インタビュー記事【「議論の足場とすべきは貿易の自由化」】

成長は貿易によって生まれるのであり、それだけに公共支出はより貧困層のニーズに応じるよう見直されるべきだとバーシャ氏は言う。

レアル計画の立案者の1人であるエジマール・バーシャ氏は、ブラジルを国際社会の一員に統合する大きな枠組みから組み立てられた国家計画を次期大統領が発表すべきだと主張している。同氏はこの計画について、ブラジル・コストを削減して生産性を高めるための様々な政策の導入につながるようなものであるべきだと話す。また公務員に関する規定の変更と、より富裕な層に対して公的医療制度である統一保健システム(SUS)の利用を制限すべきだと訴えた。

レアル計画の立案者の1人であるエジマール・バーシャ氏は、ブラジル・コストを削減して生産性を高める種々の政策導入につながる大きな枠組みから組み立てられた国家計画を次期大統領が立ち上げブラジルを世界の一員に統合すべきだと主張している。この計画は貿易協定だけでなく、外資系銀行の営業活動に対する規制の緩和、税制改革、インフラのコンセッションといった問題も含む。「市場を開放するために我々は、税金と教育、インフラの観点から我が国の準備を整える必要がある。このことは、成長に対する絶好の起爆剤になるだろう」と、同氏はエスタード紙にコメントした。

またバーシャ氏は、公務員の安定性に終止符を打つ、言い換えれば給与削減の可能性を認める形で公務員に関する規定を「改正すること、さらに、より富裕な層によるSUSの利用を制限すること」も支持した。ブラジル民主社会党(PSDB)の党員でもある同氏は、同党のジェラルド・アルキミン氏が大統領選に立候補することを熱烈に支持しており、労働者党(PT)について同党最大の対立軸と位置付ける一方、自由前線党(PFL)のジャイル・ボルソナロ氏のスピーチには信頼が置けないとコメントした。同氏曰く、「過去の行いが現在の彼に災いしている」。

Estado 新政権がプライオリティーを与えるべき政策にはどのようなものがあるでしょうか?

バーシャ 足場とすべき考えは経済を対外的に開放することになるだろう。これは、成長と、ブラジルが必要とする諸改革に対する大きな起爆剤になるだろう。市場を開放するために我々は、税金と教育、インフラの観点から我が国の準備を整える必要がある。それが広がるのを後押しする、あるいは強制する対策を、考える必要がある。我が国の企業を国際的な競争に晒してこれらの企業に生き残るための効率を身につけさせ、ブラジル・コストに照準を合わせた政策を立ち上げる。議論の足場とすべきは貿易の自由化だ。

Estado 市場の開放をどのように進めるのでしょうか?

バーシャ メルコスールと欧州連合(EU)の貿易協定、ブラジルの経済協力開発機構(OECD)への加盟など、現在進められている対応がある。以下の柱をベースとしてブラジルを国際社会の一員に統合するという大きな枠組みから策定された計画を次期大統領が発表すべきだというのが私の提案だ。その柱とはすなわち、税制改革とインフラのコンセッションに対してフォーカスし、競争力のある為替レートを使って補償する代わりに営業を規制する外資系銀行の締め出しやローカルコンテント規制といった保護貿易主義的対策で満たされた保護措置の緩和と、貿易協定である。その目的は、輸出入を強力に拡大しながら、並行して、生産性が向上するよう促すことにある。

Estado アメリカのドナルド・トランプ大統領の保護貿易主義的な姿勢が足を引っ張るようなことは?

バーシャ あらゆる動きが主に中国を向いていることを示している。だからこそ、アルミ材と鋼材の輸入に対する追徴税について、アルゼンチンとブラジル、カナダ、日本、メキシコ、EUが一時的に課徴対象から除外された。韓国は恒久的に免除された。中国は、これを貿易紛争ではないと示しつつ懸念を表明、むしろ世界の2大経済国が戦術的な動きを見せている。これらはブラジルの経済開放計画の障害になりえない。

Estado 自由化を推進するに当たり、なぜブラジルは困難を抱えているのでしょうか?

バーシャ 貿易はプラス要因だと経済学者は確信しているが、それを政治家に説明するのが非常に難しい。政治家にとって、輸出が善であり輸入が悪なのだ。国内市場を保護するということが彼らに並はずれた訴求力を持っている。しかし歴史的経験だけでなく経済理論からも、比較的自由な貿易体制の方が成長に恩恵をもたらすことを十分に教えてくれている。

Estado 我が国は財政に問題を抱えています。何をなすべきでしょうか?

バーシャ ある種の、焦点のずれがある。例えば問題は、財政の絶対原則そのものを問うのではなく、むしろ、絶対原則が抱える問題を解決するための道を探し出すことなのだ。政府が直接、あるいは官民パートナーシップ投資計画(PPP)の契約条件を担保として投資するだけの余力を生じさせる予算枠を確保するために財政の絶対原則のどの条項をどう改正するのか考えなければならない。その答えは、歳入に対する縛りを解くことにある。歳入には予め財源としての割り振り先が決められている。柔軟性を与えなければならない。もうひとつの問題は政府で、公務員に対して過度の支出が行われていると認識した場合でも憲法の条文が名目賃金の不可逆性と公務員の雇用の保障を定めているために、それを対策の手段がない。この問題は解決すべきだ。すなわち、給与の削減を認める、あるいは、人員が余剰になるか不要になるか、過度にコストを負担するようになった場合に解雇できるようにすべきだ。

Estado あなたは2017年、とりわけ社会保障改革に関して、ブラジル民主社会党(PSDB)の姿勢を批判しました。それでも今後、同党を支援するのでしょうか?

バーシャ フェルナンド・エンリッケ・カルドーゾ(元大統領)のレガシーの継承、そして同政権下で推進した改革政策の継続に対する守護神として同党が歩んでいくことは、今や明白だ。ジェラルド・アルキミンはこの点でとても献身的に取り組んでいる。それは、彼の経済ブレーンの中心になっている、ペルシオ・アリーダという人物も同様だ。改革政策に対する意志の固さを特徴づける、これ以上の人がいるだろうか? 同じタイプの人物はもうひとり存在し、その人物の名前はアルミーニオ・フラガと言う。彼も同様に、そこ(計画策定グループ)にいるだろう。私も貢献するつもりだ。他の面々も、その時期が来れば参加するだろう。

Estado 倫理面から見て同党はいかがですか?

バーシャ 幸運にも、ラヴァ・ジャット作戦に関連した問題は、PTとは対極的にPSDBに対して象徴的な影を落としていない。アエーシオ・ネーヴェスは大統領職を巡るレースからこっそり離脱して彼個人の問題に対処している。除名すべきだという人もいる。私もその対応には好感を抱けそうだが、政治という舞台で私たちは問題を相対化する必要がある。PSDBは、最大の対立軸、すなわちPTよりもはるかに良質なのだ。アルキミンは、経済面だけで行動計画の公約を掲げようというのではない。彼が政界に身を投じた時、金銭的に何ら富裕でもなかった。だが優れた行政手腕を備えていたのだ。

Estado あなたはPTを最大の対立軸と呼びました。それは2018年の選挙にも言えることでしょうか? あるいはそれはジャイル・ボルソナロ下院議員になるでしょうか?

バーシャ ここへきてようやく、右派が対立軸として台頭してきたことを喜ばしく思う。PTはPSDBが右派だと演出したが、実態は常に、社会問題を政治活動の根本として扱い、所得の分配を重視してきた。PSDBは、ボルサ・エスコーラ(就学手当)、すなわち、ボルサ・ファミリア(家族手当)のもとになった制度を通じて、教育制度を改革した。我々は、給与所得者に対して根本的なところで恩恵を与えたレアル計画を立ち上げた。

Estado 経済問題について、右派のプロジェクトに歩み寄る余地はありますか?

バーシャ ボルソナロが一種のトランプ米大統領のように演出する理由を知るのは非常に難しい。発言していることを実際にやり遂げるのかどうか、それを信じて良いものかわからない。過去の行いが現在の彼に災いしている。彼はレアル計画に対して最も激しく反対した人物だ。私が連邦政府で働いていた時、私たちはいつも同じ便でブラジリアに足を運んでいた。彼は空港で列から出てきて私を罵倒し、フェルナンド・エンリッケを殺してやると言っていた。これは、喫緊の治安問題で今では信頼を得ているボルソナロの、本当の姿だ。彼は、ひとつの課題しか抱えることができない人間だ。パウロ・ゲデスは、エリートを絡め取ろうという意図で幅を持たせるために彼が登用した。

Estado 選挙で改革について議論を戦わせる余地が拡大したと受け止めていますか?

バーシャ 問題をどのように扱うのかによる。そのためには、公に仕える国家というものが必要で、具体例を示す必要がある。ブラジルの社会政策は3つの憲法原則に基づいている。すなわち、普遍性と統合性、無償性だ。それがブラジルの社会保障なのだ。実際のところ、この憲法原則を適用したことで何が起きただろうか? 我が国は、社会支出と呼ばれるものに資金をだだ洩れさせて浪費し、その資金は中産階級あるいは富裕層にまで流れ出た。SUSは、より貧しい人たちのために確保されるべきだ。教育では、注力すべきは初等教育であるべきだ。

Estado 年金制度に関連した議論を活発化するには何が必要でしょうか?

バーシャ 公平性に関する議論は、選挙対策上、議員がより簡単に食いついてくる。もし年金制度を改革しなければ、異常な手法で負担率を引き上げない限り将来の世代は老後を過ごすための資金を持ちえない。だから政治的なメッセージはこうでなければならない。すなわち、支出を本当に必要なところに振り向け直す。(2018年4月1日付けエスタード紙)

 

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