8月の製造業部門生産は前月比マイナス0.3%

ブラジル地理統計院(IBGE)の発表によると、2018年8 月の製造業部門生産は、不透明な大統領選挙による企業経営者や一般消費者の景況感低迷に伴って前月比マイナス0.3%している。

5月末から11日間継続したトラック運転手の国道封鎖抗議デモによる物流問題発生の後遺症や不透明な大統領選挙の影響で、9月並びに10月の製造業部門生産も僅かな増加に留まると予想されている。

Valor Data社による金融機関対象の8 月の製造業部門生産調査では、不透明な10月の大統領選挙やアルゼンチンの金融危機、米中貿易戦争などの外的要因も加わって、マイナス0.3%~0.9%増加、平均値は0.4%増加であった。

また8月のサンパウロ州の製造業部門生産は、国内最大の石油精製所であるサンパウロ州のパウリニア製油所(Replan)の火災発生で、11日間の操業停止が余儀なくされて負のインパクトを受けていた。

MCM Consultores社では、パウリニア製油所(Replan)の11日間の操業停止は、サンパウロ州の製造業部門生産のマイナス0.3%に相当、また石油・天然ガス開発向けプラットフォームのメンテナンスによる原油生産減少もマイナス要因となっている。

8月の製造業部門生産調査対象の26セクターのうち14セクターではマイナスを記録、特に飲料セクターはマイナス10.8%と二桁台の減少を記録、石油派生品セクターはマイナス5.7%、繊維製品セクターはマイナス2.4%を記録している。

8月の耐久消費財部門生産は前月比1.2%増加、資本財部門は5.3%増加、そのうち自動車部門生産は2.4%増加して前月のマイナス3.9%から反転している。MCM Consultores社では、9月の製造業部門生産は前月比マイナス0.1%、前年同月比では0.5%増加をそれぞれ予想している。

8 月の製造業部門生産は前年同月比2.0%増加、今年初め8か月間では2.5%増加、8月の過去12カ月間では3.1%増加、8月の医薬品セクタ生産は前月比8.3%増加、情報機器セクターは5.1%増加、自動車セクターは2.4%増加している。

ジェツリオ・ヴァルガス財団(FGV)による製造業部門経営者対象の景況感調査によると、2018年9月の製造業部門経営者の景況感指数(ICE )は、景気回復の遅れ並びに不透明な大統領選挙の行方などの要因で、前月比1.9ポイント減少の89.5ポイントと昨年9月の87.8ポイント以降では最低記録となっている。

MUFG銀行では、不透明な大統領選挙を前に9月並びに10月の製造業部門生産は低迷するが、大統領選挙結果如何では、11月の生産は年末商戦を前に活性化して2.0%増加の可能性も否定していない。(2018年10月3日付けヴァロール紙)

 

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