カルロス・ムッシ
2000年から2008年にかけて、ラテンアメリカは継続的に成長したにもかかわらず、数世紀にわたってこの地域を特徴付けてきた課題を解決できずにいる。21世紀に入っても、これまでのところ、ラテンアメリカが発展する方向に向かうような大きな変革は到来していない。我々の暮らす地域は過去数世紀に及び直面してきた解決すべき課題を、依然として抱えている。つまり、伝統的なものであれ、コモディティーのサイクルに関連したものであれ、あるいは、最近のような外国資本のように、この課題というのは域外に対する脆弱性をどのように減らすのかということなのだ。そしてその方向とは、多様化と生産性、競争力を備えた生産構造にシフトするということに他ならない。この地域の財政と通貨を安定させるような制度と仕組みを作るということ。教育と保健、公安に対する基本的権利を保障するということ。持続的な形で、そして我々の発展に寄与する手法で天然資源を運用するということ。貧困を減らすために、そして何よりも、世界のあらゆる地域の中で最も不平等なラテンアメリカで様々な不平等を是正するために、雇用と適正な所得を確保することである。
今世紀を迎えるに当たって、我々は、ラテンアメリカが発展へと向かい国際社会の一員としての立場を新たにできるのだと期待を抱いていた。2000年から2008年にかけて、私たちのラテンアメリカ地域は、失われた10年と言われた1980年より以前に記録した成長水準で持続的に成長する軌道へと復帰したし、中でも貧困と所得格差が着実に減少した。そして2008年末に発生した国際金融危機では、金融崩壊の嵐に見舞われた先進国経済から来る最初の衝撃は、この地域が影響を吸収するためのメカニズムとリソースを確保していた段階で到来した。減税や、とりわけ所得移転計画を中心とした経常支出の拡大、公共投資の拡大など、多くで民間部門の協力を得ながら、域内各国が個別に対策を講じた。大部分の国では、コモディティー相場が一斉に回復したことに後押しされ、急速な回復という成果につながった。一方で、先進国は、自国の国際的に信用のある通貨の発行という特権を利用して、これらの国々の中銀トップが想像もしていなかった規模で金融緩和を実施した。
こうした流れがあった中で、ラテンアメリカは2011年以降、成長率が年ごとに低下している。2010年に6.2%を記録した後、2011年には4.3%、2012年と2013年にはそれぞれ2.7%と2.5%へと低下、2014年に至っては、1.1%と推算されている。同様に、この地域では種々のマクロ経済指標が次第に悪化していることが確認できる。経常収支赤字は2011年にGDPの1.4%だったが2014年にはGDPの2.3%まで上昇した。名目財政赤字は、2005年から2008年にかけて平均でGDPの3.7%だったが、2011年から2014年には平均で3.7%に拡大した。地域のインフレ率は、国際金融危機以前の4年間は平均6.4%だったものが過去4年では平均7.4%となり、2014年には平均9.4%に加速した。
ラリー・サマーズ教授など多くのアナリストたちが、ラテンアメリカのこうしたデータについて、長期の停滞傾向を示す世界経済の一端を示していると指摘する。先進国経済が発展する可能性を主眼にこれらの分析が行われたのだが、ラテンアメリカの側も、世界経済ではなく地域が抱える問題に取り組み生産構造を改革して社会格差の縮小に取り組むことで、新たな成長サイクルを模索できるはずだ。
今日、持続的開発の新たな方向性を確立する経済政策のオプションについて、広く議論されていると受け止めている。だが、ラテンアメリカは依然として、背負っている「孤独」に打ち勝つ必要がある。作家で2014年に逝去したガブリエル・ガルシア・マルケスが1982年12月にノーベル賞を受賞した際にスピーチしたように、我々の孤独というのは、「私たちが自分たちの人生を信じる」ためのリソースあるいは手段が不足しているということなのだ。軍事独裁による独裁主義と1982年9月にメキシコがデフォルトに陥ったことによる外債危機とで、この地域が政治的にも経済的にも岐路に立たされていた時代に、彼はこのスピーチを書いた。ガルシア・マルケスは当時、ラテンアメリカが自由意志のない小作人でいてはならないと警告し、我々の歴史は、住み処の3,000リーグ以内で画策された陰謀だけで紡がれているのではないと警告した。
1982年を境に、ラテンアメリカは大きく変貌したが、それでも我々は孤独を克服できるだろうか? 経済分野で我々は、政治向けに、より大きな信頼を獲得する必要がある。結局のところ、我々には、能力が安定的でカウンターシクリカルに振る舞う能力があることを証明している。だが、最近の成果を見ると、税収の増加から外貨準備高、為替相場、輸入品に対するアクセスへと至るコモディティーのサイクルの度合い、あるいは、公共政策を経済改革へと調整することに課題を抱えていることや、公社の自発性や市場の自立性が経済問題を解決するという幻想を抱いているなど、様々な国で生産構造の改革を完了していない。
この点でより大きな信頼性の確保に向けて、私たちの地域は、克服すべき孤独を様々な形で抱えている。第1に挙げられるのは、私たちが世界経済に参加するための、とりわけ輸出を多様化するための主軸となる生産チェーンの孤独である。もう1つの孤独は、ラテンアメリカ諸国間の生産を統合する、強力な成長要因になる構造を構築するという、私たちの地域が抱える問題だ。第3の孤独は、それぞれの国が抱えるもので、投資計画へとつなげていくための政府と民間部門の相互信頼関係の構築という問題である。
国連中南米カリブ経済委員会(ECLAC)は2010年から発表している主要なレポートの中で、総合的な発展を視野に入れた上で、社会的包含を推進する政策と持続的な政策によって、成長を模索できるような政策を導入することが、平等の3ステップだとの認識を示してきた。それぞれの国でこうした提案について議論することは、ガブリエル・ガルシア・マルケスが1995年にパナマのコンタドーラで開催されたカンファレンスにおける発言、つまり、ラテンアメリカが存在するゆえに、我々はそのことについて考えなければならないという意見を引き継ぎ実行して行く上で重要だ。
国連中南米カリブ経済委員会(ECLAC)ブラジル事務所のエコノミスト・理事。この意見は同委員会の公式見解を示すものではない。(エスタード紙2015年1月18日付け)








