古川国家戦略担当大臣と会議所役員が意見交換

6月開催のリオ+20が迫っている中、野田政権下で初の閣僚が来伯した。古川元久国家戦略担当相は1996年、30歳の若さで衆議院議員選挙において初当選、同年民主党結成に参加、2009年に五選されている。同年9月に内閣官房国家戦略室長を歴任、10年、内閣官房副長官を経て11年9月から現職に至る。
官邸機能を強化、総理直属の国家戦略室を設置、官民の優秀な人材を結集し、新時代の国家ビジョンを作成、政治主導で予算の骨格を策定するとする与党民主党の最も重要な国家戦略担当大臣だ。
29日、イブラプエラ公園内の開拓戦没者慰霊碑、日伯文化・福祉協会内の移民資料館やサンパウロ市内から約70Kmに所在する世界第3位の航空機メーカーのエンブラエル社を訪問後、一連の日系社会団体との懇談の後に当会議所の常任理事と意見交換を行った。
同大臣は冒頭挨拶で21世紀は新興国の時代、BRICs諸国の中でも日本にとって最も重要な国で日本移民104年の歴史がどれだけブラジル経済に影響を与えているか計り知れず、先人の苦労により築かれた遺産に敬意を表明する一方ブラジルをはずして日本の国家戦略は考えられないと述べた。
他国とブラジル間の直行便、中国や韓国勢の進出状況、最も遠くて近い国の真の戦略的パーとーナー関係、失われた80年代(ブラジル)と日本のバブル後遺症、金融業界の過去と現状および将来、金利政策、中小企業進出支援、欧米諸国のブラジルに対する目線、アジア諸国と自己完結型のブラジルとの違い、東日本大震災と原発問題、TPP、日本のビジネスモデル、ブラジルの産業政策、構造改革、長期視点の日伯協力関係、マインドセット、企業のコンプライアンス、リスクマネージメント、グローバル競争下のオール日本としての官民一体のあり方と戦略的な予算配分等々を幅広く意見交換を行った。
4月24日サンパウロ工業連盟(FIESP)が発刊・監修した南米諸国連合(Unasul)が2022年を目標に社会・経済開発・政治統合に向けた「南米インフラ統合8軸計画」の冊子(350頁)をパッケージ型インフラ海外展開の一助に贈呈した。
南米インフラ・計画審議会(COSIPLAN)が策定したプロジェクトの総額は1160億ドルの規模。昨年11月ブラジリアで開催された同審議会の第2回閣僚会議において2012年から22年までの最優先・基本プロジェクト31件(個別88件)が決まり、FIESPによる試算投資額は約210億ドルに及ぶ。このプロジェクトが完遂すればパナマ運河経由に匹敵する太平洋へのアクセスが可能となる。(詳細:https://www.fiesp.com.br/indices-pesquisas-e-publicacoes/8-eixos-de-integracao-da-infraestrutura-da-america-do-sul/

商工会議所参加者:近藤正樹会頭、伊藤友久副会頭、藤井晋介副会頭、村田俊典専任理事、伊吹洋二専任理事、廣瀬孝専任理事、平田藤義事務局長

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