統合労働法(CLT)の改正法案が上院で可決され、改革を推進してきたテーメル政権が勝利した。
労働制度改革は、雇用関係のロジックの転換を提案するものであり、その幾つかは労働者の生活に対して直接的に影響する。今回の提案には、休暇の分散、残業と新しいタイプの勤務時間といった事柄が含まれており、CLTに対して多くの新しい提案がなされている。今回の提案には、休暇の分散、残業と新しいタイプの勤務時間といった事柄が含まれており、CLTに対して多くの新しい提案がなされている。
自主性及び柔軟性
1. 非公式合意に終止符
解雇を「願い出た」従業員が雇用者と何らかの非公式な合意を交わしているということは、誰でも知るところだ。こうしたやり口、一般的には勤続期間保障基金(FGTS:退職金積立制度)の残高に対して労働者側に支払われる罰金を雇用者側に返納するという手口に、終止符が打たれようとしている。CLTの新しい条文では、雇用主と従業員に対して、双方の合意に基づき雇用契約を解消できる。従業員はFGTS年金基金の残高の80%を引き出す権利が与えられるが、その場合は失業保険を受け取ることができない。一方で会社は、告知に対する半額及びFGTS年金基金への積立金に対する罰金の半額、すなわち20%を支払う必要がある。
2. 勤務形態に新たな種別
ブラジルの労働者には、勤務形態として新たに2種別が設けられる。すなわち、(i)テレワーク(あるいはホームオフィス)と(ii)断続的労働(労働者は固定された勤務時間を持たずに時間当たりで報酬を受け取る)である。テレワークの場合、在宅勤務に対する基準を規定する。断続的労働の勤務時間の場合、13か月給与と休暇の3分の1を受け取る権利を認めるのに加え、最低賃金あるいは業種別最低賃金を時間割した額下回らない範囲で時間当たりの支払いを想定している。雇用者はさらに、同じくFGTS年金基金と社会保障関連の負担に関して、労働時間に比例して納付する義務が生じる。従業員はサービスを提供する3日前に召集される必要があり、またこの召集を断ることができる。断続的労働は上院、この種の労働に関する規定を暫定令(MP)により定めるよう提案している上院が問題視している。
3. 既存の契約の労働時間の変更
労働制度改革では、パートタイムと12×36勤務のような既存の雇用契約の枠組みに関しても変更を提案している。12×36勤務(12時間勤務の後に36時間の休息をとる勤務制度)の場合、新法では、保険業界のように一部の業種で非常に利用されてきた形態と位置付け、個別の合意に基づいてこの勤務形態の導入を認める。他方、パートタイム制度に関しては修正する。改正前の制度では、週25時間勤務を上限として残業が認められていない。改正により、パートタイム勤務は週30時間勤務に拡大、あるいは26時間に最大6時間の残業が認められる。
4. 組合加入費の終了
すべての労働者は労働組合1団体により代表されており、組合税という名で有名な組合加入費の支払いが義務付けられていた。この加入費は毎年、一般的には3月に、1日に日割りした給与と同等の金額を給与から差し引かれてきた。今回の労働制度改革では、この加入費の支払いは、任意となった。言い換えると、組合に加入費を支払いたいかどうかを決めるのは労働者自身である。
5. 労働協約と法規の綱引き
新法は労組と雇用者の合意に対してより多くの権限を付与している。勤務時間内の休憩と役職及び報酬に関する計画など、16項目において交渉と労働協約が法律に優先するとしている。他方、最低賃金と休暇、産休など29項目に関して、労使間の合意によっても変更できないとしている。
時間に関する問題
6. 昼休み
改正前、勤務時間内の休憩(一般的には昼休み)は、最低でも1時間を確保することが義務付けられてきた。労働制度改革を通じて、個別あるいは断行による労働協約において、削減することが可能になっており、最低で30分を確保するという規制となる。こうして削減された時間は、勤務時間の最後に清算でき、労働者は1時間の休憩と想定して定められた勤務時間を前倒して退勤できる。
7. 有効なサービス
改正CLTでは、労働時間を超過した時間帯であるが労働者が社内に居続ける判断を下した時間については雇用者側の負担する時間とみなさない、すなわち残業として計算されないことを明確に示した。これは、公道の治安あるいは天候が理由で社外が危険だという場合に勤務時間を過ぎて社内にとどまった場合に適用される。同様に、宗教的慣行や急用、レジャー、勉強、食事、社会活動、トイレの利用、(会社が義務付けていない場合の)着替えなどで個人的な活動のために会社敷地内に入る、あるいはとどまる場合にも適用される。
8. 時間外労働
今回の労働制度改革では、1日当たりの残業時間の上限をこれまで通り、2時間で少なくとも通常の時間割の賃金に対して50%上乗せして支払うと定めた。だが、新法の条文では、既に存在している、労働時間の超過を別の日の労働時間の短縮で相殺する「タイムバンク」についても、労働協約だけでなく労働者との個別の合意に基づき導入できると想定している。この場合、補償は6か月を上限として、あるいは月々の調整として実施されなければならない。その上、雇用契約が解消される場合には、このタイムバンクの補償は、残余分を残業として支払うことになる。
9. 制限
従業員が毎日の残業時間の上限を超えて働く必要がある場合、改正前の規定では、 会社が当該の従業員がこのように長時間勤務に従事する正当な理由、通常これは、別のサービスあるいは外的要因による緊急性のあるケースなどについて、説明する必要があった。改正法では、会社は長時間労働の事情について労働省に通知する必要がなくなった。その理論的根拠は、この種の状況には再発性がないということである。しかも、法の裏をかくためにこの種の対処を講じる場合、従業員自身が匿名でこれを告発できるのである。
10. 通勤時間
改正前では会社が提供した輸送手段を利用した場合の移動時間は労働時間に組み込まれていた。言い換えると、労働時間を超過した場合には残業代あるいは補償が発生しえた。改正後は、この移動時間は労働時間として計算されない。この改正は、労働者の権利の喪失と見るか、企業に対して従業員を輸送するためのシャトルバスの運行にモチベーションを与えると見るかで意見が分かれる。
11. 女性労働者と時間外労働、及び健康リスクのある職場
改正前のCLTでは、時間外労働を始める前に女性労働者には15分の休憩を与えることが義務付けられていた。下院は男女の区別の削除に賛成し、上院では継続に賛成している。上下両院は、同様に、妊娠中あるいは授乳中の助成が、健康リスクのある活動、事業、場所で勤務するのを認めることでも意見が分かれている。妊娠中あるいは授乳中の助成は、このような職種から隔離されるべきだと国会は受け止めている。健康リスクのある勤務場所には、病院まで含まれる。下院の報告書では、医師の診断書の提出を条件にこうした職種や場所で引き続き勤務できるとする見解を示した。他方、乗員はこれらの提案の拒否を支持している。
休暇とボーナス
12. 休暇の細分化
改正法では、休暇を最大で3分割し、現在の2分割からさらに細分化をかのうにすることを想定している。会社と従業員の間で合意がある場合、休暇は、1シーズンだけ少なくとも14日を下回らない範囲で、かつ、残り2シーズンはそれぞれ5日を下回らない範囲で3シーズンに分割できる。その上、休暇は祝日の2日前あるいは毎週の休暇日から起算することが禁止される。
13. 賃金における「賞与」
労働制度改革では、賃金とみなすことなく従業員に対して「賞与」を支払えるよう考慮している。新しい規定では、それが慣習になっているとしても、手当と食事手当、交通手当、賞与は従業員の報酬には含まれず、雇用契約の一部をなさず、事業主負担及び社会保障負担の算出基準に加算されない。この主張は同様に、給与に組み込むことなく、将来的に訴訟に発展することなく雇用者が報酬に特別な手当を上乗せできることになる。(2017年6月17日付けガゼッタ・ド・ポヴォ)
テーメルが拒否権を行使せず改正について確約することなく労働制度改革を裁可
ミシェル・テーメル大統領が、拒否権を行使せず、かつ、暫定令によりこれを改正するかどうかについては確約せずに労働制度改革を裁可。
ミシェル・テーメル大統領が7月13日、大統領府で行われた式典において、拒否権を行使することなく労働制度改革を裁可した。大統領は、上院での労働制度改革の審議中に交渉したような事後の改正についても確約していない。
今回の式典の直前、連立与党の上院議員らが主張した改革を盛り込んだ暫定令(MP)の素案が、マスコミに対して配布された。審議を通じて行われた交渉は、文書の裁可の直後にMPとして扱われる問題に関する合意をもって終了した。今回の裁可を受けて連邦政府は、改正する部分の交渉には時間をかけて、具体的には施行されるまでの120日をかけて協議するのを希望している。
このように、可決した改正法の条項には、賛否両論が激しく対立するような問題が存在する。例えば、健康に負担を与える環境での妊婦及び授乳中の女性の就労の承認、欠勤など断続的な勤務状態の労働者に対する罰則、オフバランスシートの損失に対する補填に労働者の給与を比例させる規定(同一の損害にさらされていながら給与の違いによって扱いが変化する)などである。
こうした論点について上院では、MPの素案として扱うことになった。上院議員らの提案は、健康被害を及ぼしかねない職場から妊婦は
遠ざけられるべきであり、自発的な証明書売りが提示された場合に限り認められるべきとしている。それだけでなく、断続的に就労する労働者への罰金の削除と、オフバランスシートの補償に関して新たな規定を定めるべきだというのが上院議員らの主張だ。組合が協議に参加した場合に限り36時間の内12時間の勤務を認めると想定しており、労働者代表らとの団交を制限するものになっている。
これらの改定に関する協議は今後、連邦政府と国会議員、組合関係者らの協議によって決められる。連邦政府関係者によると、式典に参加しなかったロドリゴ・マイア下院議長(DEM=民主党、リオデジャネイロ州選出)も参加する。マイア下院議長は既に、改正に反対している。自身のツイッターで、同下院議長は、「下院が法律に対するいかなる改正も容認しないであろう MPはいずれも、下院よって否決されるだろう」とコメントした。(2017年7月13日付けガゼッタ・ド・ポヴォ)








