エンブラエル工場見学会

11月25日(金)、ブラジル日本商工会議所運輸サービス部会主催で、ブラジル航空機製造会社エンブラエル工場視察を開催しました。総勢40人の参加で大変盛況でした。当日は少し暑いくらいでお天気にも大変恵まれました。
 
先方は渉外担当の方々を中心に、エンジニアの方も交え大変手厚く丁寧に対応していただきました。エンブラエル社は1969年ブラジル国営航空会社として設立され、1994年に民営化し、現在ボンバルディアをぬきボーイング社・エアバス社に続き世界第三位の航空機メーカーとのことです。従業員は19,000人で、そのうち6,000人がエンジニアと技術開発には大変力を入れていると強調されていました。製品ラインアップは商業ジェット・プライベートジェット・軍用機の3部門に分かれていて、中距離機を主体に一番遠くまで飛べるものはサンパウロからニューヨークまでひとっ飛びだそうです。年間の生産機数は大体100機とのこと。
 
ホールで会社の沿革等の説明を受けた後、ショールームの見学、そして翌日に引渡式を控えた日本航空向けERJ-190とご対面。通常飛行機に乗り込むときは蛇腹で、タラップで乗り込むときも機体への接近は制限されているので、直接目の前で触れそうな距離で機体を見るのは初めての経験でした。当たり前のことですが新品で真っ白で尾翼の赤い鶴のマークがとても印象的でした。
 
次がプライベートジェットの組み立てラインの見学。商業用ジェットは全て受注生産ですが、プライベートジェットはいつ何時どんな富豪が一機買いたいというか分からないので見込み生産をしているそうです。一番お安いもので5百万ドル、一番高いエンブラエルリネージュは80百万ドルとのことでした。一番小さいモデルのPhenomは生産を全面的にアメリカに移管したそうです。アメリカは個人がプライベートジェットを持つ割合が高く一大マーケットなので地産地消ということなのでしょう。現在ブラジルで生産しているのはその上のレガシーとハイエンドのリネージュだそうです。ハイエンドとなると商業ジェットより高いのにはびっくりしました。在ブラジル商工会議所の会員企業には特別に10%割引してくれるとの事です(笑)。
 
その後商業用ジェットの組み立てラインへ。ここでは大手航空会社納入用のERJ-170を生産していました。組み立てのリードタイムは37日間だそうで、思ったよりも短いという感想です。但し、今から発注しても引渡は2018年以降になるとのこと。価格は平均で40百万ドル。
 
もちろん試験飛行のために自前の滑走路と自前パイロットもそろえ、必要に応じて納入先まで自分で飛んでいって引き渡すそうです。大手航空会社は航空会社のパイロットが来て工場で引渡を受け自分で飛んでいくそうですが。
 
ブラジル経済は大変厳しい状況ですが、ここは別世界でした。最後に社員食堂でお昼ご飯をいただきましたが、メニューが大変充実している食堂も混雑しており、周囲で食事をしている従業員の方々の顔も気のせいかおだやかなような。
 
食事の後お土産屋さんに立ち寄りました。シャツ・野球帽・ボールペンなど様々な記念品を売っていました。ただモデル飛行機は残念ながらディスカウントは無しでした。10%割引は本物の飛行機だけだそうです。
 
最後になりますが、今回の視察旅行を行うにあたって、日本航空様、川崎重工様、そしてブラジル日本商工会議所事務局の平田事務局長、他関係者の皆様に大変お世話になりました。この場を借りて御礼申し上げます。
 
皆様大変お疲れ様でした。

運輸サービス部会

 

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