すべての国民の生活に影響する「制度的と呼べない」税体系がこの国に蔓延、とアルミーニオ元中銀総裁が指摘

大統領選に立候補したアエーシオ・ネーヴェス候補を補佐する元中銀総裁は、税制を簡略化し投資への減税を進める必要があると指摘した。

フェルナンド・エンリッケ・カルドーゾ(FHC)大統領の下で中銀総裁を務めたエコノミストのアルミーニオ・フラガ氏が、ブラジル民主社会党(PSDB)から大統領選に立候補したアエーシオ・ネーヴェス候補の経済審議チームを率いており、ブラジル経済の成長の足かせをほどく切り札が税制改革になると訴える。

アエーシオ候補を含め、エコノミストのチームと日常的に対話を続けているアルミーニオ氏は、アエーシオ政権誕生の暁に推進する税制改革ついて、新たな提案の策定を進めている。

例えば現時点で州税である商品サービス流通税(ICMS)には27種類もの地域規定があるように、複雑な税制の簡略化と、輸出と投資に対する間接税の廃止、さらに、工業政策の再評価を、経済審議チームは大きな柱に据えている。

「税クレジットの積み上がりは、解決すべき重要な課題だ。同様に、新しい補償制度の導入も必要だ。なぜならブラジルは現在、物理的な補償制度を利用しているのであり、これを経済的に補償するモデルへと切り替える必要があるからだ。つまりそれは、多くの国々で採用されているような付加価値税(IVA:消費税)の収税モデルへと収斂させていくということだ」と、アルミーニオ氏は話す。さらに、「これが税制を簡略化し、税クレジットの問題解決にも役立つだろう」とコメントした。

言い換えると、州境をまたいで取引される商品に対して課徴されるICMSの価額を巡る州政府間の税制戦争に終止符を打つ対策を経済審議チームは検討している。ICMSに対する意見の相違によって、現在、金額に対して不満を持つ州政府によって制度が機能せず多額の税金が課徴されない状況を生み出している。

アルミーニオ氏は、「我が国で採用される間接税制には、ICMSの外に工業製品税(IPI)、社会統合計画分担金(PIS)/社会保障分担金(Cofins)がある。極度に複雑で、州ごとに独自の規定がある」と話す。PSDBが政権の座に就いた場合には財務大臣に就任する可能性の高い同氏はさらに、「これらは、1つとして同じではなく、細部に相違がある。州間取引の問題は、いつも問題になり、議論が繰り返されている」と指摘した。

具体的な政策をまとめるには程遠い状況ながらも、エコノミストによる経済審議チームは、税制改革が州の収税に短期的に与える影響を回避するために経済的に補償するモデルを州政府に対して提案可能かどうかについて、議論している。そして州政府の損失回避のため、数年に及ぶ移行期間を設ける。

経済審議チームの間では、地方自治体の財政支援のための連邦基金の設立といったアイデアについても議論されている。ただし、この問題については今後もより広範囲に議論する必要がある。現時点で見解が一致しているのは、これらの議論で出された様々な意見を調整する必要がある、という点だけである。

工業政策。ジルマ・ロウセフ大統領はこのほど、財界関係者に対する講演の中で、自身の政権で特筆すべき変化について、「強い偏見を克服した」工業政策を進めたことだとコメントした。アルミーニオ氏はこれについて、次のような見方をする。「我が国の税率には大きな差があり、時にはそれを妥当なものと説明できるが、常にそうとは限らない。この為、緩やかに、この点も見直していくべきだ。そしてこの問題は、もう1つの別の重要なテーマ、つまり工業政策に関係している。現在のような保護と減税、助成といった世界は、「ビッグバン」にふさわしくないと話す。「別の取り組みとして我々は、何を引き継ぎ、何を実施するのかについて、評価を進めている」。

同氏は、判断の根拠を次のように説明する。「状況は深刻で、景気が減速しており、リスクが拡大している。我々は、現時点では発生していないがその可能性が否定できない国外の脅威にもさらされている。そうであるなら、状況は極めて複雑だ。私は、こうした保護が対策が漸進的に進められること、これと並行して、政府がそこに至るまでにやるべき様々な努力を払うことを、支持しているのだ」。

現在の慣行を修正しようとする取り組みへに大きな抵抗を示す人に対してアルミーニオ氏は、次のような考えを示す。つまり、「現状は、(エコノミストの)ジョゼー・ロベルト・アフォンソ氏が言うように税体系は『制度的と呼べない』ものだ」ということ。「『制度的と呼べない』ことで、これがあらゆる国民の生活を乱していることは驚くに値しない。これ(改革)は、我々の理解するところでは、ゼロサムゲームではない。これはウィン=ウィンだ。推進すればさらに多くの価値を生み出すだろう。様々な要素を調整して何が実現可能かを判断する」。

さらに企業の不安払拭に関しても同氏は配慮し、次のようにコメントした。「どのように機能するのか、何が適切で何がうまくいかないのか、そして、この作業の中で発生する何らかの歪みを漸進的に修整していくための体制と評価手法は確保されている。この問題は、過去に多くの緊張を生み出し、対策が突発的に実施されるのではないかという懸念を生み出している」。

「時間を取られて大変な作業になるといった錯覚に陥ることなく、むしろ、努力し、より恒久的な方法で解決するだけの価値がある大きな目標と受け止めている」というのが同氏の評価だ。「企業は、これまで以上に不満を募らせている。仮にうまく調整できれば、私はこの問題が解決すると思う。仮に企業への支援がない場合、文字通り深刻な状況に陥る。なぜなら、企業は今日、こうしたあらゆる問題に苦しめられているからだ」。

議論している課題はもう1つある。それは、同氏によるとこちらの作業の方が進捗しているのだが、輸出と、ブラジルの競争力を高めるための投資への間接税の撤廃問題だ。「長期にわたって輸出業者を苦しめてきたのは本当に問題だし、それだけに私はこの問題に取り組むべきだと強く訴えているのであり、今こそこの問題をきっちりと解決する時なのだ」と、同氏は評価する。「ここではの問題は間接税であり、そのため、これらの企業は引き続き、所得税と労働者に関連してた各種の租税を支払い続けるのは明らかである」。(2014年8月10日付けエスタード紙)

 

 

https://camaradojapao.org.br/jp/?p=39752