3月の労働問題研究会に58人が参加して開催

企業経営委員会(上野秀雄委員長)の労働問題研究会が2012年3月22日午後4時から6時まで58人が参加して開催され、司会はマルコス・ハニュウ副委員長が務めた。

Ueno Profit Assessoria em Controladoria事務所のマミ・ウエノ取締役は、「 財務管理 -税制及び労働問題回避のための注意点 」と題して、不要なリスクを回避するための従業員に関する労働条件の注意点として、従業員採用時の契約書の作成、従業員のベネフィットのコントロール、従業員の出張手当てや経費の精算、法人クレジットカードの使用、ボーナスや従業員利益分配金(PLR)の支払い、残業代の支払い並びに規制、同一価値の労働に対する同一報酬、従業員の労働時間内のインターネット使用条件、アウトソーシング契約時の注意点などリスク回避について説明した。

平田藤義事務局長は、会議所では過去2年間を除いて、年1回「外国人労働者-ブラジル入国管理政策の現状」 セミナーを開催、加えて今般「出稼ぎ者(リターン)のブラジルでの雇用」などに関するセミナーの開催を検討中であることを説明、また日伯社会保障協定の発効や3年間マルチビザ取得など一歩前進したが、ビジネス環境の一層の整備のために、ビザフリーをはじめ、就労ビザ、技術ビザや研修ビザなど今後も解決していかねばならない事が多くある事も含めて、今回アンケート調査を実施した経緯を説明、 参加者に配布したアンケート用紙への回答の協力を呼びかけた。

KPMG のアドリアナ・ロッジ労働問題・社会保障部門共営者は、「 日伯社会保障協定 」について、今年3月1日から発効して間もないために、色々な疑問や社会保障院(INSS)の不明確な回答があることを述べ、駐在員の二重加入防止、ブラジルの制度の免除の条件、一時派遣の延長、協定発効前から引き続き派遣が継続される場合などについて説明した。

日・ブラジル社会保障協定の概要では、社会保障協定の主旨並び保険料の掛け捨て防止、日本並びにブラジルでの二重加入の防止のための手続/適用証明書の交付手続き/年金請求の手続き/協定による日本・ブラジルの年金請求の手続きについて説明した。

二重加入の防止では、日本・ブラジルの年金制度のうち、いずれか一方に加入や一時派遣の延長として、総派遣期間が5年以内であれば適用の継続は可能、 しかし3年を超える延長は認められない。また協定発効前から引き続き派遣が継続される場合は、発効日から5年以内に派遣が終了する見込みであれば、ブラジルの制度が免除される。

日本の老齢年金を受け取るためには、原則として25年の年金加入期間を必要とし、日本の年金加入期間 だけで25年を満たすことができない場合は、ブラジルの年金制度の年金加入期間を足し合わせて計算することが可能、ブラジルの老齢年金を受け取るためには、 原則として15年の年金加入期間が必要、ブラジルの年金加入期間だけで15年を満たすことができない場合は、日本の年金加入期間を足し合わせて計算することができることなどを説明した。

左から山内正直副委員長/KPMG のアドリアナ・ロッジ労働問題・社会保障部門共営者/Ueno Profit Assessoria em Controladoria事務所のマミ・ウエノ取締役/ワシントン・ヒラセ副委員長/マルコス・ハニュウ副委員長/ジュン・オヌマ氏

会場一杯の58人の参加者

熱心に講演に聞き入る参加者

 

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