サンパウロ総領事館主催の平成29年度在外安全対策セミナー開催

在サンパウロ日本国総領事館主催の平成29年度在外安全対策セミナーは、2018 年1月29日午後1時から4時まで、サンパウロ日伯援護協会5階の神内ホールに会場一杯の150人以上が参加して開催。

講師はConrol Risks Group株式会社の柿本慶太氏が日本語並びに同社サンパウロ支社セキュリティ担当のローラ・コエーリョ氏が英語で講演。この安全対策セミナーは、ブラジル在住の邦人を対象に現在の政治・治安情勢を踏まえた個人、組織レベルの一般犯罪及びテロ・誘拐対策を事例で紹介して、有事における初動対応手順の再確認を目的としている。

初めにブラジルの治安情勢として軽犯罪、強盗リスクなどの一般犯罪リスクが高く要注意。誘拐リスクやテロリスクは低い一方で、数時間程度の拘束する電撃誘拐の標的リスクが高く要注意。蔓延する政府の汚職や労働者社会に関する不満が抗議活動を誘発する可能性を指摘。基本的な予防対策として、治安情勢の変化を見ながら、新しい脅威への対応を常時チェックすることの重要性を説明した。

基本的な予防対策のケーススタディでは、ビデオでの強盗被害に直面した時の対応として、抵抗しないで犯人の指示に従う。大声を出さない。急な動きをしない。犯人の顔を見ない。大使館・総領事館への連絡、対処方法の確認、警察への被害届、被害証明書受領。スマートフォンや分厚い財布など経済価値のあるものの提出、「当たり前」の基本的な対応、運転中の強盗の手口と対策、車両の上下車の注意・対策、集団強盗が近くで発生した場合の対策、爆発・銃撃音を聞いた場合の身体的反応などについて説明した。

また誘拐対策では誘拐・脅迫事件の国別比較や発生件数推移、ブラジルで多発している複数又は単独犯による被害者を拘束してのATMでの現金引き出しの「電撃誘拐」対策、また長時間身柄を拘束された場合の対応、個人レベルの予防対策、アクティブ・シューターへの対応、初動対応の三原則として、逃げる。隠れる。報告する。組織としての危機管理体制の構築としてリスクの認識、リスクコントロール、平時と有事の重層的な対策、利害関係の特定と関わり合いの整理、シナリオの基づく演習、ケーススタディ別ディスカッションなど広範囲にわたる対応や心構えができる安全対策セミナーとなった。

 

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