第4回国際通商年次コンファレンス開催

IRICE(国際外交・通商政策研究所:非営利団体)とFGV-EESP(ゼツリオバルガス財団大学サンパウロ経済学部-グロ-バル通商・投資研究所)共催の第4回国際通商年次コンファレンスは、2019年3月25日午前9時から午後6時までゼツリオバルガス財団大学サンパウロ経済学部行動に20人が参加して開催された。

進行役はVera Thorstensen教授が務め、初めに22日の商工会議所懇親昼食会で、「ボルソナーロ政権における国内及び外交のチャレンジ」と題して講演したIRICE(国際外交・通商政策研究所:非営利団体)代表のルーベンス・バルボーザ元駐米大使が開催挨拶を行った。

同カンファレンスの総論として、連邦政府当局はメルコスールの対外共通関税(TEC)を産業競争力強化の観点から引き下げるべきだが、実際には加盟各国の調整や国内産業界への配慮が必要で時間と政治的コストが必要。TEC以外にもビジネス上の規則や制度の統合、域外交渉の今後の形態、メルコスールの機構改革の必要性も論じられた。グローバライゼーション進展や中国の台頭などの国際情勢の変化は、メルコスール改革を促す構図となっている。メルコスールの枠組みを資産若しくは負債と捉えるかの議論は意味をなさず、枠組みは加盟各国の目的達成するための手段として捉えるべきであるとIPEA研究所のフェルナンド・リベイロ氏は指摘した。またメルコスール強化を掲げるジャイール・ボルソナロ政権がメルコスールを生産性や産業競争力向上目的でどのように活用するかが今後のポイントと指摘している。

ルーベンス・バルボーザ元駐米大使は、メルコスールをめぐる議論として、対外共通関税(TEC)、域外交渉では一体かバイか、ビジネス関連規制・制度、メルコスールの機構改革の4点に集約され、ブラジルのリーダーシップが重要で、ブラジルの取組如何にかかっていると説明。過去10年間の域外交渉はイスラエル並びにパレスティナ、エジプトに留まっており、他の国の締結スピードに後れを取っているが、挽回するための手段としてTPP加盟の一つの方法と述べている。

外務省メルコスール・地域統合部長のミッシェル・アルスラニアン氏は、ボルソナロ新政権はメルコスール強化を掲げており、経済アジェンダで重要な位置を占めている。過去2年間の流れでは政府調達協定を図り、投資ルールの整備も進めており、協定内容の充実の方向性になる。域外交渉としてEU、EFTA、カナダとは2019年中に交渉完了、2020年内には韓国との交渉終了が予定されている。今後のメルコスールの課題はTECのみならず制度面での統合の進展で国際スタンダードとの整合性、原産地証明などの民間セクターのニーズの反映・改善の重要性を指摘している。

経済省のルカス・フェラス貿易局長は、ボルソナロ政権はメルコスール重視のスタンスを維持しており、高いTEC税率に象徴されるような閉鎖的なメルコスールの改革の必要性を示唆している一方で産業界や政治家の個別の利害調整が不可欠。市場開放はあくまで生産性並びに産業競争力を高める手段。EU側の問題点は農業分野での困難な譲渡の一方で、メルコスール域内、特にブラジルの産業構造自体が最先端のFTAモデルに適合していないと指摘している。

Rubens Barbosa, Celso Lafer, Michel Arslanian Neto, Vera Thorstensen, Lucas Ferraz e Felix Peña 
(Fotos: Rubens Ito / CCIJB)

Vera Thorstensen, Sandra Rios, Valentina Delich, Fernando Ribeiro, Lia Valls Pereira e Welber Barral

Vera Thorstensen, Rogério Correa, Renato Baumann, Oscar Afonso da Silva Júnior, João Ortega Terra e Luís Fernando Tironi

Vera Thorstensen, Beatriz Milliet, Fabián Yaksic, Thomaz Zanotto, Patrícia Gomes, Denise Naranjo e Luiz Cornacchioni

RI / CCIJB – 25/03/2019

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