日本貿易振興機構(JETRO)サンパウロ事務所(大久保敦所長)主催の第6回中南米知財セミナーは、2018年11 月26日午後2時から4時まで30人が参加して開催、進行役はJETROサンパウロ事務所の岡本正紀 知的財産権部長が務め、Di Blasi,Parente特許法律事務所のガブリエル・ジ・ブラジ共同経営者は、「ブラジルの特許制度 イノベーション、迅速化及び日伯関係」と題して講演した。
初めにガブリエル・ジ・ブラジ共同経営者は、ブラジルにおける特許権取得の重要性や顕著な特許権取得分野、特許権は商標権や実用新案権に並ぶ知的財産権の1つで発明の独占的な実施を国が保証。ブラジル特許商標庁(BPTO)の審査官の増員、予算、取組及び改善、ブラジルの特許出願件数の推移、INPI職員や特許審査官の取組、特許審査の遅延状況、知財制度・運用の課題、特許審査ハイウエイ(Patent Prosecution Highway)プログラムコンセプト、医薬品特許出願に対するブラジル産業財産庁(INPI)と国家衛生監督庁(ANVISA)による重複特許審査解消問題、PPH導入による審査時間短縮、登録処理の簡素化に関するINPI規則などについて説明。質疑応答では、特許処理ファスト・トラック、特許審査ハイウエイ対象の商品、ボルソナロ新政権による特許審査や罰則の変更の可能性、人工知能やビッグデーター活用によるバックログ削減、今後のバックログ処理対応などが挙げられた。
「ブラジルの特許制度 イノベーション、迅速化及び日伯関係」 Di Blasi,Parente特許法律事務所のガブリエル・ジ・ブラジ共同経営者
講演中のDi Blasi,Parente特許法律事務所のガブリエル・ジ・ブラジ共同経営者