特別記事【輸出拡大に向けて工業部門が政府に支援を要請】

CNIが5月20日、ジョゼー・セーラ外務大臣とマルコス・ペレイラ商工サービス大臣に貿易政策のためのアジェンダを提案する。

全国工業連合(CNI)は6月20日、ブラジル国内の不況緩和策のひとつとして、貿易を堅実に回復させる提案書を、ジョゼー・セーラ外務大臣とマルコス・ペレイラ商工サービス大臣に提出する。

2016年版産業国際行動計画と名付けられたこの文書には、南米以外の国々との貿易協定の模索やブラジル企業の国際化支援、投資の呼び込みなど、貿易政策につながるいくつかの対策が盛り込まれている。

CNIのカルロス・アビジャオディ産業開発理事は、「ブラジルの国内市場の規模が収縮する中、より強力な国際貿易政策を立ち上げる必要がある。それだけにとどまらず、我が国は、国内への投資の呼び込みにつながるような快適なビジネス環境を構築するため、努力する必要がある」と話す。

今回の行動計画では、交渉と協定締結を進めるべき重要国32か国をリストアップした。例えばCNIは、メルコスルと欧州連合が進めている自由貿易協定において、貿易分野と投資分野で、意欲的な内容で合意するのを支持している。同様にアメリカとの交渉日程を具体化することについても、アメリカにおける対応団体、合衆国商工会議所(USCC)と共同で提言している。この外にも、メルコスルにおける貿易計画と産業経済計画を再定義することや、多国間主義を通じた対応についても現状に即して見直すことを提言している。「他にも、我が国は環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)に加盟する必要がある」と、アビジャオディ理事は言う。

CNIが優先的に取り組むべきだと指摘する行動計画の中には、メキシコとの交渉における早期の合意も含まれる。其の上で、将来的に同国と自由貿易協定を締結する道筋を付けることが肝要だとしている。それは、かつてほど制約的な方向を指向せず市場開放に一歩踏み出したアルゼンチンと、新たな貿易交渉の推進することにおいても同様だという。

官僚主義からの脱却
セーラ外務大臣とペレイラ商工サービス大臣に提出するアジェンダでCNIは、輸出企業に対して官僚主義的な煩雑な手続きを撤廃することも提案。また中国と欧州連合(EU)、アメリカとの貿易障壁の特定に関する研究も添えた。
アジェンダでは、「こうした貿易障壁は、多くの場合、特定するのが難しいが、輸出とブラジルの投資に対して大きな影響を与えていると考えられ、しかも輸出事業に新たな企業が参入する意欲の減退につながる」と指摘した。
文書で示した提案の大部分は政府の対応が結果を左右する活動だが、CNIは、貿易事業を展開しようとする企業に対して、全国で提携している組織を通じて助言し、コンサルティングを行い、業務能力の獲得を支援することも可能だと提案している。

貿易収支の状況
貿易収支は、黒字を計上しているとはいえ、その多くはブラジル経済の強いリセッションを背景にした輸入の急激な落ち込みによるものだ。
2016年5月の場合、ブラジルの輸出は175億ドルに達し、輸入は111億ドルだった。年明け以降の累積貿易収支は、196億ドルという、この期間としては過去最高額を記録した。
最終的に、年間では450億ドルから500億ドルの黒字に達すると連邦政府は予想しており、実際にこの金額に達すれば年間の貿易収支黒字としても過去最高額になる。

対外政策
「ブラジルの国内市場の規模が収縮する中、より強力な国際貿易政策を立ち上げる必要がある」
「我が国は、国内への投資の呼び込みにつながるような快適なビジネス環境を構築するため、努力する必要がある」カルロス・アビジャオディCNI理事

WTOにかけたブラジル
ブラジル政府は今後、奪われた市場を挽回するという戦略の中で、アメリカとEU、中国、日本、インドといった巨大な市場向けの輸出の拡大に向け積極的に取り組む方針だ。過去数年、世界貿易機関(WTO)を通じた多国間貿易交渉の進展にブラジルは期待を抱いて注力してきたが、その間、多くの国々がこの枠組み以外の貿易協定を目指してきた。2015年の場合、例えばアメリカと日本、チリを含む12か国は、世界のGDPの40%が集結する環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の設立を発表した。(2016年6月19日付けエスタード紙)

 

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