加入者並びに雇用主がそれぞれ8.5%拠出による貯蓄型個人年金制度検討

ジャイール・ボルソナロ新政権の構造改革第一弾で、財政プライマリー収支赤字の最大の原因となっている社会保障院(INSS)の赤字削減のために、早急な年金・恩給改革の実施が避けられない。

ボルソナロ新政権経済班を牽引するパウロ・ゲーデス財務相は、赤字累積が雪だるま式に増える現行の年金・恩給制度改正のために、キャピタリゼ―ション方式の年金改革を検討している。

検討されているキャピタリゼ―ション方式の年金制度は、年金加入者(被雇用者)である従業員が給与の8.5%に相当を年金基金に積立、雇用主も8.5%積立、毎月17.0%の年金用積立金を拠出する。

現在の被雇用者は、老齢年金受給のために毎月給与額に応じて8.0%~11.0%の負担金を徴収されており、また雇用主も被雇用者への支払いとして給与額20%の負担を余儀なくされている。

しかしゲーデス財務相のキャピタリゼ―ション方式の年金制度では、雇用主並びに被雇用者の負担金は8.5%と双方ともに負担軽減が可能となり、この方式の適用は、今後新たに年金受給のために社会保障院への負担金支払い開始を予定している若者が対象となる。

連邦政府はチリが採用している拠出建て(確定拠出型)の個人勘定年金 AFP(Administradoras de fondos de pensiones)制度を検討したものの、AFP制度では、被用者は AFP と呼ばれる年金運用会社を選び、その賃金の 10%を拠出しなければならない。

各 AFP はその資金を引退年齢まで運用し引退年齢後、加入者は終身年金を購入するか、購入しない場合には資金を計画的に引き出していく制度であるが、多くの場合は年金給付額が老後を快適に過ごす水準に達しない。

ゲーデス財務相は、キャピタリゼ―ション方式の年金制度の検討以外にも恩給支給額の見直しで最低サラリー以下の恩給支給、男性65歳、女性62歳の年金受給開始年齢の見直し若しくは男女ともに65歳の年金受給開始年齢の固定などを検討している。(2019年1月31日付けエスタード紙)

 

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