コラム記事【ジウマが戻るなら?】

セルソ・ミンギ

まずは、ジウマ大統領が統治のためにどのように政治基盤を糾合するのか、考えて見る必要がある。

可能性としては極めて低いものながら、次の質問には重要性がある。すなわち、ジウマ大統領が上院で最低限の票を集めて共和国大統領に復帰していれば、今後2年と少々の経済政策はどのようなものになりえただろうか?

8月31日に上院の弾劾裁判で最終弁論に立ちミシェル・テーメル暫定大統領の経済政策に対して痛烈な批判を浴びせたジウマ大統領。これは、彼女が復帰した場合、異端的な経済運営モデルを採用するであろうことを示唆している。

それがどのようなものになるのかは、示すことはできない。何から何まで失敗に帰した後で、人為的な消費と公債の肥大をベースにした新マクロ経済マトリックスなるものをジウマ大統領が再び持ち出すことを想像するなど無意味なはずだ。しかしながら、彼女の供述によると、自身の新しいメニューには、今後20年にわたって歳出を過去のインフレ率に制限するという内容で国会に提出される憲法修正案(PEC)は存在しない。彼女の政策が何かは知らないが、公会計はどのような状態に置かれるだろうか?

テーメル政権が検討を進めている年金制度改革と労働制度改革を批判するからには、新生ジウマ政権では、これらの改革はできる限り先送りされるのだろう。

むしろ、最も重要な問題はマクロ経済の方向性を単純に選択するより外の部分にある。まずは、ジウマ大統領が統治のためにどのように政治基盤を糾合するのか、考えて見る必要がある。一連の経緯から、彼女は、今では敵となったミシェル・テーメル大統領が率いるPMDBを、従来のように期待できない。ブラジル民主社会党(PSDB)と民主党(DEM)も同様に、期待できないだろう。

さらに労働者党(PT)ですら、既に2通の通達(2月の未来は改革により取り戻す、および、5月の包括問題に対する解決策)において、同党の分析として、ジョアキン・レヴィー財務大臣とネルソン・バルボーザ企画大臣が推す経済政策は「不労所得者の要請に屈した」もので、過度に新自由主義に傾き受け入れられないと評価されている。

最低限の信頼回復に対して政治的に深刻な障害を抱えていることが想定されることから、ジウマは、事前に、新たな共和国大統領の前倒し選挙のための国民投票の実施と、統治に関する国民との約束を確立すると訴えた。だがそうした計画ですら、弾劾プロセスを通じた広範囲に及ぶ消耗戦を展開した後に敵と味方を糾合する必要があるという、多難な政治的状況が予想されるのである。

理由は他でもない。連邦政府の政策条件を整えるには実に多くの困難が伴うために、ジウマ大統領が復帰する場合、それもアメリカの利上げに伴う国際市場のドル高とラヴァ・ジャット作戦の新たな告発が伴うことになれば、パーフェクトストリームを生み出しかねないということにあったのだ。

それに、2018年の選挙対策に問題を生じさせかねないため、彼女が所属するPTですら、彼女の政権を構想するのを拒んだという状態だ。

確認しよう

失業率は上昇し続けており、低下する兆しは見えない。継続的全国家庭サンプル調査(Pnad Continua)によると、2016年7月までの3か月間の失業率は11.6%、失業者数は1,180万人に達した。明るい話題は、労働者が得る実質収入が2月までの3か月間と比較して、横ばいで推移していることだ。それでも景気が反発し始めたと見える兆候はどこにもない。状況は引き続き、負の連鎖が根強い状況にある。すなわち、失業が消費を減らし、これが生産を縮小し、その結果として失業を生み出している。(2016年8月31日付けエスタード紙)
 

 

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