論評【CLTの弾力化】

セルソ・ミンギ

労働裁判所によりこれまで、混乱のもとになるような1,700件以上の新たな基準と規則、判例が生み出されてきた。この状況を変える時だ。

統合労働法(CLT)が制定されて73年を迎える。時代に取り残され、硬直化しているが、それがブラジルの労働関係における最大の問題というわけではない。

「最大の問題は、法的不安定性だ」と、レイナルド・ノゲイラ労働大臣は認める。労働裁判所は、思い立てばいつでも判決を「考案」している。こうして、混乱のもとになるような1,700件以上の新たな基準と規則、判例が生み出されてきた。専門家は常に、労働裁判所で問題視された点について、それぞれの立場から紛争解決に向けた解釈を下している。その結果、雇用者は労働債務の規模どころか、雇用コストすらも計測できない状態にある。そして、企業が人材の採用を可能な限り回避するのは、まさにこのような不確実性が原因なのだ。

テーメル暫定政権は、既に、労働法の近代化プロジェクトを立ち上げて2016年末までに法案を国会に提出すると表明している。労働大臣が言及したように、その目的は、CLTの改正ではない。ただ、CLTと現行規定をひとつにまとめ、単一の法典として一貫性を与えるだけである。

法案のひとつは、団体協約を勢いづけるものになるはずだ。労組指導部は、これを不信の目で見ている。受け入れれば最後、労働者の権利が蹂躙され、柔軟な提案というのは「雇用問題の解決と売り込んでくる罠」だと考えているのだ。大臣は、そうはならないと太鼓判を押している。

「団体協約は法律に優先できない。例えば、法律で想定されていない休暇どころか、13か月給与の支払い、さらに週44時間労働の権利などは議論の俎上にも上がっていない。だが団体協約で44時間労働を営業日の5日あるいは6日で分配するといったことは判断が可能だ。権利は何ら侵害されない。むしろ、改善される」。

専門家は労働法改革には別の優先的な狙いがあると受け止める。サンパウロ大学(USP)の教授で労働経済を専門とするジョゼー・パストーレ氏は、労働法の弾力化の重要な目的として、「雇用に対する財界人の懸念を払拭することだ」と受け止めている。言い換えると、現時点では当たり前になっている法的不安定性に、メスを入れるということだ。「法律の厳格な適用は、司法論争を後押しし、結果的に企業と、そして我が国の大きな負担につながっている」と言う。2016年は、6月末の時点で115万6,434件の労働訴訟が記録されている。

同じくエコノミストでUSP教授のエリオ・ジルベルスタン氏は、中長期的な交渉に価値を与えることは、労働裁判所の介入を制限できると有効性を指摘する。ブラジルで行われているのとは逆に、すべて、会社内の交渉でスタートする。「対話は資本家と労働者の関係を改善するだろう」。このように、企業は労働者の問題を理解し、さらにコストの削減につなげることができる。

その主張を良く説明している例が、CLTの第134条だ。この条文には、現在では理解できない主張が示されている。すなわち、18歳から49歳の従業員に限り、休暇期間を分割して利用できる。「もし交渉でその問題を解決できるなら、労働者はより満足し、生産性の向上につながるだろう」と、ジルベルスタン氏は付け加えた。 (2016年8月7日付けエスタード紙)

 

https://camaradojapao.org.br/jp/?p=42150