論評【ノーをイエスに変えるには】セルソ・ミンギ

BRICS諸国が共通の目的をもってはいるとは言え、NDBとCRAは、空虚の代名詞になる可能性がある。

初期の問題は克服できたようで、結果としてBRICS諸国(ブラジルとロシア、インド、中国、南アフリカ)の首脳たちは、7月15日にフォルタレーザ市で2つの国際機関を立ち上げたが、これらの国々が共通の目的を持って立ち上げたのだが、空虚の代名詞になり下がりかねない。

これは重要な一歩であるが、小さな飛躍である。こうして新開発銀行(NDB)と分担準備金協定(CRA:一時的に対外的な支払いに困難を来した国を救済する準備金のファンド)が設立されたからには、これらが開発銀行と準備金ファンドとして、それぞれがどのように運営されるかという規定について、私たちは理解しなければならない。

現時点で、BRICSのメンバー5か国のうち、南アフリカだけがこの制度を有効に利用できる。ブラジルを含めた他の4か国は、NDBとCRAが提供出来る以上のソースと国外資金へのアクセスがある。

15日付のコラムで私が既に指摘したように、ブラジルの社会経済開発銀行(BNDES)だけを見ても、その規模はNDBの7倍も大きいのだ。中国とロシア、ブラジル、インドの4か国はいずれも、新しいファンドが確保する融資限度額以上に十分な外貨準備高を保有している。

こうした事実は、BRICS諸国以上にメンバー以外の国々に対するインフラと政策を支援する目的から、これらの機関が設立されたことを示唆する。世界銀行と国際通貨基金(IMF)に対する痛烈な批判を背景に、この状況を大きく転換しようとこれらの機関が誕生した。だが、もう一度聞きたい。どのような基準で?

仮に、世界銀行とIMFのテクニカル・パラメーターに基づいて活動するのなら、規模を違えただけの同じ穴のムジナだ。もし債務の償還を支援するための融資あるいはブリッジ・ローンの実施基準が政治的判断に基づくのなら、BRICSの5か国をまとめつづける接着剤を探し出すのは難しい。

例えば、クリミアあるいはシリア、更にベネズエラがCRAに支援を要請した場合を想像して欲しい(アルゼンチンは既にCRAを当てにする素振りを見せている)。そこで、このファンドの理事会では、要請に対応するか否か、どのように受け止めるだろうか? 地政学的問題はこの5か国で共有できているだろうか? 恐らく、それはないだろう。BRICSを構成する5か国の内3か国(ロシアとインド、中国)は核保有国であり、現状では互いに協調するよりは利害が対立することが多い。これ以外に目を転じても、状況は刻々と変化し、キュー・サインは流れている。ロシアあるいはインド、中国における政権の移行は(もちろんブラジルは言うまでもなく)、政治判断の方向性を変化させる可能性があり、現時点における共通の利害が次の瞬間には完全に変調している可能性もある。

目下のところ、BRICSの5か国は共同宣言に盛り込まれた次の部分を共通の関心事として結束しているように思われる。すなわち、「世界銀行とIMFに対する改革提案の承認が進まない」ということである。しかし何より難しいのは、こうしてIMFに対してノーを突きつけながら、BRICSは今回のものをどうイエスと変えていくか、だ。アメリカ議会がブレトン・ウッズ協定で生まれたこの世界銀行とFMIの近代化を認めることは、十分にあり得ることだ。このような場合、代替機関は全く同じ論法で報復されるのではなかろうか?

この駆け引きがどのように始まったのかはわかっている。分からないのは、どういう方向に進むのかだ。(2014年7月16日付けエスタード紙)

https://camaradojapao.org.br/jp/?p=39615