昨日の大統領選挙では、暴漢に刺された極右候補のジャイール・ボウソナロ候補(社会自由党-PSL)の支持率は46%、フェルナンド・ハダジ候補(労働者党-PT)は29%、両候補は今月末の第2次決戦投票に駒を進めたが、社会経済開発銀行(BNDES)のDyogo Oliveira総裁は、誰が次期大統領に選出されても同銀行のクレジット政策変更はないと太鼓判を押している。
世界金融危機後の2009年から社会経済開発銀行(BNDES)は、低金利の大企業向けの運転資金クレジットを大幅に拡大、ペトロブラス石油公社や食品加工大手JBS社を世界的なメジャー企業への育成、また国内インフラ整備のための大型プロジェクト向けクレジットが拡大していた2010年のBNDES銀行のクレジット総額は2,780億レアルに達していた。
公共事業などの大型プロジェクト向けクレジットを牽引してきた社会経済開発銀行では、クレジット戦略の方向転換並びに今年初めに社会経済開発銀行が長年に亘って利用していた長期貸出金利(TJLP)から金利計算が異なる新たな長期金利(TLP)採用で、今年のクレジット総額は大幅に減少すると予想されている。
BNDES銀行の2025年までのクレジット部門を牽引するのは、中小企業向け並びにインフラ整備部門向けクレジット拡大が予想されており、民営化コンセッション向けクレジットは、BNDES銀行に替わって民間銀行の比率上昇が見込まれている。
2018年のBNDES銀行のクレジット総額は、GDP比1.2%に相当する830億レアルに留まると予想されており、過去20年間の平均クレジット総額のGDP比2.3%の半分まで落ち込むと予想されている。
2018年~2021年のBNDES銀行の鉱工業部門向けクレジット総額は5,399億レアル、年間平均クレジットは1,350億レアル、前記同様にインフラ整備向けクレジット総額は4,901億レアル、1,220億レアルが見込まれている。
2018年~2021年のBNDES銀行のクレジット総額は1兆レアルを突破するが、経済リセッションが開始した2014年以降は1兆レアルを下回っていた。また今年末までに同銀行は、100億レアル~120億レアルの資産売却を予定している。(2018年10月8日付けエスタード紙)