【雇用保護のために資金拠出強化】

連邦政府は、雇用維持プログラムのために2017年度は3億2,728万レアルを拠出、保険-雇用プログラム(PSE)では、2015年に開始された雇用保護プログラム(PPE)で拠出された累積金額を88%上回る資金適用で12万3,000人の雇用維持を図る。

しかし提供資金がすべて活用されるか疑問視されている。雇用問題のスペシャリストは、経済リセッション時に特殊技能者を企業に引き留めておくのは、容易でないと保険-雇用プログラム(PSE)の用途に疑問を投げかけている。

機械メーカーのキャタピラー社は、雇用保護プログラム(PPE)を活用した企業として挙げられており、2015年に同社は830人の従業員解雇を余儀なくされていたが、労働時間並びにサラリーの30%削減を強いられる雇用保護プログラム(PPE)を活用して雇用を維持、連邦政府は480万レアルを肩代わりしている。

また同社は、サンパウロ州ピラシカーバ工場並びにパラナ州カンポ・ラルゴ工場の従業員1834人に対して不況による解雇を避けるために雇用保護プログラム(PPE)を導入、この期間、縮小しているブラジル国内市場からラテンアメリカ並びに米国市場に機械を輸出、更にカナダやロシアへの輸出を拡大している。

ジウマ・ロウセフ政権時代に創設された雇用保護プログラム(PPE)は、2016年12月にミッシェル・テーメル政権で保険-雇用プログラム(PSE)に名称変更、労働時間並びにサラリーの30%削減を余儀なくされるが、連邦政府の関連機関が15%のサラリーを補てんする。

2015年8月開始の雇用保護プログラム(PPE)では、すでに1億7,375万レアルを連邦政府が補てんして6万5,443人の雇用を維持したが、労働・雇用省では2017年度の保険-雇用プログラム(PSE)では、2倍に相当する予算が確保されていると説明している。

Opus Gestão de Recursos社エコノミストでリオ連邦大学のジョゼ・マルシオ・カマルゴ教授は、雇用保護プログラム(PPE)は製造業部門のエリートで育成に大きな投資を受けた熟練工の雇用維持が重要であるとコメントしている。

短期間で回復基調に戻る経済リセッション時には、熟練工を雇用維持が重要であるが、1年以上の景気回復の見込みのない不況時や熟練工でない場合は、従業員の解雇及び景気回復後の再雇用のほうが企業にとってコスト削減につながるとカマルゴ教授のような雇用関連スペシャリスト達は説明している。

Trench Rossi Watanabe Advogados社の労働雇用担当のレチシア・リベイロ パートナーは、保険-雇用プログラム(PSE)はいつも有効であるとは限らない。不景気時の雇用維持は雇用安定には良いが、保険-雇用プログラム(PSE)が不都合な経営者も存在すると説明している。

今年すでに4企業が保険-雇用プログラム(PSE)を採用して2,098人の雇用維持を行っていると労働・雇用省では説明している。

(注)保険-雇用プログラム(PSE)は、2015年6月にジウマ・ロウセフ政権時代に創設された雇用保護プログラム(PPE)の再生版。保険-雇用プログラム(PSE)は、2016年末にミッシェル・テーメル大統領によって発表、今後4年間に総額13億5,000万レアルを拠出して20万人の雇用維持を図る。保険-雇用プログラム(PSE)は、労働時間並びにサラリーを最大30%カット。労働者支援基金(FAT)から給与額の15%を補填、PSEプログラム対象従業員の解雇は不可、経済リセッション期間に適用される。(2017年3月2日付けエスタード紙)

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