海外邦人安全対策連絡協議会が2011年7月22日午後2時から3時30分までサンパウロ領事館(大部一秋総領事)の多目的ホールに、日系団体代表や商工会議所安全対策メンバーが15人が参加して開催された。
初めに国際協力機構(JICA)のブラジル事務所のノブユキ・キムラ・プロジェクトコーディネーターが「交番システムに基づく地域警察活動普及プロジェクト」について、JICAの仲介で日本の警察とサンパウロ州軍警察との間で締結された協定により、サンパウロ州の現状に適応させた地域警察活動/日本の交番システムが2005年からサンパウロ州軍警察で採用されていることを説明した。
この交番システムの活動をさらに高めていくために、サンパウロ州の軍警を日本に派遣して交番における実際の仕事ぶりを視察したり、ブラジルで行われている地域警察活動の改善のための助言をしたりするため、JICAは「交番システムに基づく地域警察活動普及プロジェクト」を通じて、日本人専門家をブラジルに派遣してサポートしていることを説明した。
またキムラ・コーディネーターはシステム導入地域での犯罪減少傾向に伴って、大サンパウロ圏にシステム導入を拡大、またサンパウロ州全域並びに12州へのプロジェクト普及を視野に入れており、さらに中南米からの研修生の受け入れや中南米でのセミナー開催などを紹介した。
サンパウロ総領事館の警備・安全対策担当の脇谷領事は「最近の治安情勢と郊外農村地域における治安対策」について、犯罪統計表の推移では窃盗などを高水準を維持しているが、殺人が大幅に減少してきていること、また軍警察、民事警察や連邦警察の職務の違い、最近、発生した事件の例、被害の未然防止対策や事件に遭遇時の対応などを説明、総領事館への被害届けの重要性、犯罪減少協力ポイントとして、会員からの被害情報収集、治安機関とのコミニュケ–ション強化、治安機関からの情報入手、会員へのフィードバック並びに問題解決した場合の警察や治安機関へのお礼状提出で双方の協力関係強化などを説明した。
当日の参加者は15人、商工会議所からは総務委員会(伊藤友久委員長)の安全対策チームメンバーの塩原優氏(伯国三菱商事会社)、唐木田光男氏(個人)、古沢邦浩氏(ブラジル東京海上)、平田藤義事務局長
15人が参加した海外邦人安全対策連絡協議会参加した(fotos Rubens Ito/CCIBJ)
「交番システムに基づく地域警察活動普及プロジェクト」について立って講演する国際協力機構(JICA)のブラジル事務所のノブユキ・キムラ・プロジェクトコーディネーター
「最近の治安情勢と郊外農村地域における治安対策」について講演するサンパウロ総領事館の警備・安全対策担当の脇谷領事