フェルナンド・エンリッケ・カルドーゾ(FHC)大統領が実施した為替の大衆迎合主義と、ジウマ・ロウセフ大統領が進める料金の大衆迎合主義の間には相違もあるが、幾つかの共通点もある。いずれも、ピンポイントでターゲットを設定している。つまり、彼らの最終目標は再選だ。これが共通点。1998年にFHCは、為替切り下げという不可避の選択を、選挙後の問題へと押しやった。現在、ジウマは同じ対応を取っており、燃料価格と電気料金という値上げが不可避な問題を、2015年に先送りしている。FHCは再選された。ジウマにも再選のチャンスはあるが、勝利は確約されていない。
3月13日に発表した配電会社救済に関する120億レアルの包括政策で、ジウマ大統領は、選挙に勝つためにはあらゆるコストを厭わないことを明確にした。この賭けは、例えば、ブラジルの2大公社(ペトロブラスとエレトロブラス)の財政の悪化に現れており、違法な料金設定によってこれらの公社は支えきれないほどの損失を抱え、過去3年で時価総額は60%、70%も値下がりし、それでもなお、不足する現金預金を補うために更に多くの負債を抱えさせて多額の投資を実施するよう強いている。ペトロブラスは既に、大手石油会社の中で最大の負債を抱えているし、エレトロブラスは国外での資金調達が難しくなっている。料金の足かせによる2公社の財政的窒息は、ジウマ政権が発足して漸進的に悪化してきたものだが、再選に向けて支持率の低下を回避するため、状況が改善するのは選挙後になる。
配電業界に対する今回の(干ばつに伴う損失を補填する)120億レアルの支援の内、40億レアルは連邦政府が負担、80億レアルは消費者が負担するが、それに加えて、電気料金の引き上げという形で負担するのが選挙後なのだ。それも附帯条件がある。この補償を2015年まで待たなければならない場合、配電会社は破産し、電力供給がストップする。とは言え、そこは問題がないのだと、ギド・マンテガ財務大臣が発表している。つまり、電力取引会議所(CCEE)に対して80億レアルを融資し、更にこの資金を企業に転貸することが「承認される」のだ。こうしたアレンジメントは、予算で計上されていない、それだけに国内総生産(GDP)の1.9%と設定されたプライマリー収支黒字の目標達成に脅威となる特別支出を、緩和するのが狙いだ(ヴァリグ航空への補償も同様の問題)。
そして、連邦政府にとって支出の削減であるものが、電力業界の消費者にとっても同じく懐に優しいとは言えないのだ。2015年に電気料金が値上げされれば、消費者は、本来の80億レアルに加えて、ブラジルでは融資額に対して年間30%は下らないという金利を支払う羽目になる。一連の包括政策の発表が、スタンダード・アンド・プアーズ関係者のブラジリア訪問日と重なったのは、単なる偶然の一致ではなく意図的なものだった。ジウマ大統領は、同社がブラジルの信用を格下げしそうなことが、政敵から選挙キャンペーンで大統領に対する批判材料になることを恐れている。
だが、電気料金と燃料の値上げを先送りすることは、連邦政府にとって、選挙が実施される年のインフレを更に炎上させないためにも重要なことなのだ。だがこれは、事実ではない。インフレの上昇は小さいにしても、インフレは3月13日に発表されたように増税に繋がり、これらの料金の暴力的な上昇に伴う影響を緩和するため、2015年には中銀がブラジル経済基本金利(Selic)の利上げを余儀なくされる。更に悲惨なのは、あらゆるブラジル人が負担を強いられる、2015年の調整後の手痛い料金だろう。長期にわたって凍結された料金の調整は、爆発的なものになるのは確実だ。新しい為政者(ジウマ自身の可能性もあるが)がペトロブラスとエレトロブラスを衰退の道から助けなければ、この2社は力尽きるだろう。
エコノミストのミルトン・フリードマンが言うように、経済には無料でできる昼食というものは存在しない。本当に存在しないのであり、その勘定が届けられる場合には、遅れるほどに高くなるのだ。為替の大衆迎合主義に対する対価として、FHCは、レアルの大幅な切り下げとインフレに対する悪影響、企業の対外債務の増大、外貨準備高の減少、そして、1999年にGDPがわずか0.3%に止まる犠牲を払った。ジウマの料金の大衆迎合主義は、我が国にとってこれ以上の出血を強いる可能性があり、燃料価格と電気料金への値上げというだけに止まらず、インフレを危険な水準まで引き上げ、景気の収縮を引き起こし、失業と社会的危機をもたらすだけの破壊力がある。ただし、それが爆発するのは選挙後だが……。(2014年3月16日付けエスタード紙)
スエリー・カルダス:ジャーナリスト、リオデジャネイロ・カトリック大学(PUC-RIO)教授。








