四半期ごとの正式な国内総生産(GDP)は、ブラジル地理統計院(IBGE)から発表されるが、中銀はIGBEのGDP伸び率の発表前に、先行指標として経済活動指数(IBC-Br)を発表している。
5月下旬から11日間継続したトラック運転手の国道封鎖抗議デモによる製造業向け部品や原材料供給が物流問題発生で操業停止を余儀なくされて、自動車業界や食品業界を中心に大きな打撃を蒙った。
2018年5月の経済活動指数(IBC-Br)は、前月比マイナス3.34%と下落して中銀が統計を取り始めた2003年以降では最悪を記録、2008年9月のリーマンブラザーズ破綻に端を発した世界金融危機発生直後の2008年12月のマイナス3.19%も上回った。
今年初め5か月間の経済活動指数(IBC-Br)は、僅か0.73%増加に留まっており、今年のIBC-Br指数は、第3四半期からの回復を見込んでも1.6%増加に留まると予想されている。
Rabobank Brasil社チーフエコノミストのマウリシオ・オレング氏は、今年のIBC-Br指数は前回予想の1.6%増加から1.5%増加に下方修正している。
中銀の5月のブラジル国内地域別の経済活動指数(IBC-Br)調査では、製造業部門の40%を担う南東部地域(IBCR-SE)はマイナス3.58%を記録、4月の141.17ポイントから136.11ポイントに減少して、2010年1月以降では最低指数を記録している。
また北部地域(IBCR-N)のIBC-Br指数はマイナス1.87%、北東部地域(IBCR-NE)はマイナス1.16%、中西部地域(IBCR-CO)はマイナス1.08%、南部地域のIBC-Br指数は未発表となっている。(2018年7月17日付けエスタード紙)