自動車メーカーの新規工場進出が、業界を2分する問題に発展している。国内で輸入専業の自動車メーカーを代表してきたAbeivaが、チェリー(奇瑞汽車)とJACモーターズ(江准汽車)、ランドローバーなど、ブラジル国内で生産に移行する自動車メーカーの加盟を認めるための定款改正を発表したためだ。
ブラジル自動車輸入業者協会(Abeiva)が28日、定款改正を正式に承認した。この改正により、輸入自動車メーカーを代表した同協会は国内で自動車を製造する自動車メーカーの加入が可能になり、これまで国内に生産設備を保有する自動車メーカーを代表した唯一の組織、全国自動車工業会(Anfavea)と並ぶ組織が誕生したことになる。
定款の改正によりAbeivaは、1月12日付け紙面でエスタード紙が報じたように、ブラジル自動車輸入製造業者協会(Abeifa)となる。国内に工場を建設中の3社(チェリーとJACモーターズ、ランドローバー)は既に、この新団体への加盟を発表している。
同じ国国内に工場を建設するアウディとBMWは、既にAbeiva加盟企業であるが、所属団体をAnfaveaに変更するかどうかについては現時点で未定である。フォトン(福田汽車)とシャクマン、シノトラック(中国重汽)のトラックメーカーも、所属団体をどちらにするかの判断を、これから下す。
「複数の企業が既に国内生産の準備に入っており、自然な流れとして、輸入専業の自動車メーカーに限定しない方向で定款を改正することになったが、同様に、現時点では輸入しつつ将来的に国内で自動車を生産する企業も当協会が保護する」と、Abeiva会長でジャガー・ランドローバー社長のフラヴィオ・パドヴァン氏は言う。
パドヴァン会長は、「他の団体と対立するという意図は全くない」と断言する。同会長によると、「弊会の会員に対して引き続き同じ協会への加盟が継続できるという選択肢を提供するに過ぎない」と言う。他方、Anfaveaはこの問題に関して、ノーコメントを貫いている。
業界のステータス。Abeiva執行部は定款改正の理由として公式にコメントしていないが、関係者の多くが指摘するのは、Anfaveaに加盟するという「ステータス」に対して200万レアルという加盟料を支払うことへの不満がある。Abeivaの場合、加盟料は7万5,000レアルで、Abeifa設立後もこの金額を継続するかどうかについては判断を下していない。
だが、Anfaveaが請求するこの金額は、新規参入企業にとっては極めて高額と受け止められている。もう1つの不満の種は、Anfaveaの意思決定が大手5大メーカーであるフォルクスワーゲンとフィアット、ゼネラルモーターズ、フォード、それにメルセデス・ベンツの意向を汲むことに同協会の運営が集中しているというものである。
これら5社の役員が過去30年以上にわたって持ち回りのように同協会のトップに立っており、加盟メーカーの間にすら不満の声がある。
バイーア州に工場を建設する一方でAbeifaへの加盟を明らかにしたJACモーターズのセルジオ・ハビブ社長は、「コバンザメよりもイワシの頭(鶏口牛後)の方が良い」と断言する。
Anfaveaの加盟企業関係者によると、サンパウロとブラジリアの不動産を含め、過去50年にわたって蓄積してきた財産を考慮すると、この加盟料は適正だ、と話す。同協会はブラジリア(連邦政府機関)にフリーパスであり、業界の要望は、税制優遇政策のように聞き入れられるのが通例だ。
この加盟料の外にAnfaveaは、業界団体において一般的な習慣でもあるが、毎月の売上の一定比率の納付を求める。他方、Abeivaは一定の月額料金の課徴はなく、加盟企業に対して毎月の支出を分割して負担を求める。
通常であれば(ルノーや三菱自動車のように)Anfaveaへ加盟団体を変更してきた企業が居残ることで、同協会は今後も業界を代表する団体であり続ける。もしチェリーとJAC、ランドローバーが脱退すれば、同協会はフェラーリとポルシェなど、ニッチブランドだけを代表する団体になってしまう。この場合の唯一の例外は、今のところ現地生産に移行する判断を下していない独立系輸入メーカーの大手、起亜である。(2014年1月29日付けエスタード紙、ベアトリス・ブラ記者、クレイデ・シルバ記者)








