サンベルナルド・ド・カンポ市のアルモニア学園(和田忠義理事長)で9月22日(土)10時半、日本政府による草の根文化無償資金で日本語教育のためのPC教育機材設置の竣工式が挙行された。
式典には福嶌教輝(ふくしま のりてる)新在聖総領事をはじめ同市のクリスチアネ市長(ルイスマリーニョ)代理、ミナミ市会議員、同校の前身であるアルモニア学生寮を建設したブラジル力行会会長の岡崎祐三氏また日系主要団体代表者等が駆け付け盛大に執り行われた。会議所からは平田藤義事務局長(※)が参加した。
和田会長から同無償資金援助による最先端コンピューター機材の導入に対する謝辞、またアルモニア学園の教育カリキュラムやシステムなど説明に続き市長代理、市議が挨拶。新総領事から来年60周年を迎え、1953年の学生寮からスタートした同学園は数多くの人材を輩出、現在では日系人以外の学生が7割を占め多大な貢献をしている現状をこれこそ本当のアルモニア(融合)だと賛辞を贈った。
日本式の礼儀作法がしっかり身に付いた小中学生達による一糸乱れぬ和太鼓を演奏したほか日本の小学唱歌を合唱し関心を呼んだ。
左から、福嶌教輝サンパウロ総領事、和田忠義理事長、ミナミ・ヒロユキ サンベルナルド・ド・カンポ市議会議員
教室見学の模様
竣工式には福嶌新在聖総領事やクリスチアネ サンベルナルド・ド・カンポ市長が出席
生徒による和太鼓演奏
生徒による合唱の様子
日本政府への感謝プレート
(fotos: Associação Harmonia de Educação e Cultura)
(※)1885年の日伯修好条約締結から100周年にあたる1995年、日系主要5団体(文協、援協、県連、アリアンサ、当会議所)は日伯友好交流促進協会を創設した。当時、会議所が募金活動の主導的な役割を果たし一連の100周年祭典行事を行った。
1996年9月25日、祭典行事の残余金約85万ドル(R$850,664.14)を原資として主に社会福祉事業に助成する目的から同協会内に修好100周年基金が設置され、会議所事務局による資金管理下で同協会の5団体長が承認した有効なプロジェクトに助成・運営されてきた。
移民100周年を5年後に控えた2003年6月、同協会は通常の助成を一旦棚上げにして移民100年行事として最も相応しいプロジェクトに限定、運用益を含む余剰金の全額を助成した後、発展的解消を全会一致で合意した。
この期間に延べ22プロジェクト、R$848,150が助成され、さらに移民100周年プロジェクトに14件、R$1,797,276、合計R$2,645,426が助成された。アルモニア学園の校舎増築プロジェクトもその1つとして2008年6月、同基金からR$211,000を助成した。
同基金は主要5団体の全会一致の決議により2009年10月をもって発展的に解消、法定清算人は平田事務局長が向こう5年間、最低給料5年分相当分の費用を節約するために無報酬で担当する事に決まった。
法定清算人は助成金が有効に活用されたかどうか、助成実行プロジェクトの進捗状況チェックの任務も負っているため、今回のアルモニア学園の竣工式参加の機会に助成対象プロジェクトが確実に実行された事を現場で確認した。
同協会の解消についてはサンパウロの第8管区法人登記所に登記(マイクロフィルム18035)されてある。「100年の計は人を植えよ」の格言がある。3年後の2015年には日伯修好条約締結120周年を迎えるが、さらに200周年の未来に向けて何を残すのか日系社会のビジョンが問われている。