アルゼンチン為替危機による完成品輸出減少しているにも関わらず、米中貿易摩擦の激化に伴って第一次産品の輸出拡大の影響で、今年11月間の貿易総額は既に昨年を上回る3,880億ドルを記録している。
今年1月~11月までの貿易総額は前年同期比14.3%増加、昨年の貿易総額を既に5.4%上回っていると商工サービス省(MDIC)のアブラン・ネット長官は説明している。
11月の貿易収支は前年同月比14.7%増加の40億6,200万ドルと11月としては2016年に次ぐ貿易収支黒字を記録、11月の輸出総額は25.4%増加の209億ドル、輸入は28.3%増加の169億ドルを記録している。
今年初め11カ月間の輸出総額は前年同期比9.4%増加の2,200億ドル、輸入総額は21.3%増加の1,683億ドル、11月の輸出では、農畜産の国際コモディティ価格上昇に伴って第一次産品輸出が40%増加、今年初め11カ月間では15.7%増加している。
今年初め11カ月間の大豆輸出は、生産記録更新に伴って前年同期比27.0%増加、原油輸出は47%、パルプ輸出も31%とそれぞれ大幅な増加を記録している。
また今年初め11カ月間の完成品輸出は前年同期比8.5%増加、特に石油派生品、航空機エンジン、自動車エンジン輸出が牽引、半完成品輸出は粗糖並びに皮革製品、銑鉄が不振でマイナス3.2%を記録している。
ブラジル貿易会(AEB)のジョゼ・アウグスト・デ・カストロ会長は、今年の貿易総額は4,250億ドルと昨年の3,680億ドルを上回るにも拘らず、貿易支黒字は、ペトロブラス石油公社のRepetroプログラムによる石油・天然ガス開発用プラットフォームの150億ドルに達する会計処理の影響で、昨年を下回ると予想している。(2018年12月4日付けヴァロール紙)