年初の今年の住宅投資、設備投資や公共投資などの国内総固定資本形成(FBCF)部門のGDP伸び率は、前年比6.0%前後の増加が予想されていたにも関わらず、ブラジル国内のGDP伸び率の下方修正に伴って、大幅な修正を余儀なくされている。
国内総固定資本形成(FBCF)部門のGDP伸び率の下方修正の国内要因として、5月下旬から11日間継続した全国規模のトラック運転手の国道封鎖抗議デモによる悪影響、不透明な大統領選挙、高止まりする政策誘導金利(Selic)、継続するレアル通貨に対するドル高、予想を下回る景気回復や企業経営者の景況感悪化で投資意欲を削いでいる。
また企業経営者の投資意欲を削いでいる外的要因として、米国の金利引き上げや米国と対立する中国並びにヨーロッパ連合の貿易戦争が、ブラジルをはじめとした新興国の為替下落に繋がっている。
先週ブラデスコ銀行では、今年のGDP伸び率を前回予想の1.5%から1.1%と大幅な下方修正に伴って、FBCFのGDP伸び率を前回予想の4.0%から3.5%に下方修正したが、年初のFBCFのGDP伸び率は6.0%増加を予想していた。
ブラデスコ銀行では、今年第2四半期のFBCFのGDP伸び率は、トラック運転手の国道封鎖抗議デモによる悪影響で前四半期比マイナス1.0%を予想。2013年第4四半期~2017年第1四半期のFBCFのGDP伸び率はマイナス30%に達していた。
A.C.Pastore & Associados社では、今年6月のFBCFのGDP伸び率は前月比11.4%増加したにも関わらず、トラック運転手デモによる影響で、第2四半期のFBCFのGDP伸び率はマイナス1.0%と予想している。
ブラデスコ銀行では今年のGDP伸び率を1.1%、FBCFのGDP伸び率を3.5%、前記同様にTendencias Consultoria社は1.7%、4.2%、A.C.Pastore & Associados社では1.0%、3.8%それぞれ増加を予想している。
応用経済研究院(Ipea)では、今年6月のFBCFのGDP伸び率は、5月のマイナス10.4%から一転して9.4%増加を予想、第2四半期のFBCFのGDP伸び率はマイナス0.9%を予想している。(2018年8月7日付けヴァロール紙)