つまるところ、本当にカルテルが破られたということだろうか? もし銀行間で宣戦が布告され、顧客を争奪するために利下げが行われるのなら、もしそれが本当のことで永続的であるなら、いよいよ、資本主義の改善すべき点が再構築されるだろう。それはつまり、大衆と預金者に利益をもたらし、ダイナミックな経済へと向かう軌道に乗るための推進力となる「善」であり「古(いにしえ)」の存在、「競争」だ。仮に将来、これらのことが確認され、いずれもが「夏の夜の夢」に帰することなく、また時間の経過とともに消滅するようなマーケティング活動などでないのなら、銀行融資はようやく、消費者への融資や企業の運転資金への融資、経済発展への融資といった本来の役割を果たすことになり、その次のステップとして、インフラと生産への長期融資に波及していかないと誰が言えるだろうか。
ブラジルの銀行業界はいつの時代も、カルテルを結んできた。その金利は、もし事前に申し合わせてなどいないとしても、その差は微々たるもので、五十歩百歩の、ほぼ同じ内容だった。レアル計画の導入後、外資に市場が開放された際、市場競争が再度確立されるという希望が生まれてきた。ところが外資系の銀行各社は、進出するやいなや、すぐに国内銀行と公営銀行の「習癖」に順応した。そしてブラジルは、エコノミスト誌が最新版で「極めて大きい」と評したスプレッド(銀行が資金を調達する際の金利と融資を行う際の金利の差)により、世界で最も金利の高い国になった。
このイギリスの経済誌は、ブラジルのスプレッドに関して極めて大きな懸念を示した。2011年は平均すると、ヨーロッパ諸国では5%未満であり、ラテンアメリカでも5%だというのに、ブラジル国内では30%に達したのだ。ざっと計算したにしても、それは中央銀行の設定する基本金利の水準にもよるのだが、企業向けの融資の場合はブラジル国内で年利40%から50%の金利が設定される一方、周辺国の金利は8%から15%なのだ。ブラジル国内において、各種租税はスプレッドの22%、銀行の利益は34.15%だ。言い換えるなら、融資オペレーションで年利40%が設定されている場合、もし非課税となり銀行各社が利益を半分に抑えるとするなら、その金利は28%に低下することを意味する。ところが金利は依然として高いままだ。というのも、銀行各社と中央銀行がスプレッドに対して3つの別のコストを組み入れていることによる。そのコストとは、管理コストと、債務不履行のコスト、強制預託金のコスト(銀行が中央銀行に対して義務付けられている預金)である。
市場競争が維持され、しかも成功を収めるとしても、エコノミスト誌は、ブラジルがインフレを伴わずに低金利を維持するのは困難とみなしている。争点はこうだ。スプレッドというのはあくまでも結果に過ぎず、問題の本当の本質は、ブラジルの貯蓄率の低さにあるということ。ブラジルは90年代以降、貯蓄率が継続的に16.5%で推移している一方、例えばメキシコでは22.6%である。そして、もしインフレが再び高進するのなら、中央銀行はブラジル経済基本金利(Selic)の利率を引き上げるし、スプレッドの引き下げ努力は無に帰す。
同誌は、更に主張を続ける。ハイパーインフレに見舞われた年代からこのかた、現金をとどめ置かずに迅速に利益を生み出すという風潮は、ブラジル人と銀行、政府の日常に深く刻まれている。その証拠が、償還期限が極めて短く政府が繰り延べを懸念すらしていないという、内債の現状だ。加えて、国内の低い貯蓄率。長期的に見て貯蓄を積み上げるという習慣が徐々に根付くように誘導していくための、しっかりと考え抜かれた枠組みが欠落している。
こうした事情があるものの、スプレッドの引き下げ努力は、歓迎だ。そして、一寸先が霧の中で発表された金利を実際に銀行が適用するのか疑わしいこの時期に、成功に向けて背中をひと押しする何らかの施策が必要になる。中央銀行が、可能な限り短いサイクルで、迅速に、自身のサイトで銀行各社が融資事業に採用している金利に関するランキングを公表し、その発表内容を拡充していくことが、1つのより良い指標になるだろう。冷蔵庫を購入するのにより低価格な店を探して選ぶように、個人向け融資にしろ自動車の購入にしろ、あるいはクレジットカードや源泉徴収型クレジットであれ、目的に応じてより低い金利を設定している銀行を、預金者が選ぶようになる。
もう1つの指標は預金者が、金利と苦情、称賛に関する情報を通知することができ、同じく中央銀行によって公表されるようなチャネルの創出だろう。現段階で大衆に声を届けることは、銀行の公約を証明し、ブラジル国内の金利低下を決定づけるために極めて重要なことである。(4月22日付エスタード紙)
スエリー・カルダス ジャーナリスト。リオデジャネイロ・カトリック大学教授。








