ブラジル農務省大臣による講演会に出席

 ブラジル農務省のカティア・アブレウ大臣による日本企業向けの「今後のブラジル農業政策、農業インフラ開発の重点について」と題する講演会が6月16日にブラジル農務省サンパウロ州支部にて開催された。アブレウ大臣の講演会には、梅田邦夫在ブラジル日本国大使、中前隆博在サンパウロ日本国総領事、ブラジル日本商工会議所村田俊典会頭、平田藤義事務局長をはじめ、食品関連、農業関連、総合商社や金融機関等31社50名が参加して行なわれた。
 トカンチンス出身のアブレウ大臣は、JICA支援などの長年に渡る日本のブラジル農業への協力事業に親しみを持ちながら育ってきており、何とかそのお返しをしたいと語った。また、今後の農業政策、農業インフラ事業に関し、日伯両国が一緒に出来ることがあるとし、このような場を設け、日本企業の参集が可能となったことへの感謝を述べた。アブレウ大臣は、近々実施されるジルマ大統領のアメリカ訪問に同行した後、帰国せずに直接日本を訪問予定、農業分野における更なる日伯協力が必要だと話した。
 梅田大使は、多くの企業の参加に感謝を述べ、アブレウ大臣のMATOPIBA地区のセラード農業開発の解説や日本のビジネスとどのように関連していけるか、大臣から直接お話を伺える良い機会になると語った。
 アブレウ大臣は、ブラジル農業のマクロ統計は解説するまではないと思うが喜ばしいデータもあり是非説明させてほしいと前置きした後で、ブラジル農産業は、GDPの22.5%、輸出の43%、ここ10数年輸出入のプラスバランスを保っていると説明した。また、砂糖、コーヒー、オレンジジュース等、世界生産・輸出が一位である農産物が多く存在し、農産業の発展は土地の開拓によるものではなく、生産性の向上や技術革新によるものであると述べた。また、今後の計画として、MATOPIBA地区のセラード開発、森林業や酪農業の輸出計画に力を注いでいるとしてその計画の詳細を説明した。ブラジル農産物は生産効率や技術力が高く国際競争力がある一方でロジスティクスコストが競争力を下げている一つの原因であり、政府が農業インフラ投資に力を入れていると強調した。農業インフラ開発は、ブラジルの農業の競争力を高めるのみならず、その裾野産業への開発にも貢献が出来るとして、道路、鉄道、港湾、空港のコンセッションを紹介、大きな3つの鉄道計画、Norte-Sul鉄道、Lucas do Rio Verde-Miritituba鉄道、中国が興味を示しているBioceania鉄道等の説明が行なわれた。
 最後の質疑応答では、商工会議所で取り組んでいるブラジル政府との政策対話や昼食会での講演依頼、そして、環境問題の法令、牛肉の輸出入規制、外国金融機関の参入、肥料産業の中小企業支援に関する質問が交わされた。

 

 

 

 

 

Fotos: Antenor Ferreira

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