ブラジル日本交流協会の第14期研修生最終報告会に出席

日本の若者を対象にブラジルでの研修事業を行っているブラジル日本交流協会(二宮正人会長)の第14期研修生最終報告会が7日、聖市リベルダーデ区の日系ルーテルサンパウロ教会で行われ、研修引き受け先となった日系企業の代表者ら31人が出席した。研修生らは昨年2月に来伯し、日系企業で1年間研修を行った。

 今年度研修生は、岸本和生(研修先=Yusenlogistics、所属=鹿屋体育大学体育学部卒)、石川達也(ニッケイ新聞、目白大学社会学部卒)、城間クリスチーナさゆり(アルモニア学園、桐朋学園芸術短期大学演劇科卒)、上田泰平(Honndalock、九州産業大学経営学科)、榎本創太(トヨタ自動織機、関西学院大学)、浜田美令奈(日立南米社、明治大学経済学部)の6人。

 研修生らは1年の活動を振り返るとともに、自らの成長を報告。中には、研修先への感謝を述べる際に感極まり、涙を流しながら報告を行う者もいた。

平田事務局長は昨年4月、13期生の帰国報告および14期生の到着歓迎会に参加、会議所の活動とその役割、 また日伯経済交流における研修生・インターンの重要性とその役割、又人材の交流無くして文化・経済交流なしと日伯間のビザフリー化について講演したことがある。14期生の成長ぶりを確かめるため前回の中間報告会(9月開催)に続いて今回も参加した。

「言葉が分からなくても気持ちが繋がる瞬間が沢山あった。ブラジル人の自己主張を自分の中に取り入れたい。日系人の日本語離れが進む中、反対に漫画やアニメがきっかけで日本語を学ぶブラジル人が増えている。研修を通じ自分の心も大きく変えてくれた。これからどんな人に出会うのが楽しみだ。出会った方々に感謝したい。」、「年間1000本の記事を書いた。日本では滅多に会えない要人や色々な人に会えた。特に日系社会について知ることが出来た。インタービューを通じて社会を良くしようという方々が多く、困っている人がいたら助けて挙げたい気持ちになった。帰国したら在日ブラジル人が抱えるコミュニケーションの問題を解決してあげたい。」等々、感受性と洞察力のある発表がある一方、「サッカー指導者になる夢を抱いていたが、サッカー1本では生活ができないという現実の厳しさを悟り、それでも日本で就活しブラジルで働きたい」と自問自答、葛藤する興味深い報告もあった。

経営者になりたいとする研修生の要望に沿い、人事・総務、全製造工程、品管、設備管理、生産管理、営業、購買、経理について実習をフォローした企業、実習先の従業員70人に直接インタービューを行い、名簿の作成を通じ日本とブラジルの文化の違いが明らかに出来たとの事例報告や、「政治、経済、社会、技術 x 時間軸の現象」で捉える「きざしプロジェクト」に参加、ブラジルの現状を客観的に分析(ゼロ成長、PT政権の続投、汚職、水不足)、しかし新中間層の底上げや国民の教育機会が増えれば、ダイナミズムがあり柔軟なアプローチが可能と結論、ブラジルはビジネスチャンスに恵まれ将来展望は明るいとする模範解答の報告もあった。

平田事務局長は若い研修生に己の人生を重ね合わせ、研修生の成長ぶりを称賛、乾杯の音頭を執った後にシュハスコ親睦会に参加した。

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