今年上半期末の社会保障院(INSS)の年金・恩給受給者は3,000万人に達して、1996年以降では2倍に急拡大しており、これ以上の連邦政府の財政悪化を防ぐためには、早急な年金・恩給改革が不可欠となっている。
今年6月に年金・恩給受給者は3,000万人に突破、そのうち2,050万人は都市部の年金・恩給受給者、950万人は農村部の年金・恩給受給者となっている。1996年の年金・恩給受給者は1,500万人、そのうち都市部の年金・恩給受給者は、970万人であったと社会保障院医療福祉制度(RGPS)の統計で表れている。
2018年上半期の社会保障院(INSS)のインフレ指数の全国消費者物価指数(INPC)を差引いた実質赤字総額は923億3,000万レアル、そのうち農村部の年金・恩給支払いによる赤字は535億6,000万レアル、都市部は387億7,000万レアルであった。
2017年の都市部の年金・恩給受給者向け支出総額は、前年比19.3%と大幅に増加した一方で、農村部の年金・恩給者受給者向け支出総額は、前年比僅か0.3%増加に留まっていた。
ラヴァ・ジャット作戦関連汚職問題やJBSオーナーのジョエズレイ・バチスタ氏が行った司法取引証言で、2017年3月に大統領と面会した際に秘密裏に録音されたものが、テメル大統領が不正を容認するともとれる不自然な発言問題が2017年5月に発覚したために、確実と見込まれていた年金・恩給改革案の国会審議再開が中止となった経緯があった。(2018年8月13日付けヴァロール紙)