年金改革や公社民営化で今後10年間での経済効果は5,000億レアル相当か

ブラジルCiti銀行のマルセロ・マランゴン頭取は、ジャイール・ボルソナロ新政権が掲げている構造改革の中で最も重要な年金改革の国会通過並びに連邦政府や地方政府の公社民営化、公社の資産売却が加速すれば今後10年間で5,000億レアルに達する経済効果と算盤を弾いている。

ブラジルCiti銀行では年金改革、公社民営化並びに公社の資産売却によるブラジル金融市場の経済効果で、現在の同行の売上11億ドルは、数年後には15億ドルまで増加すると見込んでいる。

現在のブラジルCiti銀行では、小売・卸売業界やプライベートバンキングをコアビジネスとしているが、公社民営化並びにM&A事業拡大を図るために、ブラジリア市に事務所を開設している。

パウロ・ゲーデス財務相は、年金改革実施に伴って今後10年間に1兆レアルの経済効果に波及すると目論んでいるが、ブラジルCiti銀行は、現実的な数字として半分の5,000億レアルと見込んでいる。

コントロールされているインフレ、半年以上継続する6.5%の過去最低の政策誘導金利(Selic)、更に年金改革承認や民営化、インフラ整備事業の入札開始で国内外の投資家がタイミングを計っているとブラジルCiti銀行エコノミストのレオナルド・ポルト氏は説明している。

しかし海外シナリオは米中貿易摩擦の継続、難航している英国のEU離脱交渉、停滞している世界経済や先進諸国の金利上昇懸念などの要因で、レアル通貨の為替がインフレ上昇の懸念も否定できない。

昨年初め4か月間の海外投資家によるサンパウロ証券取引所への資金流入は100億ドルを記録したが、今年初め4か月間では200億ドルに達する可能性があるとブラジルCiti銀行金融投資担当のマルセロ・ミレン主任は楽観視している。

ブラジル国内のクロスボーダー企業買収や合併は、年金改革実施の行方が判明する第2四半期から加熱しだすとブラジルCiti銀行投資担当のエドアルド・ミラス氏は指摘している。ブラジル市場はCiti銀行にとって世界5位の売上で、ラテンアメリカ全体の24%を占めている。(2019年2月19日付けヴァロール紙)

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