【外部委託に対する政府提案で財界と労組が対立】

あらゆる業種で外部委託を認める可能性が出てきたことで、業界労組や中央労組はこの提案が労働者の権利を棄損するものだと反発、コスト削減につながる可能性があると歓迎する財界と対立している。全国工業連合(CNI)はこの提案について、とりわけ「周辺業務」と「主要業務」の区別という司法でも意見が分かれる見解問題を排除することは、ブラジルのビジネス環境の改善に向けた「重要な進歩」の1つだと位置づける。

まだ暫定段階だったテーメル政権の発足直後から、CNIは、下院が承認した形で外部委託の従業員の法整備を迅速に進めるよう求めてきた。CNIのロブソン・デ・アンドラーデ会長は、「最も重要なことは、外部委託の労働者に法的安定性を付与して彼らの権利を保障することだ。世界中で、こうした取り組みが進められている」と話す。一方、同会長は、外部委託を周辺業務に制限するパウロパイン上院議員(PT:労働者党=リオ・グランデ・ド・スル州選出)の修正文に反対している。

現状、業務の外部委託を規制する現行法は存在しないが、上級労働裁判所(TST)の法理学条の解釈では主要業務の外部委託を禁止している。言い換えると、現在の法規では、自動車工場において金属労働者の活動を外部に委託することはできないが、セキュリティー要員や清掃員の外部委託は認められる。

現在の法案のまま上院が可決し大統領の裁可を受けるなら、理論上、銀行で外部委託先の従業員が窓口業務を行うことも可能になる。だが法案には外部委託先の従業員は企業が雇用契約を交わした人物の業務命令を受ける立場に置かれてはいけないという条件があるため、恐らく、そうはならないだろう。従って、銀行窓口担当者は、銀行の管理職に従うのではなく、外部委託先の誰かである。この条件が、企業のビジネスに決定的な重要性を持つ活動の外部委託を抑制する。

これに対して中央労組は、現在の法案について企業だけを利するもので、給与の削減と労働者の権利の縮小を伴う、労働条件の「非正規雇用化」を促進するものだと批判している。「現在の不況を利用してテーメル政権は問題を労働者に押し付けようとしているように思える」と、労働者総合統一労組(UGT)リカルド・バタ委員長、社会民主党(PSD)所属のジルベルト・カサビ科学技術大臣、エンリッケ・メイレーレス財務大臣は言う。

UGTは、サービス分野で加入者の多い労組であり、外部委託を周辺業務に制限するよう主張している。パタ委員長は、今回の外部委託法案の外、国内の年金受給年齢を65歳に定めることを国会が承認したような「無責任な措置」の導入を回避するため、中央労組が団結して反対するだろうと断言した。

統一労組(CUT)のセルジオ・ノブレ専務理事は、外部委託法案は「惨劇」だと指摘する。「もし政府のこの法案に有権者の審判を仰いだなら、ブラジル民主運動党(PMDB)は決して政権など担当できないだろう。現政権は、このように影響が大きな改革を推進する正当性を一切持ち合わせていない」と同専務理事は断言する。

フォルサ・シンジカルは、委員長のパウロ・ペレイラ・ダシルバ連邦下院議員(SD:連帯党=サンパウロ州選出)によると、立ち位置を変え、今ではUGT同様に、外部委託は周辺業務に限定すべきだと主張している。CUTとフォルサは、2015年5月1日、企業内の外部委託の法制化と拡大に関する法案が原因で衝突していた。(2016年9月5日付けエスタード紙)

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