ジャイール・ボウソナロ大統領誕生で、電力エネルギー部門の民営化や投資拡大が期待されているために、外資系電力エネルギー企業はブラジルへの投資拡大を検討している。
サンパウロ州電力エネルギー配給会社(Eletropaulo)の73.4%の株式を55億5,000万レアルで取得して、ブラジル国内最大級の電力エネルギー配給会社となったイタリア資本Enel社は、2019年~2021年の今後4年間に40億ユーロ(172億レアル相当)の投資を予定している。
イタリア資本Enel社による今後4年間に40億ユーロ(172億レアル相当)の投資は、ジャイール・ボウソナロ大統領誕生による投資計画の見直しで、2018年~2020年の投資計画の2倍に相当する投資を決定している。
2019年~2021年の投資総額40億ユーロの内訳として、22億ユーロ(94億レアル相当)は電力エネルギー配電部門、16億ユーロ(69億レアル)は、ブラジルにおける温室効果ガス(GHG)排出の削減に大きな貢献をするための代替エネルギー発電向け投資、2億ユーロ(8億6,000万レアル)は、電力エネルギーソルーションやサービス部門向け投資となっている。
今後は買収したサンパウロ州電力エネルギー配給会社(Eletropaulo)並びに2016年11月に買収したEnel Distribuição Goias(旧CELG社)の構造改革や近代化に経営を集中させるとEnel社のFrancesco Starace社長は説明している。
Enel 社の2018年~2020年の投資計画は全世界の7.3%に投資額に相当していたが、見直しされた2019年~2021年の投資計画では、全世界の14.5%まで上昇して、ブラジル国内の投資を加速させる。
Enel 社の全世界の2019年~2021年の投資計画は、総額275億ユーロ(1,180億レアル相当)と2018年~2020年の投資計画の12.0%増加、投資計画の42%は代替エネルギー発電部門、40%は電力エネルギー配電網部門、5.0%は電力販売部門、4.0%はEnelX社の開発部門、9.0%は火力発電部門向け投資となっている。
Enel 社の2018年~2020年の投資計画では、同社のEbitdaを6.0%引き上げて194億ユーロ、純益は11.0%増加の56億ユーロ(240億レアル)を予定していた。
Enel 社のブラジル国内の電力エネルギー供給の顧客総数は1,700万世帯、サンパウロ州並びにセアラー州、リオ州、ゴイアス州の5,850万人に電力エネルギーを供給している。
Enel 社の世界の電力エネルギー供給能力は90ギガワット、そのうち代替エネルギー発電部門は43ギガワット、ブラジル国内の代替エネルギー供給能力は29ギガワット、10ギガワットの代替エネルギー発電所を建設中、またセアラー州フォルタレーザ市に供給能力が326.6メガワットの天然ガスによる火力発電所を擁している。(2018年11月21日付けヴァロール紙)