EV急普及でバッテリーメーカーはコバルト争奪戦

電気自動車(EV)用の電池に欠かせない希少金属コバルトを安定的に確保するため、バッテリーメーカーでは、コバルト確保のための争奪戦参入を余儀なくされている。

しかし世界のコバルトの50%以上の埋蔵量があると見込まれているコンゴ共和国は、資源争奪戦による内戦で600万人もの命が奪われており、安定供給が非常に難しい。

UBS銀行では今後数年間にコバルトの消費は現在の2,000%増加を予想、2012年の1トン当たりのコバルト価格は5,000ドルであったが、今年はすでに7万5,000ドルまで高騰している。

ヴァーレ社ではコバルトの先物取引で6億9,000万ドルの資金を調達して、傘下のカナダ企業ヴァーレ・インコ社が所有するカナダ東部のニューファンドランド・ラブラドール州に位置するニッケル・銅・コバルト鉱山のVoisey's Bay鉱山に17億ドルを投資する。

ヴァーレ社は、コバルトは銅やニッケルの副産物として採掘されているために、Voisey's Bay鉱山向け投資拡大で、コンゴ共和国のコバルト埋蔵量の10%に相当する開発を行う。

またドイツ政府とブラジル政府は共同でブラジル国内のニッケル鉱山からコバルト開発を行う。英国資本Horizonte Minerals社はヴェーレ社から購入したニッケル鉱山のAraguaia e Vermelho鉱山開発を予定している。

銅鉱石生産では世界最大のチリでもコバルト開発に着手、ブラジルでは電力エネルギー消費が膨大なニッケル鉱開発は採算性悪化で等閑にされていたが、1トン当たりのニッケル価格が1万5,000ドルと採算に見合う1万8,000ドルに近づいているために、ニッケル鉱山再開発が期待されている。(2018年7月24日付けエスタード紙)

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