Q: Current business climate for Japanese investment in Brazil
A:最近マクロ経済指標の全てが非常に悪くなっている。中でも対GDP比のプライマリー収支の目標が当所の1.1%から0.15%に下方修正された事が大きく響き、国際信用を失った。ブラジル経済の先行き懸念からソブリン格付けはMoody,sが格下げ、Fitch 、S&Pは見通しを「ネガティブ」に変更された。ブラジルにおける投資環境は内国企業や多国籍企業を問わず全体的に悪いのは事実である。2008年9月のリーマンショックの景気回復は2010年にV字型回復を果たしたが、今回の景況感は外的要因、特に中国経済の鈍化に加え国内政治の混乱によりかなり長期に及びそうな不景気感が漂っている。
新興国のブラジルは、過去にもこのような振幅の大きい波の繰り返しがあった。グレゴリー・マンキュウ教授(アメリカの経済学者)の過去100年間のGDP伸び率世界ランキング調査によれば日本が年率平均2.81%成長、第1位であった事に対し、意外にも2.46%も成長した世界第2位のブラジルを誰もあまり知らない。
ブラジルにはペトロブラスのスキャンダルに代表される大きな問題も数多いが、ブラジルの潜在ポテンシャルはそれ等の問題よりも遥かに大きい。景気の一循環サイクルと見做し中長期的には何も悲観視する事は全くない。時計の振子は必ず元に戻る。見方によっては投資拡大のチャンスでもある。
Q: Which industries are performing well and which ones are facing challenges for Japanese companies
A:自動車の今年度の年間販売台数のANFAVEA(ブラジル自動車工業会)予想は286万台と前年比約20%減である。 3年連続で前年を下回り2012年のピーク時380万台に比べれば95万台減と大幅の落ち込みだ。このような厳しい中でも日系メーカー3社(トヨタ、ホンダ、日産)は健闘し着実にシェアーを伸ばしている。2013~14年の3社シェアー計11%から今年上期のシェアーは約15%である。ブラジルのビッグ4(Fia、ワーゲン、GM、フォード)の落ち込み分をそのまま日系メーカーが獲得している格好だ。
リーマンショック後の2009年でも+4.7%成長、2010年以降13年まで4年間連続二桁成長を続けた保険市場は14年に前年比一桁台の+7%成長に終わっていた。今年1~5月も前年同期比に比べ+3.6%成長している。米国、日本や英国の先進諸国の市場規模に比べ圧倒的に小さく日本に比べ未だ6分の1(US$85Bi)の規模で保険普及率も日本や英国の11%レベルに及ばず僅か3分の1に過ぎない。人口2億人を擁し今後も増え続ける。中長期的には拡大が見込まれる有望な市場だ。このほかに23年ぶりに前年割れになった化粧品市場(世界第3位)も極めて有望である。ブラジル人の女性はプライドが高くハイパーインフレの時代であってもお化粧を欠かした事が無い。
Q: New areas of opportunity and collaboration between Japanese and Brazilian companies
A:医療機器、がん検診普及プロジェクト、アルミ産業政策、知財分野、農業分野、物流インフラ分野、エネルギー分野、スマートシティ/スマートグリッドなど協力できる分野は数えきれないほど多い。
Q: New joint ventures between Japan and Brazil
A:12時間の時差を上手に利用するコールセンターやソフト開発関連事業および語学関連の教育事業は面白いと思われる。
Q: Projects underway between Japan and Brazil
A:昨年の安倍総理の来伯で共同声明に盛り込まれた協力案件は多岐に及ぶ。ペトロブラス関連の造船や洋上ロジスティックハブシステムなどの案件はLava Jatoに絡むペトロブラスのスキャンダルで部分的に中断、縮小を余儀なくされている。しかしサンパウロのメトロなどを含むインフラプロジェクトに関心を示し既に事業主体に参画した企業もある。
Q: Event planned for 120th Anniversary
A: 会議所としてJICAが進める象徴的かつ歴史的な日伯合弁プロジェクの成功事例を広く一般国民に認識頂くための巡回展覧会、イブラプエーラ公園内にある日本館改修工事の支援また来る9月12日に開催される外交関係樹立120周年花火祭りがあり、これ等の特別事業に掛る大部分の費用、約2百万レイアイス(約7千万円)を当所の会員企業がCSRの一環として支援を行っている。
また9月2日に在伯日本大使館、ブラジル外務省、CNI(ブラジル工業連合会)が後援、当会議所、日経、FIESP(サンパウロ工業連盟)が主催する日伯経済セミナーがあり、さらに11月末に日伯医療セミナーを計画している。
(尚、インタビュー内容の詳細は今年11月にWorld Eye Reports Brazil特集記事として発刊される予定。)
インタビューアー Mr.Joshua Tan-Project Coordinator

左からインタビューするMr.Joshua Tan-Project Coordinator/日下野成次総務担当/平田藤義事務局長








