アルゼンチン金融危機で9月の輸出は32%減少

ブラジル商工サービス省(MDIC)の発表によると、2018年9月の1日当たりのアルゼンチン向け平均輸出額は、アルゼンチンの金融危機の影響を受けて前年同月比31.8%減少、今年初め9カ月間では2.9%減少している。

しかし今年9月のアルゼンチンからの輸入額は前年同月比19.0%増加、今年初め9カ月間では17.5%と大幅に増加、ブラジルの対アルゼンチンの貿易収支黒字は59億ドルまで縮小、また今年初め9カ月間の貿易収支は43億ドルを記録している。

今年9月のアルゼンチン向け完成品輸出では、自動車並びに自動車部品、トラック、トラクターなどの農業機械、ショベルカーやホイルローダーなどの建機などが大幅に減少している。

9月のアルゼンチン向け自動車輸出は前年同月比29.7%減少、今年初め9カ月間では13.8%減少、9月の完成品輸出は、アルゼンチン向けの輸出減少が牽引して4.2%減少したにも関わらず、半完成品は7.7%増加、第一次産品も21.1%増加している。

今年9月の輸出総額は191億ドル、輸入総額は緩やかな経済回復に伴って原油並びに天然ガス、自動車、肥料などの輸入が牽引して前年同月比10.2%増加の141億ドルを記録している。

9月のブラジルの貿易収支は前年同月比3.9%減少の49億7,100万ドルに留まったにも関わらず、9月としては過去2番目の貿易収支黒字を記録している。

また今年9月のブラジルからの輸出は国際コモディティ価格の上昇に伴って原油並びにパルプの輸出が好調に推移、今年初め9カ月間のブラジルの輸出総額は8.1%増加の1,780億ドル、輸入総額は21.6%増加の1,353億ドル、貿易収支は19.9%減少の426億ドルの黒字を計上している。

輸入は過去20カ月間連続で増加、輸出も5月のトラック運転手の国道封鎖ストライキを除いて好調に推移しているとブラジル商工サービス省(MDIC)貿易局のアブロン・アラビ・ネット局長は説明している。

今年初め9カ月間の完成品輸出は、プレソルト原油生産向けFPSO(洋上浮体式生産・貯蔵・積出施設)の石油採掘向けプラットフォーム輸出が牽引して8.8%増加している。

しかしプラットフォーム輸出を除外すれば今年初め9カ月間の完成品輸出は、僅か4.1%増加に留まると産業開発研究所(Iedi)工業開発課エコノミストのラファエル・カグジン氏は指摘している。

昨年のブラジルの対アルゼンチン貿易収支は80億ドルを記録したが、今年はアルゼンチン金融危機の影響を受けて大幅な黒字計上を予想、また来年は赤字に転落する可能性があるとブラジル貿易会(AEB)のジョゼ・アウグスト・デ・カストロ会長は指摘している。

今年初め9カ月間の輸入総額は前年同期比21.6%増加の1,353億4,300万ドル、そのうち資本財は82.9%増加の213億1,600万ドル、中間財は12.3%増加の787億7,300万ドル、消費財は14.6%増加の193億5,000万ドル、燃料・潤滑油は25.3%増加の157億6,300万ドル。

前記同様に輸入総額は8.1%増加の1,779億9,100万ドル、そのうち第一次産品は12.1%増加の877億8,900万ドル、半完成品は3.7%減少の224億6,300万ドル、完成品は8.8%増加の644億300万ドルとなっている。(2018年10月2日付けヴァロール紙)

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