ブラジルでの少子高齢化の加速並びに経済回復の遅れによる失業率の高止まりや一般消費者の節約傾向が後押しして、民間健康保険プランの値上げに反比例して、保険プラン解約が増加して業界での淘汰が加速してきている。
2014年末から今年5月にかけて300万人以上の保険加入者の解約に伴って100社以上の民間健康保険プラン会社は、経営が悪化して事業閉鎖を余儀なくされていると国家民間補充健康保健サービス監督庁(ANS)は指摘している。
民間健康保険プラン会社では、画像診断装置や治療機器などは大半がコストの高い輸入製品であり、またレアル通貨に対するドルの為替上昇、人件コスト上昇などで景気回復が遅れているにも関わらず、健康保険プラン値上げを余儀なくされている。
2017年第1四半期の民間健康保険プラン会社の売上は424億レアル、2018年第1四半期の売上は449億レアルに増加したが、支出は345億レアルから368億レアルに増加して収益改善に繋がっていない。
民間健康保険プランの加入者は、医療費の高い検査プロセス承認が容易でないと回答したのは68%、契約書に記載されている恩恵を受けていないと回答したのは52%、検査承認プロセスが非常に遅いと回答したのは47%に達している。
また民間健康保険プラン会社と契約している医師に対する調査では、加入者の入院期間短縮の強要、低い契約コンサルタント料金、労働条件悪化などを指摘している。(2018年8月5日付けエスタード紙)