロンビア、ボリビア、ギアナやスリナムなどの8カ国で構成され、アマゾン流域は世界の水の20%を保有し、世界の気候に大きな影響を与えると説明、1995年にはメンバー国はアマソン流域の環境保全や水資源利用で共同調印し、アマソン流域の自然破壊は地球に大きな被害をもたらし、その保全の重要性を強調した。