今年上半期のBNDES銀行のクレジットは2001年以降で最低

2018年上半期の社会経済開発銀行(BNDES)のクレジット総額は、前年同期比17.0%減少の335億レアルに留まって、2000年のクレジット総額210億レアル以降では、最低のクレジット総額を記録している。

今年上半期のBNDES銀行のクレジット総額が335億レアルに留まった要因として、経済回復の遅れによるクレジット審査引締め並びに今年初めに社会経済開発銀行が長年に亘って利用していた長期貸出金利(TJLP)から金利計算が異なる新たな長期金利(TLP)に替わった。

また今年上半期のクレジットの与信相談総額は、前年同期比3.5%増加の497億レアルにも関わらず、クレジット承認総額は、10.08%減少の303億レアルに留まっている。

今年第1四半期のクレジット承認総額は、長期貸出金利(TJLP)から新たな長期金利(TLP)に替わった要因で前年同期比26.0%減少した一方で、第2四半期は10.0%減少に留まった。

今年上半期のブラジル国内の経済回復が遅れてBNDES銀行のクレジット総額が減少している要因として、不透明な大統領選挙の行方並びに米国の金利高、トラック運転手による国道封鎖ストライキの影響で、企業経営者の景況感が改善していないとBNDES銀行企画戦略担当のFabio Giambiagi主任は説明している。

今年上半期のBNDES銀行のクレジット部門の特徴として、中小企業向けクレジット総額は、クレジット全体の48.6%に相当する135億レアルと前年同期の39.7%から大幅に上昇しているとFabio Giambiagi主任は指摘している。

また今年上半期のBNDES銀行のクレジット部門のうちインフラ整備部門向けクレジット総額は、全体の39.7%に相当する110億レアル、製造業部門向けクレジットは18.4%増加の51億900万レアル、クレジットの与信相談総額は、65.0%増加の169億レアルに達していた。

2015年~2025年のBNDES銀行のクレジット部門を牽引するのは、中小企業向け並びにインフラ整備部門向けクレジットとFabio Giambiagi主任は予想している。

今年6月のクレジット総額は前月比22.0%減少の55億2,900万レアル、前年同月比8.62%減少して200年以降では最低のクレジット総額に落ち込んでいる。また6月のインフラ整備部門向けクレジットは、前月比46.4%減少の19億900万レアル、前年同月の19億6,500万レアルを2.84%下回った。

今年6月のクレジットの与信相談総額は前月比39.3%減少の77億3,800万レアル、前年同月比27.4%減少を記録して1997年以降では最低のクレジット与信相談総額まで落ち込んでいる。

今年6月の過去12カ月間のクレジット総額は、前月比では0.77%減少の666億レアル、前年同期の862億レアルから22.6%減少と大幅に落ち込んでいる。今年6月の過去12カ月間のインフラ部門向けクレジット総額は前月比0.21%減少の263億レアル、前記同様に製造業部門向けクレジットは、2.06%増加の135億レアルを記録している。(2018年7月25日付けヴァロール紙)

 

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