中銀の発表によると、連邦政府による民営化コンセッション入札減少並びに大企業による資産売却減少などの要因で、2018年上半期のインフレ指数を差引かない海外投資家による名目対内直接投資は、前年同期比17.5%下落している。
また今年上半期の10億レアルを超える企業の資産売却案件は僅か1件に留まり、昨年同期で10億レアルを超える資産売却総額は、対内直接投資全体の1/4に相当する79億8,600万レアルを記録したと中銀企画戦略担当のフェルナンド・ロッシャ マネージャーは説明している。
今年上半期の対内直接投資が前年同期比17.5%下落している主要因として、不透明な10月の大統領選挙で、海外投資家は投資リスクを軽減するために選挙結果が出るまで投資を控えている。
中銀の6月の最終予想では、今年の海外投資家による対内直接投資は、前回予想よりも100億ドル下方修正して、GDP比3.6%に相当する700億ドルまで減少すると予想している。
今年上半期の対内直接投資総額は、前年同期の362億2,100万ドルから298億7,800万ドルと60億ドル以上減少したが、6月は64%増加の63億3,300万ドルを記録、7月は40億ドルの対内直接投資を中銀では予想している。
今年上半期の経常収支赤字は35億8,600万ドルを記録、6月の経常収支赤字は、4カ月連続の黒字となる4億3,500万ドルを記録したにも関わらず、昨年6月の黒字13億2,800万ドルの僅か1/3に留まった。
中銀では今年の経常収支赤字をGDP比0.6%に相当する115億ドルと見込んでいるが、今年の海外投資家による対内直接投資総額予想が700億ドルであるために、対内直接投資黒字が経常収支赤字を大幅にカバーする。
今年6月の経常収支のうち機械・装置の賃貸料や保険などのサービス収支部門は31億1,900万ドルの支出を計上、海外旅行収支は、前年同月の15億1,000万ドルの赤字から14億8,700万ドルの赤字に減少、本社への利益・配当金送金は、12億3,100万ドルから13億3,000万ドルに増加している。(2018年7月27日付ヴァロール紙)