平成27年度官民合同会議に35人近くが参加して開催

平成27年度官民合同会議は、2014年12月10日午前9時から正午過ぎまでトランスアメリカンホテルに35人近くが参加して開催、進行役は小林和昭 参事官が務め、初めに梅田邦夫 大使はエドアルド・クーニャ下院議長の進退問題、ジウマ・ロウセフ大統領への弾劾請求受理、昨年の大統領選の選挙無効訴訟の行方、ラヴァ・ジャット操作の進展、司法取引の開始など混乱をきたしている政治問題、低迷する経済情勢や財政健全化策、インフレ高騰、ドル高の為替、国債の格下げリスク、アルゼンチンのマクリ新大統領選出、野党勝利のヴェネズエラ総選挙などの対外関係などについて説明した。

在クリチーバ総領事館の池田敏雄総領事は、パラナ州の特徴としてブラジルで有数な生産量を誇る大豆生産は2位、トウモロコシ2位。小麦2位、養鶏1位、フェジョン豆1位、今年3月に梅田大使の同州訪問時に日本企業ミッションと会合、8月に井戸兵庫県知事並びに同県11企業との会合、10月の商工会議所の懇親昼食会でのリッシャ州知事の講演、パラナ開発庁が日本のメガバンクとタイアップした日本進出企業向け情報提供提携、管内のサンタ・カタリーナ州は養豚1位、養鶏3位、リンゴ1位、同州産豚肉の対日輸出解禁、9月にコロンボ州知事が商工会議所の懇親昼食会で講演、10月30日には秋篠宮同妃両殿下の歓迎式典開催などを説明した。

サンパウロ総領事館の中前隆博総領事は、120周年関連行事、秋篠宮同妃両殿下のサンパウロと南マット・グロッソ州ご訪問、6月に着任以降に数多くの地方日系移住地訪問、官民連携による草の根・人間の安全保障無償資金協力、安倍総理の訪伯フォローアップによる日系病院への支援、技能五輪国際大会のサンパウロ大会、参加国・選手団、競技職種、成績、オールジャパンの対外発信拠点のジャパンハウスの進捗状況などについて説明した。

在リオデジャネイロ総領事館の山元 毅 総領事は、リオ州の政治面での影響力、ブラジル経済に占める重み、リオ並びにミナス州、エスピリット・サント州の管内3州の日本企業の活動状況、ペトロブラス汚職事件のスキーム、概要、経緯、事件による影響、サマルコ社の堤防決壊事故の影響や政府の対応、進出日本企業支援の主な取組、ブラジル政府に対する働きかけ、同州における治安状況推移や犯罪発生率の比較、交番システム普及プロジェクトを通した日本政府の支援、日本とリオ州のオリンピック・パラリンピックへの協力関係などについて説明した。

山崎在マナウス総領事は、アマゾナス州の政治、マナウスフリーゾーン(ZFM)を抱えるマナウス市のポテンシャルやGDP、マナウスフリーゾーンのレベッカ・ガルシア新長官の手腕、日本企業のZFMへの進出企業40社以上で2万人の雇用、9.3億ドルに達する直接投資、ZFMの平均雇用数の推移、輸出入額の推移、マナウス総領事館の企業支援活動、マナウス市の治安概況、犯罪統計、120周年関連行事などについて説明した。

在ベレン領事事務所の小林雅彦 所長は、在ベレン領事事務所管轄はパラー州並びにマラニョン州、アマパ州、ピアウイ州、特にパラー州は露天掘りで有名なカラジャス鉱山の鉄鉱石をはじめ豊富な鉱物資源、大型水力発電所の稼働、建設中のベロ・モンテ水力発電所、ヴィラ・デ・コンデ港湾、サンタレン港湾ではカーギルが穀物ターミナルを建設中、中西部地域の農産物輸出はマラニョン州イタキ港や北部の港湾からの輸出が期待されており、アグロフォーレストではアサイ、カカオ、クプアスーを栽培、観光ではマラジョー島やサンタレンの開発が期待されていると説明した。

在ポルトアレグレ領事事務所の後藤猛事務所長は、南大河州には1824年にドイツ移民が入植して農業を開始、政治的にはブラジル民主運動党、進歩党、民主労働党が有力政党、昨年の選挙ではジョゼ・サルトリ候補が決戦棟梁で現職を破って当選、南大河州の人口は1,100万人、南大河州政府投資促進・開発局が精力的に活動して外資を誘致、クラシキ並びにフジクラ、日本たばこ、大塚化学が生産工場を擁しており、三菱など5社が造船所に資本参加、三菱電機はエレベータ生産、ホンダは風力発電所を建設していることなどを説明、在レシーフェ領事事務所の三井領事はペルナンブーコ州の人口、気候、在留邦人数、政治、経済、治安、日本進出企業は5社、日系社会の同州への貢献として日本祭りの開催、文化や教育関連活動などについて説明した。

ジャイカブラジル事務所の那須所長は、ブラジルにおける実施中の主要なプロジェクトとして技術協力プロジェクト「統合自然災害リスク管理国家 戦略強化プロジェクト」並びに技術協力プロジェクト「E-wasteリバースロ ジスティック改善プロジェクト」、技術協力プロジェクト「造船業及びオフショア開発人材育成プロジェクト」、技術協力プロジェクト「地域警察活動普及プロジェクト、円借款「ベレン都市圏観戦バスシステム事業」、日本のモデルとする「KOBAN」について説明した。

国際協力銀行(JBIC)の安井豊首席駐在員は、JBICの4つのミッション、ブラジル連邦政府との提携、50年以上に亘るBNDES銀行とのタイアップ、日本進出企業による穀物インフラ事業や食品メーカー買収支援、主要資源会社との強固な関係、プレソルト対応FPSO傭船事業に対するプロジェクトファイナンス、ブラジル国立経済社会開発銀行との間で再生可能エネルギー事業支援業務協力のためのクレジット契約の締結について説明した。

ジェトロサンパウロ事務所の大久保所長は、過去2年間のジェトロサンパウロ事務所の主な取り組みとして、安倍首相来伯時に、日本の医療機器の販路開拓を念頭に入れた医療規制セミナー並びに財界人を招いたビジネスフォーラム開催を通じた日本企業の支援、農林水産・食品・外食産業や自動車関連の中堅・中小企業の海外展開支援、商工会議所を連携したパラー州ミッション、パラグアイセミナー、120周年記念セミナー、東京での自動車セミナー開催などについて説明した。

ブラジル日本商工会議所の村田俊典会頭は、会議所活動の報告と今後の課題として、120周年記念事業として「花火祭り」に101社が協賛して200万レアルを超える支援に対してお礼を述べ、また9月に日伯経済セミナー、11月末の医療セミナーにそれぞれ300人が参加して素晴らしい内容のセミナーに対して平田事務局長や事務局員の尽力にお礼を述べた。

2015年の会議所独自活動として、梅田大使の各州への公式訪問随行、新規地場企業との懇親会、ビデオコンファレンス開始、環境委員会植樹ボランティア、運輸サービス部会によるリオ会議所との交流会、相互啓発委員会のパラー州視察、異業種交流委員会の歌手やエコノミストの講演会、2015年政策対話委員会のAGIR活動報告やMDICとの政策対話スタート、今後の課題と展望として進出日系企業と地場企業のコミュニケーション強化やブラジル国内の日系会議所への情報コンテンツの提供などについて説明した。

アマゾナス日系商工会議所の牛田肇会頭は、マナウスフリーゾーン工業部門の日本進出企業の状況、日系企業の貢献度、マナウスフリーゾーンにおける日本の投資、マナウスフリーゾーンの次の50年への課題などを説明、南伯日本商工会議所の和田専務理事は南伯日本商工会議所の歴史、進出企業数は9社、現地日系企業は18社、ホンダはスマレー工場向けの風力発電の建設、毎月会合を行って日本企業の見学会や日系進出企業や治安など多様な情報提供、また8月の日本祭りに参加することなどを説明、パラー日系商工会議所の山中副会頭はパラー州の面積、人口、気候、日系人は3万人、会員数は55社、パラー州の貿易統計、輸出品目、日本向け輸出産品、加盟企業リスト、トメアス法案などについて説明した。

パラナ日伯商工会議所の大城義明会頭は、全国の日系商工会議所との連携の重要性や必要性を強調、また毎年日本に企業ミッション団を派遣、日本から中小企業を誘致するために日本の地方都市訪問、日本の病院と提携して医師研修、ロンドリーナでのメディカルセンター建設の構想などについて簡単に説明、リオ商工会議所の小林直樹会頭は、現在の会員数は26社、ボランティア活用による運営、教育委員会、安全対策委員会、渉外企画委員会を擁し、会費の50%は日本語学校への支援、日系団体との関係は良好、課題として会員数の減少による財政の悪化、派遣教員の確保、文化の継承などを説明した。

サンパウロ市内レストランの昼食会で、メディカル分科会の藤田誠 分科会長と栗田秀一副 分科会長は、メディカル分科会発足の経緯や現在までの成果、2015年の分科会活動について説明、平田事務局長は昨年12月11日(木)に開催された平成26年度官民合同会議を回顧、当時の同会議の席上で問題提起した2つの案件が僅か半年後に実現の方向で大きく前進している事に対し前代未聞の歴史的な出来事としてお礼を述べた。

1つは昨年ビザ緩和の加速化をお願いしたことに関し、日本側では短期滞在数次査証が今年6月15日から発効した事。2つ目は利便性のある輸出加工経済特区(ZPE)に関する提言が国会に上程された件についてブラジル開発商工省(MDIC)から6月25日付けの公文書(※)が届いた事を報告した。

平田事務局長はさらに、「昨今、大統領の弾劾とか政治の乱れから国会が機能不全に陥り、未曾有の経済停滞を余儀なくされているが故に、今我々日本勢は官民が連携して、この国が本来あるべき姿になる為に何がお手伝い出来るのか温かい手を差し伸べるべきだ」と意見を表明した。

最後に中前隆博総領事は、ブラジルの政治経済は問題が山積みであるが、このプロセスは将来に役立ち、またチャンスでもあると指摘、ブラジルの戦略的な立 場の認識、引き続き日本企業・会議所との情報スキームネットワークの構築、情報発信の強化、また日系社会との更なる連携強化、2016年はリオオリンピッ クから4年後の東京オリンピックへの継続、二国間の対話強化、AGIR及びメディカル分科会の対話による進展、ジャパンハウスなどについて説明した。

(※)公文書:No.11/DECOS/SCS/MDIC詳しくはhttp://jp.camaradojapao.org.br/news/atividades-da-camara/?materia=14899をクリック

1.    ZPE(輸出加工区 Zona de Processamento de Exportação)のモデル構築に関し御所より頂いたご提案についてご報告させて頂きます。

2.    そのご尽力に御礼申し上げますとともに、法令11.508/2007号への大幅な変更を盛込んだLidice da Mata議員による法令案 5.957/2013として、既に下院議会で討議が進められていることをお知らせ致します。

3.    法令案として既に進行中の本件の重要性をアルマンド・モンテイロ・ネット( Armando Monteiro Neto)大臣も認識しており、本件に纏わる各提案への対応機関としてワーキンググループを設置致しました。

4.    御所から頂いた数々のご提案、例えば輸出加工区を遠隔地のみならず立地の優れた地区へ設置すること、また該当分野の専門業者も参入させていく可能性の模索 など、既に国会において法令案として審議されていることを改めてここにお知らせ致します。つきましては、輸出加工区の規定をより精査する本法令案の審議と その決議が国会にて執り行われおりますが、その協議に是非ご参画頂きたく御所を招聘させて頂きます。

https://camaradojapao.org.br/jp/?p=41371