【ジルマ大統領がブリュッセルでZFMとイノヴァル・アウトに疑問符を付けたEUを批判】

【二国間関係】首脳会議で、ジルマ大統領は、欧州連合が2月ブラジル政府がマナウス・フリーゾーンと乗用車の現地生産に対して実施している振興策を世界貿易機関に対して提訴したことに「違和感を感じる」とコメントした。

ジルマ・ロウセフ大統領は、2月24日、ブラジル政府の工業政策を世界貿易機関(WTO)に対して提訴した欧州連合(EU)の工業政策を公然と批判した。ブリュッセルで開催されたブラジル・EU首脳会談で欧州委員会のジョゼー・マヌエル・ドゥラン・バローゾ委員長と欧州理事会のヘルマン・ファン・ロンパウ議長が同席する中で大統領が批判したもので、会談後の記者会見でも大統領は再び批判を展開した。ブラジルとEUは、マナウス・フリーゾーン(ZFM)と自動車業界向けの技術開発投資振興計画イノヴァル・アウトに対する税制優遇措置に関して見解を大きく異にしている。

ジルマ大統領は、EUの主張が経済の自由化と環境保護で両立しないと思われる部分を突いた。ベルギーの首都でブラジルとヨーロッパの財界関係者と会談した後、ジルマ大統領は30分に及ぶインタビューで、「私は、激烈に意義を申し立てた」と切り出した。「環境保護への取り組みとフリーゾーンを提訴するという態度に矛盾を感じ、ブラジル政府が受け止めた絶対的な違和感について明確に見解を述べた」と言う。

「歴代の政府を通じてマナウス・フリーゾーンを導入してきた。その目的は何であろうか? それは、温室効果ガスの排出レベルが極めて低い電気電子製品の生産地帯を立ち上げ、この地域の民衆に将来の希望を持たせることだった」と発言した。

同日午前にも、大統領は、ブラジル・EU首脳会談の終了に当たって各国首脳の声明を発表する場で、バローゾ委員長とロンパウ議長も出席する中、同様に強烈に批判を展開していた。「ヨーロッパによるWTOへの提訴は、それが単なる申し立てであると理解していても、これらの計画がブラジル経済の持続的な成長に不可欠なことから、我々は違和感を感じている」と大統領は言及、さらに、自動車の国内生産に恩典を付与するイノヴァル・アウトについてもコメントした。

大統領は、「イノヴァル・アウトは我が国の技術開発にとって重要な計画であり、この計画にはヨーロッパの支配的立場にある企業が参加している」と、アウディとBMW、メルセデス・ベンツ、ランドローバーのヨーロッパの自動車メーカーに言及。その上で、「我が国は常に技術と革新の導入を支持すると表明してきたからには、これに反対する立場を正当化することはできない」とコメントした。

【フリーゾーン】同日午前には、ドゥラン・バローゾ委員長が、ジルマ大統領の批判に先立って、EUがZFMに反対するものではなく、特定の機能を持った手段であることを問題にしているとコメント。「EUは、何もZFMに反対するものではない」と断言した。「むしろ我々は、森林伐採が起こりえるという問題に対する補償という形で、この地域をプラスの意味で差別化することが必要であると、この点には完全に同意している」と話した。

だがジルマ・ロウセフ大統領が批判したことで、バローゾ委員長は再びこの問題についてコメントせざるを得なくなった。同委員長は改めて、「我々は地域的な目的を持った計画に理解を示している」と発言。さらに、「我々は原則的に異論はない。我々が異を唱えている部分は、その目的を達成するための手段である」と説明、ただしその手段の具体的内容には言及しなかった。

欧州側は2月、WTOに対して事前協議で乗用車分野と技術分野へのインセンティブとZFMに恩典を与える規定に関する事前協議を要請している。(2014年2月25日付けエスタード紙、アンドレイ・ネット記者)

新興国への対応の変化の背景には欧州の懸念

2014年に入ってからのブラジルと欧州連合(EU)の首脳会談のムードは、大西洋を挟んだ双方の景気の見通しが逆転したという点が、過去数年と大きく異なっている。過去数年にわたって、ジウマ・ロウセフ大統領の欧州訪問はヨーロッパの進める財政調整政策を批判する部隊になるという見方がなされてきた。だが、ヨーロッパが不況から脱し始めた現在、憂慮すべき状況は、むしろ新興国の置かれた経済状態のほうである。そこで今回、ジウマ大統領は何度も、公会計のバランスをとることが政府の最優先課題であると強調した。それだけでなく、2013年に年間を通じてドル高が進んだ理由についても、憂慮すべき問題ではないと火消しに努めた。同大統領はこれに関し、「為替変動と経済の脆弱さを混同してはならない」と主張した。(2014年2月25日付けエスタード紙)
 

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