ブラジル地理統計院(IBGE)の発表によると、2018年第3四半期のGDP伸び率は、サービス部門並びに農畜産部門が牽引して前四半期比0.8%増加、前年同期比では1.3%増加している。
今年の第3四半期のGDP伸び率が前四半期比0.8%増加したために7四半期連続で増加を記録したが、5月末から11日間継続したトラック運転手の国道封鎖抗議デモによる物流問題などの影響で第2四半期のGDP伸び率は低迷していた。
今年の第3四半期のGDPは、経済リセッション入り直前の2014年第1四半期のピーク時と比較して依然としてマイナス5.0%を記録しており、未だに2012年第1四半期の水準に留まっている。
ブラジル経済は漸く緊急治療室から一般病棟に移った状態であり、今後もケアを続ける必要があるとAustin Rating社チーフエコノミストのアレックス・アゴスティーニ氏は指摘している。
ブロードキャスト・プロジェクションによる金融機関対象によると、今年のGDP伸び率は1.3%、来年のGDP伸び率は3.0%を予想しているにも拘らず、ジャイール・ボウソナロ新政権発足後の年金・恩給改革承認に係っている。
MB Associados社チーフエコノミストのセルジオ・ヴァーレ氏は、来年のGDP伸び率は、米中貿易摩擦などの外的要因と年金・恩給改革承認に大きく左右されると予想している。
2018年第3四半期の部門別GDP伸び率では、農畜産部門は前四半期比0.7%増加、鉱工業部門は0.4%増加、サービス部門は0.5%増加、一般家庭の消費は0.6%増加、連邦政府支出は0.3%増加、住宅投資、設備投資や公共投資などの国内総固定資本形成(FBCF)部門のGDP伸び率は6.6%増加、輸出は6.7%増加、輸入は10.2%増加している。(2018年12月1日付けヴァロール紙)