コラム記事【最優先課題は雇用だ】

ロブソン・ブラガ・デ・アンドラーデ*

2016年には毎日5,000人の労働者が、家族に職を失ったという知らせを伝えることになった。現代ブラジル史が直面した最悪の不況の影響で、合計すると1,200万人が全国で失業した。このような事態に、終止符を打たねばならない。連邦政府と民間イニシアティブの絶対的な最優先課題は、可能な限り迅速に、できるだけ多くの雇用を創出する手段を見つけ出すことであるべきだ。

だが、課題に取り組む統一戦線が存在しないのだ。この解決策には、投資に対するリターンが求められる。このため、核心的な2つの課題を解決することが決定的に重要だ。すなわち、経済が成長に復帰する潜在力があるという信頼を取り戻すことと、ビジネス環境の早急な改善だ。この2つの局面に対して、応急措置的な対策の導入と、我が国を成長軌道に再び押し戻すことができる広範囲に及ぶ改革の導入を、並行して推進する必要がある。

信頼を取り戻すには、財政の安定につながる構造改革の導入が不可欠だ。その第一歩が、20年間にわたって公共支出の増加を制限する憲法修正案(PEC)として動き出した。しかも年金制度改革でも、政府が提案しているモデルが承認されることが、長期的に予算のバランスをとる上で不可欠なのだ。持続的な年金制度がなければ、これまでの努力は水泡に帰すだろう。

一方、ビジネス環境を改善するためにブラジルは、企業の事業と雇用に対する障害を排除する必要がある。団体協約に価値を与え、またアウトソーシングを規定するために、労務問題にかかわる法律の近代化が緊急の課題だ。こうして、企業対して法的安定性を与え、税務規定を単純化し、さらには様々な業界基本法を時代に合わせることなど、取り組むべき課題は多岐にわたる。

大規模なインフラ計画は大量の労働者を雇用するのであるが、当然のことながら、景気の先行きに対する信頼感不足の影響を受け、計画が実行に移されてその効果が得られるまでに時間を要する。このような投資は中長期的に失業を主供養させるのに役立つだけだろう。石油及びガス業界の鉱区では、業界法により自由化されたことで、希望が生まれた。上下水道事業と、とりわけ宅地事業を中心とした建築業界も、より迅速に景気の回復に対応する可能性がある。すでに、その方向に向かって動き出している。

依然として非稼働率の高い工業は、雇用の拡大を妨げている。だが、国内需要が低迷する状況下で、一部の業種は、生産の再開及び財務状況の回復、雇用の拡大に向けた企業活動としては自然なことであるが、輸出に活路を見いだしている。輸出を大きく伸ばしている業種には、自動車業界、靴業界、鉄鋼業界のような例がある。製靴業界は、今後数か月の雇用に関して明るい見通しを持っている。それだけに、輸出企業の収益性を確保することが必要なのだ。

家計負債が高い水準にあるものの、消費は、中銀が政策金利を引き下げていることで、若干ながら改善する可能性がある。だが企業が活力を取り戻して税務及び労務における義務を現状に即したものへと回復できるように、銀行と負債の再交渉ができるような条件を企業に付与する必要がある。同じく、国立経済社会開発銀行(BNDES)が工業活動に即したコストで長期融資を再開することも不可欠だ。

各種の指標は、ブラジルの状況が緩やかではあるが改善し始めていることを示している。ここで指摘したような対策を可能な限り早急に推進することが、雇用を創出する力につながるだろう。何千人もの実業家が、逆境の中にもチャンスを見いだしており、投資を再開により公的な状況を待ち受けている。(2017年3月11日付けエスタード紙)

*実業家で全国工業連合会(CNI)の会長。
 

 

 

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