ペトロブラスはTotal社と共同でクリーンエネルギー分野に投資

コアビジネスの石油・天然ガスに資本を集中しているペトロブラス石油公社は、フランス資本Total社と共同で、再生可能エネルギーで環境にやさしいクリーンエネルギー分野に投資を開始する。

昨年クリーンエネルギー発電を事業の柱とするEnen Renowable Energy 社並びにDirect Energy社を買収してテクノロジーを蓄積しているTotal社は、ペトロブラスが所有する北東部地域の所有地でクリーンエネルギー発電事業を行う。

2015年11月末からフランスで開催された気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)は、2020年以降の地球温暖化対策の法的枠組みをまとめた「パリ協定」を採択、2016年にパリ協定に批准したブラジルもグリーンエネルギー推進を余儀なくされている。

発展途上国の開発資金援助を主目的としている世界銀行は、昨年末に2019年以降は石油や天然ガス探査に融資を行わないと発表したために、石油メジャーのExxonMobil社並びに BP社、 Eni社、Repsol社、 Shell社、 Statoil社、 Wintershall社、 Total社もグリーンエネルギー推進を表明している。

ペトロブラスは、国内4カ所に風力発電所で104メガワットの電力エネルギーを発電しているが、最終的には1万3,000メガワットの発電能力に引き上げる計画を立てている。両社は風力発電に適している北大河州並びにセアラー州を候補地に挙げている。

またペトロブラスは、北大河州に発電能力が1,100メガワットの太陽光発電所のプラントを擁しているが、Total社とのジョイントベンチャー企業設立でグリーンエネルギーによる発電比率が大幅に上昇すると見込まれている。

太陽並びに風力,バイオマス,地熱,水力,海洋利用等の普及及び持続可能な利用の促進を目的とする国際再生可能エネルギー機関(IRENA)の発表によると、2004年のグリーンエネルギー発電への投資は470億ドルであったが、ピーク時の2015年は3,120億ドルに達した。また2016年は2,416億ドルに減少した一方で、石油・天然ガス部門向け投資も前年比12%減少の7,080億ドルに減少している。(2018年7月11日付けエスタード紙)

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